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トヨクモ Research Memo(4):有償契約数、チャーンレート、LTVを重要視

2023/5/15 15:24 FISCO
*15:24JST トヨクモ Research Memo(4):有償契約数、チャーンレート、LTVを重要視 ■事業概要 2. ビジネスモデル トヨクモ<4058>が提供するサービスはクラウドサービスであり、オンラインで申し込みから利用まで完結するため、同社の営業社員が訪問することなく、サービスの導入が可能となっている。なお同社は、顧客が「簡単」「便利」に使えるサービスを提供することにこだわりがあり、問い合わせを受けた企業に無料の試用期間を提供し、その期間中に顧客の担当者が自ら操作を習得できるよう工夫している。そのため同社が訪問しての説明を行うことなく、必要に応じて電話サポートやホームページのFAQを利用するだけでサービス導入が可能となっている。また個別にカスタマイズを行わないため、同社にとってサポートの負担も少なくなっている。間接コストを最小限に抑えた効率的な事業運営により、安価なサービスの提供を実現している。 同社のサービスは、利用期間に応じて料金が発生するビジネスモデルである。つまり有償契約数の増加により、継続的に収益が積み上がっていくストック型ビジネスである。また、同社が提供するサービスは、流行に左右されない性質のものであるため、継続して利用されやすく、チャーンレート(年間平均解約率)が低いことも特長である。サービスの販売は、同社に直接申し込みをした顧客に販売する直販が主流であるが、代理店等の販売パートナーを通して販売する場合もある。 同社が重要視している指標には、「有償契約数」「チャーンレート」「LTV」がある。 (1) 有償契約数 2022年12月期末の有償契約数は前期末比26.0%増の11,264件となった。内訳は、安否確認サービスの契約数が同15.9%増の3,125件、kintone連携サービスの契約数が同30.3%増の8,139件となった。安否確認サービスでは他社からの乗り換えも見られた。kintone連携サービスは複数のサービスを利用する顧客の増加もあり、大きく伸長したが、有償契約数の伸び率は2019年12月期の47.4%増、2020年12月期の40.1%増、2021年12月期の42.2%増に比べて、2022年12月期は26.0%増と鈍化した。有償契約数の伸び率の鈍化は将来の売上成長率の低下に直結するため、同社ではより効率的な広告宣伝や人材採用、自治体や大企業などエンタープライズ向けのソリューションパックの提供といった売上成長を再加速するための新たな取り組みを進めている。特にエンタープライズ向けビジネスが今後の注目点となると見られるが、現段階では具体的な参入時期も含めて未確定である。 (2) チャーンレート 2022年12月期末における同社全体での金額ベースのチャーンレートは、0.61%であり、低水準で推移している。内訳は、安否確認サービスは約0.2%で、kintone連携サービスが約0.9%である。kintone連携サービスは地方自治体からのスポット案件等もあり、チャーンレートは期によって多少の変動は見られるがおおむね安定している。 (3) LTV 同社は顧客生涯価値(LTV:Life Time Value)も重要な指標としている。LTVとは、顧客から将来にわたって得られる収益であり、月次経常収益(MRR:Monthly Recurring Revenue)をチャーンレート(金額ベース)で割って算出される。 個別サービスのLTVの合計値(安否確認サービスのLTV、kintone連携サービスのLTV)では、2021年12月期第1四半期の253億円から2022年12月期第3四半期の531億円まで順調に拡大が続いたが、同第4四半期は477億円へと縮小した。両サービスともに契約件数は伸びているため、チャーンレートが第4四半期間で0.22%悪化したことがLTVの悪化につながったが、同社のチャーンレートはもともと1%未満と非常に低いため、チャーンレートの若干の変動がLTVに与える影響が大きい点を考慮する必要がある。同社ではチャーンレートは今後も安定して低水準で推移すると見込んでおり、大きな懸念は不要と見られる。 ストック売上比率の高さと効率的な販売体制が強み 3. 強み 同社の強みは、「ストック売上比率の高さ」と「効率的な販売体制」である。同社の売上高の99.9%はストック売上となっており、ストック売上比率は非常に高水準である。継続的な売上が見込めるこのビジネスモデルは、同社の経営基盤の強化につながっている。販売体制はインターネットによる直接販売が主体であり、全体の62%を占めている。提案営業は行わずノンカスタマイズでソフトウェアを提供しているため、1契約当たりの獲得コストは低く抑えられている。案件の発掘は、ネットプロモーション、広告、イベント出展で行うことが多い。その後、見込み客がホームページに来訪してサービスの試用を行い、契約を締結する流れである。契約後のサポートについては、ホームページを充実させることや、電話やメール等で効率的に行っている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹) 《YI》
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時価総額 21,499百万円
クラウド型の安否確認サービスを開発・販売。大株主サイボウズの業務改善クラウド「キントーン」と連携するサービスも提供。安否確認サービスが堅調。DX需要が追い風となりキントーン連携も好調。自治体向けなども貢献。 記:2024/06/08