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巴川紙 Research Memo(4):機能性シート事業は製紙、塗工紙、機能性不織布関連の3つに大別

2023/7/10 12:24 FISCO
*12:24JST 巴川紙 Research Memo(4):機能性シート事業は製紙、塗工紙、機能性不織布関連の3つに大別 ■会社概要 (3) 機能性シート事業 機能性シート事業は祖業の電気絶縁紙を含む製紙関連、磁気乗車券などを含む塗工紙関連、機能性不織布を製品化した機能紙関連を展開している。同事業は継続的な製紙事業の縮小のなかで損失が続いているため、構造改善を進め黒字化を目指しており、営業損失は縮小課程にある。巴川製紙所<3878>は構造改革において、2022年3月に大型抄紙機を全て停機し、小型抄紙機で小回りのきく体制を整えた。なお、機能性不織布関連については成長分野として伸ばす。 機能性不織布は機能として特殊抄紙技術(異種繊維沿抄紙、含浸、混抄、担持など)を生かし、新機能を有する湿式不織布などを製造している。機能性不織布の開発自体の歴史は古く、1960年代初頭からの電気絶縁紙の高性能化を図る目的で合成繊維混抄紙の開発に遡る。ただし商品化まで拡大したものはほとんどなかった。1980年代前半からの新素材ブームにより再注力し、ステンレス繊維シートやフッ素樹脂繊維シートを開発したものの、コスト面などから大きなビジネスにならずに推移してきた。なお2016年には、銅繊維シートも開発した。この銅繊維シートは用途開発に沿い、ユーザー試験、評価を受ける体制ができ、今後の量産化が待たれる状況にある。またステンレス繊維シートもユニット化による新たな付加価値付与が見込まれ、事業展開はこれから量産化で本格拡大が期待されている。 指紋認証カードや電子回路基盤内蔵カードなどで事業拡大 (4) セキュリティメディア事業 セキュリティメディア事業は、有価証券印刷やICカード、ポイントカード、プリペイドカード等の製造、加工及び情報処理関連を展開している。2020年3月31日に昌栄印刷及び同社子会社の日本カード(株)を連結子会社化したことで、2021年3月期より新セグメントとなった。 (5) 新規開発事業 2020年4月の組織改革で生まれた新事業である。同社グループの方針として主にiCas関連製品の開発と販売を進めるなかで、事業部に移管する前に新製品が上市されたものなどを売上高として計上している。iCasは同社の強みである「抄く(抄紙技術)」と「塗る(塗工技術)」に電気物性のノウハウを融合させ、熱・電気・電磁波をコントロールし、電気電子機器・部品の故障・誤作動防止に貢献する製品群である。製品ブランド名「iCas」(アイキャス)は「Insulation」(絶縁)、「Conduction」(伝導)、「Absorption」(吸収)、「Solution」(解決)の頭文字を列記したもので、2015年に統一ブランドとして創設した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘) 《SI》
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時価総額 7,490百万円
1914年創業の高機能性材料メーカー。電気絶縁紙を初めて国産化。現在はトナーや半導体実装用テープ、光学フィルム、カード製造等を手掛ける。半導体製造装置向け新製品「フレキシブル面状ヒーター」は引き合い多い。 記:2024/06/25