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壽屋 Research Memo(3):人気キャラクターの版権を取得して企画開発から製販一体型で展開

2022/10/5 17:23 FISCO
*17:23JST 壽屋 Research Memo(3):人気キャラクターの版権を取得して企画開発から製販一体型で展開 ■事業概要 1. ホビー関連品における製品展開 壽屋<7809>はホビー関連品の企画開発・製造にあたり、版権元(コンテンツ保有者)から版権(コンテンツの使用許諾・販売権利)を取得し、製品の企画立案・開発、自社内の造形技術者による原型製作及び製品形態のデザイン業務を本社で行った後に、国内外の卸売業者から事前に購入意向を確認し、採算性の判断を行った上で生産に移行している。製造は外部(主に中国の製造会社)に委託するファブレスメーカーである。1953年の設立来の歴史で培われたブランド力や製品企画開発力、さらに顧客の要望に対して柔軟に対応できる製販一体型の事業展開などを強みとしている。同社製品における主な特徴は以下のとおりである。 (1) フィギュア 映画、アニメ、コミック、ゲーム等のキャラクターをフィギュア化し、細部まで造りこまれたディテールや塗装による色彩表現及び質感表現などのクオリティーを量産品においても維持している。 (2) プラモデル 映画、アニメ、コミック、ゲーム等のメカニカルキャラクターを組立式キットとして立体で再現し、細部のディテールや質感表現はもとより、従来は塗装が必要となるプラモデルを未塗装でもキャラクターの配色を再現できる精密な設計を施している。また、メカニカルな可動部分の再現やギミック(仕掛け・からくり)の再現にも重点を置いて製品化している。なおプラモデルは様々なパーツを組み替えて楽しむことができるため、フィギュアに比べて需要が長持ちする傾向があると言われている。 (3) 雑貨 コミック、ゲーム、映画、歴史・史実等からキャラクターやアイテムをデザイン化し、生活雑貨等にアレンジしている。単なるキャラクター雑貨ではなく、今まで市場になかった商品を企画し、立体表現技術を生かしてデザイン性を高めた雑貨製品を展開している。特に女性向けジャンルでは、他社に先駆けて企画したイラストレーターによる独自アレンジ製品「es」シリーズのラバーストラップなどが定番シリーズとなっている。 地域別売上構成比は重点戦略の海外が上昇傾向 2. 地域別及び販路別売上高の推移 過去5期間(2018年6月期~2022年6月期)の地域別及び販路別売上高の推移は以下のとおりである。地域別売上高構成比で見ると日本国内が約7割、海外が約3割で推移している。同社が重点戦略と位置付ける海外の売上高構成比が、海外キャラクターを含めた幅広く高品質な製品ラインナップやクールジャパン需要の高まりなどを背景として上昇傾向となっている。 販路別売上構成比で見ると、卸売販売が約7割、小売販売(ネット通販含む)が約3割で推移しており、構成比に大きな変動は見られない。品目別では、日本はプラモデル、海外はフィギュアが主力となっている。海外はこれまで同社プラモデルが行きわたらなかったため、同社では今後の市場開拓余地が大きいと見ている。 自社オリジナルIP製品に注力 3. 事業背景 他社の人気IPの版権使用許諾を受けるには、まず版権元へ製品企画を申請し、製品仕様の詳細設計について承認を受ける必要がある。承認された場合は、利用の対価として使用料を支払うことになる。このように版権使用は無条件で許諾されるのではなく、キャラクター等をフィギュアやプラモデルへと立体化した際の再現力や表現力が認められてはじめて、版権使用許諾を獲得することができる。同社は、従来から再現力や表現力といったクオリティー重視の製品を企画・製造してきた豊富な実績があり、多くの版権元から高い評価を得て安定的な版権確保を実現している。なお、版権使用許諾は1社に独占的に与えられるとは限らず、同じコンテンツについて競合他社にも許諾される可能性がある。 同社は、相対的に利益率の高い自社オリジナルIP製品の強化にも注力している。2015年7月には中国政府文化部及びCCG EXPO主催社より、中国最大規模のアニメ・マンガ・ゲームの総合イベント「上海CCG EXPO 2015」において、自社オリジナルプラモデルシリーズ「フレームアームズ・ガール」が「最人気海外プラモデル賞」を受賞するなど、自社IPにおいても着実に実績を積み上げている。さらに自社オリジナルIPの海外利用権や商品化権など、国内外のパートナー企業に商品化許諾を行うことでニ次利用も促進している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《SI》
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フィギュア、プラモデル、雑貨等を中心とするホビー関連品の製造・販売を手掛ける。店舗はコトブキヤ立川本店などを運営。テレビ朝日と資本業務提携。北米地域ではプロモーション、新規取引先の開拓などを積極化。 記:2024/10/07