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いい生活 Research Memo(7):2024年3月期は引き続き増収増益の見込み

2023/6/13 12:07 FISCO
*12:07JST いい生活 Research Memo(7):2024年3月期は引き続き増収増益の見込み ■今後の見通し 1.2024年3月期の業績見通し いい生活<3796>の2024年3月期の業績予想は、売上高で前期比9.4%増の2,950百万円、営業利益で同28.1%増の300百万円、経常利益は同30.4%増の308百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同29.3%増の204百万円としている。 ローン依存度の高いフロー型収益構造である不動産売買・仲介業者に比べ、同社の主な取引先である中規模以上の不動産管理業者は、月々の管理手数料を基盤とするストック型の収益構造であり、金融政策や不動産市場の外部環境に対して短期的な影響は少ないと見られるため、同社は引き続き積極的な投資及びマーケティング・セールス活動を展開する計画である。また2022年5月の「改正宅地建物取引業法」による不動産賃貸者契約の締結・更新手続きの全面的オンライン化や「賃貸住宅管理業法」の一定規模以上の不動産管理会社の登録義務付けなどにおいて、国土交通省の積極的な活動が本格化するにあたり、不動産業界のDXが加速すると見られ、今後同社にとって追い風となると見られる。 2. 2024年3月期の基本方針・成長戦略 2024年3月期の業績の拡大を目指し、同社は既存顧客のARPUの増加と新規顧客の開拓に注力していく。基本方針・成長戦略について前期から掲げている5つの取り組みを推進していく。顧客に対し、SaaSのみの一元管理システムを導入し、SaaSへのシフト変換の支援を行い、「いい生活Square」へのユーザー登録にて見込み客となる不動産会社を囲い込み、個別ツールを複数導入したSaaS群により、顧客の業務の最適化につなげる。さらに大手企業への導入支援も推進し、連携サービスの拡大を目指す。 (1) 唯一のポジショニングを生かしてSaaSシフトを支援 同社は不動産賃貸管理・賃貸募集業務を、関連業務を含めて一元管理できるシステムをSaaS完結で提供できる独自のポジショニングを強みとしており、従来のオンプレミス型の個別システムを利用している不動産会社に対し、SaaSのメリットを訴求することでSaaSへの転換を進めていく体制を整え、従来のオンプレミス型不動産関連システムの顧客層への浸透・提供拡大を進める。 (2) 「いい生活Square」という業者間プラットフォームでの無料ユーザーの獲得 賃貸管理システム及び内見予約・入居申込サービスとリアルタイムで連携する賃貸業者間流通サイトであり、全国の不動産管理会社・賃貸仲介会社が、基本無料で物件情報の掲載や検索ができる(現在1万社超がアカウント登録済み)。空室募集から内見・申込・賃貸管理までの一連の業務をスムーズにつなげることで不動産会社のリーシング業務を支援している。入り口として利用しやすいサービスのため、このサービスをフックにして新規顧客の獲得を目指す。 (3) 全体最適のSaaS群の提案 あらゆる不動産業務に対応したサービスラインナップを揃え、各顧客の業務に合った機能をタイムリーに提供することができる強みを生かし、今までシステムを使いながらもデータの都度連携に労力を割かれていた顧客層に対して、個別の顧客ニーズに沿ったソリューションを提供していく。 (4) 大手企業への導入推進 規模感のある不動産事業者向けにマーケティング活動を展開しており、システムをオンプレミス(情報システムを自社の施設内に機器を設置して運用)で使用してきた顧客に対して、SaaSの導入を推進する体制が整備されている。また、法改正の流れに沿ってITの需要が高まってきていることもあり、同社のクラウド・SaaSの優位性を生かした大手の不動産会社への展開も進めている。 (5) 連携サービスの拡大 不動産業界の課題はデジタル社会への対応だ。2022年5月には宅地建物取引業法が改正され、重要事項説明書や賃貸借契約書などのハンコ廃止や電子化が認められるなど、法改正が進むなかで、電子化を推進する動きは社会的な潮流となっている。この課題に対して同社はGMOサイン、クラウドサインを代理販売することで、業務拡大のスピードを速めながら、汎用性のあるサービスを取り込んでいく計画である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞) 《AS》
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不動産賃貸仲介、売買業務に最適化された顧客管理SaaS、業者間物件情報流通プラットフォーム等を手掛ける。サブスク売上比率が高い。有料課金法人数は1500法人超。SaaS月額利用料の平均顧客単価は上昇。 記:2024/06/18