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オンコリス Research Memo(7):2022年12月期第2四半期累計の営業損失は前年同期並みの水準が続く

2022/9/8 15:27 FISCO
*15:27JST オンコリス Research Memo(7):2022年12月期第2四半期累計の営業損失は前年同期並みの水準が続く ■業績動向と財務状況 1. 2022年12月期第2四半期累計の業績概要 オンコリスバイオファーマ<4588>の2022年12月期第2四半期累計業績は、売上高で前年同期比233百万円増加の426百万円となった。主に中外製薬からの開発協力金収入の増加による。費用面では研究開発費が同263百万円増加の585百万円となった。テロメライシンの製法開発費用の増加が主因となっている。ただ、その他の販管費の抑制に取り組んだことで、販管費全体では125百万円の増加にとどまった。この結果、営業損失は同25百万円拡大し658百万円となった。また、営業外で為替差益が59百万円増加したこと等により、経常損失は同58百万円縮小の590百万円となり、特別利益として債権売却益21百万円を計上したことにより、四半期純損失は同80百万円縮小の570百万円となった。概ね会社計画通りの進捗となっている。 2022年12月期は研究開発費の増加により前期並みの営業損失が続く見通し 2. 2022年12月期の業績見通し 2022年12月期の業績は、売上高で前期比357百万円増加の1,000百万円、営業損失で同145百万円拡大の1,600百万円、経常損失で同99百万円拡大の1,600百万円、当期純損失で同15百万円縮小の1,600百万円を見込んでいる。 売上高は中外製薬からのテロメライシン開発協力金収入等に加えて、契約一時金収入を見込んでいる。可能性としては「OBP-301」の国内及び米国での共同開発契約が考えられるが、今後の交渉状況次第となる。一方、費用面では研究開発費等で前期比431百万円増加の1,700百万円を見込んでいる。内訳はテロメライシンで約9億円(主に製法開発費用)、「OBP-2011」で約4億円、人件費等の固定費負担で約4億円と期初計画では見込んでいたが、「OBP-2011」については前述の通り優先順位を引き下げており、開発費が縮小する見込みとなっている。縮小する部分については円安の進展でコストが増加しているテロメライシンの製法開発費用に充当していく。 なお、中外製薬とのライセンス契約を解消し、自社販売体制を構築していく方針を決定したことから、今後医薬品製造販売業の許可を取るべく、組織体制の構築を進めていく。具体的には、新たに品質管理部門や安全管理部門を設置し、各責任者を配置していくほか、これら業務を統括する総括製造販売責任者を置く必要があり、これら人材の採用を行っていく。また、テロメライシンを販売するにあたってのMRについてもピーク時で10名程度必要と見ているが、CMR(派遣MR)を活用することも想定している。このため人員については現状の水準から、一定程度増加するものと予想される。(2021年12月末従業員数36名)。 2023年12月期における研究開発費用については、各パイプラインの進捗状況にもよるが、全体的にはテロメライシンの製法開発費用が一巡することもあり、2022年12月期の水準に対して減少する可能性が高い。 開発型ベンチャーから製薬会社へと進化することで、企業価値向上を目指す 3. 中長期の成長イメージ 同社は2020年以降、コロナ禍の影響で国内外の開発プロジェクトに遅れが生じ、また、中外製薬とのライセンス契約も解消することが決定するなど経営面での逆風が続いたが、テロメライシンの上市を最優先に取り組み、また、事業形態も開発型ベンチャーから販売まで行う製薬会社へと組織体制を大きく変革していくことで、企業価値の向上を目指していく方針を決定した。米国ではアムジェンなどに代表されるように開発型ベンチャーが自社販売で成功して飛躍を遂げるケースも多く、自社販売を行う戦略についてマイナスのイメージはない。 テロメライシンの上市時期は早くて2025年前半になることから、それまでは先行投資期間が続くことになる。ただ、テロメライシンの上市に成功すれば、その後は国内外で適応拡大を進めながら製品価値を高めていくことが可能となり、収益化ステージへと移行するものと予想される。前述した通り、テロメライシンは食道がんで国内外合わせて1,000億円超の潜在需要がある。もちろん、新たな治療法や治療薬の開発も進んでいるため、すべての需要を取り込むことは難しいが、テロメライシンの「手術をしなくてもがんを治すことができる」という特徴が広く認知されるようになれば、テロメライシンの売上も拡大し、企業価値も大きく向上していく可能性はある。さらには、次世代テロメライシン「OBP-702」や神経変性疾患向けに開発が進んでいる「OBP-601」の開発が順調に進めば、2025年前半には上市への道筋が見えてくるものと思われ、今後の開発の進展に期待したい。 なお、2018年に資本提携した腫瘍溶解アデノウイルスの開発ベンチャーである米Unleash Immuno Oncolytics,Inc.(アンリーシュ社)で、5種類の開発候補品ができ上がったようで、同社でこれら候補品の評価・分析を今後行う予定にしている。「OBP-702」よりも性能が高いようであれば、開発パイプラインに追加していくことにしている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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ウイルス遺伝子改変技術を用いてがん治療薬を開発する「ウイルス創薬」バイオベンチャー。テロメライシンは富士フイルム富山化学と国内販売提携契約を締結。研究開発費は増加。23.12期通期は米国売上が増加。 記:2024/02/25