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ダイナムジャパンHD Research Memo(1):スマート遊技機の積極導入により再成長を目指す

2023/1/12 16:01 FISCO
*16:01JST ダイナムジャパンHD Research Memo(1):スマート遊技機の積極導入により再成長を目指す ■要約 ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>は、店舗数で国内第1位の日本最大級のパチンコホール運営企業である。チェーンストア理論に基づいて練り上げられてきたローコストオペレーションに強みと特長がある。ビジョンとして「地域のインフラとしてパチンコを誰もが気軽に楽しめる“日常の娯楽”に改革する」ことを掲げている。顧客第一主義や情報開示、コンプライアンス経営の徹底など質の高い経営を実践し、業界初の株式上場を果たしたパイオニア企業でもある。 1. 2023年3月期中間連結決算は償却負担増により増収減益に 2023年3月期中間連結決算は、営業収入で前年同期比10.4%増の56,195百万円、営業利益で同42.2%減の3,881百万円と増収減益となった。新型コロナウイルス感染症の感染拡大(以下、コロナ禍)と沈静化が繰り返されるなか、来店客数の回復は緩慢ではあったが、パチンコ機において複数の人気機種が生まれたことや営業努力もあって増収を達成した。一方、利益面では店舗業務の標準化による人件費の抑制や各種経費の削減に取り組んだものの、遊技機の減価償却負担増(前年同期比8,366百万円増)並びに電気料金の高騰による水道光熱費の増加(同1,025百万円増)が響いて減益となった。当第2四半期末の店舗数は前期末比横ばいの433店舗となっている。 2. 2023年3月期の事業方針 2023年3月期の事業方針としては、パチンコ事業における客数の回復を最重点課題として取り組む方針だ。コロナ禍での耐性が付いたとはいえ、コロナ禍以前と比較すると客数はまだ7~8割程度の水準にとどまっている。客足回復の起爆剤として期待されるのが2022年11月から導入が開始されたスマートスロット及び2023年春に導入が開始されるスマートパチンコである。これらスマート遊技機はメダルや玉への直接的な接触がなくなるため感染リスクが低減するほか、スペックの自由度が増しゲーム性の向上が期待できるため、客足回復の起爆剤となる可能性がある。初期投資負担はかかるものの、ローコストオペレーションにつながり店舗人件費の削減効果も期待できる。このため、同社はスマート遊技機を積極的に導入し、競争優位性を確保し既存店舗の客数増加により収益回復を目指す戦略となっている。 3. パチンコ事業の成長戦略 同社はパチンコ事業の成長に向けて、「多店舗展開」「低貸玉営業」「商品開発」「データドリブン」「コストマネジメント」の5つをテーマに取り組んでいる。このうち「多店舗展開」については市場がまだ逆風にあるほか建築コストも上昇しているため、自力出店は様子見とし、条件の良いM&A案件があれば取得することにしている。店舗の収益力強化策については、オペレーションの標準化による業務効率向上、PB(プライベートブランド)機の設置比率拡大、データドリブンによる遊技機の品揃え戦略等によって進めていく。スマート遊技機の導入によって店舗づくりの自由度も増し、従来よりもさらに幅広い客層が安心して楽しめる娯楽性の高い店舗づくりも可能となる。スマート遊技機の導入が客足回復の契機となり、2024年3月期以降はシェア拡大によって再び業績も成長軌道に復帰することが期待される。 ■Key Points ・2023年3月期中間決算は償却負担増が響いて増収減益となるも店舗収益力は着実に回復 ・スマート遊技機の登場で市場の活性化が見込まれると同時に大手による寡占化が進む見通し ・スマート遊技機の積極導入により競争優位性を確保、多彩な店舗づくりも可能となり“日常の娯楽”としてのインフラ実現を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《NS》