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エルテス Research Memo(1):2023年2月期は戦略的M&Aや各事業の底上げにより大幅な増収増益を実現

2023/5/22 14:21 FISCO
*14:21JST エルテス Research Memo(1):2023年2月期は戦略的M&Aや各事業の底上げにより大幅な増収増益を実現 ■要約 エルテス<3967>は、「健全にテクノロジーが発展する豊かなデジタル社会を守り、デジタル社会にとってなくてはならない存在になること」をビジョンに掲げ、リスク検知に特化したビッグデータ解析技術を基に、企業を中心としたあらゆる組織が晒されるリスクを解決するためのソリューションを提供している。主力である「デジタルリスク事業」は、主にSNSやブログ、インターネット掲示板などWeb上のソーシャルメディアに起因するリスクを扱う「ソーシャルリスクサービス」と、社内のログデータなどを分析し情報漏えいといったリスクを検知する「内部脅威検知サービス」から構成されている。デジタル社会の進展とともに様々なリスク(従業員による不適切投稿等に伴う風評被害やネット炎上等)が顕在化するなか、同社は顧客のリスクマネジメントをワンストップで支援する独自のポジショニングにより成長を実現してきた。最近では、営業機密情報の持ち出し対策や政府が進める経済安全保障対策※が追い風となり、「内部脅威検知サービス」が順調に伸びている。 ※経済活動や社会生活の安定を維持するために、エネルギー・資源・食料などの安定供給を確保するための措置、または技術・データの流出の未然措置などを講じること。 新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)を契機とする新たな事業機会の出現やデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の動きが加速するなかで、2021年2月期から主力の「デジタルリスク事業」に加え、「AIセキュリティ事業」及び「DX推進事業」を新たな事業セグメントとしてスタートした。今後は3つの事業による変革を進め、デジタル技術を軸とするユニークな事業基盤を確立する方針である。 1. 2023年2月期決算の概要 2023年2月期の連結業績は、売上高が前期比74.7%増の4,685百万円、営業利益が同152.0%増の202百万円と大幅な増収増益を実現した。EBITDAについても前期比80.1%増の446百万円と大きく増加している。売上高は、相次ぐM&Aによる効果に加え、「デジタルリスク事業」「AIセキュリティ事業」「DX推進事業」の3つの事業がそれぞれ伸長し、大幅増収となった。特に、「デジタルリスク事業」については、ソーシャルリスク対策に係る大型案件の複数受注や、営業秘密持ち出し事件をきっかけとした「内部脅威検知サービス」の受注が加速し順調に拡大した。また、「AIセキュリティ事業」についても、M&A先を含めた営業体制整備が奏功し警備事業が伸びた。「DX推進事業」については、自治体との連携(住民サービスのデジタル化支援など)が本格化してきた。利益面では、M&Aに係る一時的な費用やプロダクト開発に向けた先行費用が利益の圧迫要因となったものの、高収益の「内部脅威検知サービス」の伸びや生産性の向上、管理部門の業務効率化により大幅な営業増益を実現した。活動面でも、各事業の基盤構築を目的としたM&Aをそれぞれ成功させるとともに、3つの事業の融合による独自の「メタシティ構想」の形も見えてきたことから、中期経営計画(第1フェーズ)で掲げる「変革と基盤構築」に向けて大きな成果を残すことができたと言える。 2. 2024年2月期の業績予想 2024年2月期の連結業績については、売上高が前期比28.1%増の6,000百万円、営業利益が同48.1%増の300百万円と引き続き増収増益となり、EBITDAも同34.3%増の600百万円に増加する見通しである。M&A先のPMIを含む、既存事業の営業・マ-ケティング強化がけん引役となり、3つの事業がそれぞれ伸長する想定のようだ。利益面でも、今後の成長を見据えた人材投資を継続しながらも、増収や利益体質への転換強化により増益を確保する。2025年2月期からスタートする中期経営計画(第2フェーズ)に向け、グループ管理体制の強化と優秀な人材確保及び育成のための投資に注力し、「変革と基盤構築」の総仕上げに取り組む方針である。 3. 成長戦略 2022年2月期より中期経営計画「The Road To 2024」を推進している。コロナ禍をきっかけにDXの動きが加速するなかで、新たな事業機会を取り込むために、「AIセキュリティ事業」及び「DX推進事業」を本格的に立ち上げ、事業構造の変革を進めていくことが最大のテーマとなっている。これまで主戦場としてきたSNS炎上対策というニッチな成長領域に加え、「デジタルガバメント関連」や「警備業界」など、成長率が高い領域、もしくは市場規模が大きい領域へ展開し、ユニークな事業基盤を構築する方向性である。3年×3期による9年の中長期を視野に入れており、第1フェーズの3年間は「変革と基盤構築」に取り組み、第2フェーズ以降での「加速度的な成長サイクルの実現」を目指している。また、成長の先に健全なデジタル社会の実現を見据え、メタバース×スマートシティによる独自の「メタシティ構想(リアルとデジタルが融合した都市計画)」を推し進める考えだ。 ■Key Points ・2023年2月期は相次ぐM&Aや3つの事業の底上げにより大幅な増収増益を実現 ・中期経営計画(第1フェーズ)に掲げる「変革と基盤構築」においても大きな成果 ・2024年2月期も既存事業の営業・マーケティング強化により引き続き増収増益を見込む ・中期経営計画では、成長加速に向けて「変革と基盤強化」に取り組むとともに、独自の「メタシティ構想」を推し進める方針 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《SI》
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Webリスクモニタリングや内部脅威検知サービス等のデジタルリスク事業、DX推進事業、警備管制DXシステム等のAIセキュリティ事業を展開。内部脅威検知サービスのID数は大幅増。27.2期売上100億円目標。 記:2024/06/07