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MSOL Research Memo(3):大企業を主体に優良顧客を数多く抱え、安定・効率的な事業運営を実現(1)

2022/8/18 15:13 FISCO
*15:13JST MSOL Research Memo(3):大企業を主体に優良顧客を数多く抱え、安定・効率的な事業運営を実現(1) ■会社概要 2. 事業内容 (1) プロジェクトマネジメント実行支援サービスについて 同社グループは、マネジメントソリューションズ<7033>と連結子会社であるテトラ・コミュニケーションズ、中国の麦嵩隆管理咨洵(上海)有限公司、台湾の元嵩管理顧問股フン有限公司の4社で構成されており、主力事業としてプロジェクトマネジメント実行支援サービス(以下、PMO支援サービス)を展開している。同サービスは、企業が社内で取り組む様々なプロジェクトに対して、これらのプロジェクトが円滑に進み当初の目的を達成できるようにコンサルタントを派遣し、支援するサービスである。 対象領域としてはITプロジェクトが最も多く、次いで業務及び組織改善プロジェクト、新規事業及び経営改革プロジェクト等がある。また、支援するプロジェクトの規模も全社横断型プロジェクトから事業部門内のプロジェクト、現場プロジェクトなど様々である。 PMO支援サービスという事業を理解するには、企業(同社の主要顧客は従業員数が数千人~数万人のいわゆる大企業)におけるプロジェクトとその具体的な進行をイメージする必要がある。企業は日常業務(工場等の生産現場であれば主要製品の生産活動、管理部門であれば人事管理や経理業務など)に加え、環境変化への対応やさらなる成長を求めて様々なプロジェクトを立ち上げてその実行に取り組んでいる。 プロジェクトには通常、責任者、リーダーとしてプロジェクトマネージャーが置かれる。プロジェクトの規模はプロジェクトが設置されるレイヤー(社内の階層のこと。全社レベル、事業本部レベル、部・課レベルといったこと)や、目的(ゴール)設定などでも変わってくるが、プロジェクトメンバー数が50人~100人というのも珍しくはない。仮にメンバー数が50人だとするプロジェクトマネージャーは社員50人、年商5億円~10億円の企業を経営する社長のような存在と言える。そうした企業において社長が営業、人事、総務、経理などの業務を1人で行うことはまずない。企業内に様々な部署が設置されるように、プロジェクトにおいてもプロジェクトマネージャーを支援する組織が置かれ、それがPMOと呼ばれる組織となる。日本人にとっては“事務局”といったほうが通りが良いかもしれない。 PMOはプロジェクトマネージャーの下に設置され、プロジェクト全体の進捗や課題を可視化し、プロジェクトマネージャーの意思決定支援を行う組織であり、同社はPMOに対するコンサルティング及び実行支援サービスを提供している。なお、ITプロジェクトであればシステム開発会社が、経営及び事業戦略プロジェクトに関することであればコンサルティング会社などがサービスを提供しているが、同社の立ち位置は発注者側(企業)に立って、プロジェクト全体が円滑に進むよう進捗管理やリスク分析などを行い、プロジェクトを成功に導くことにある。 PMOに関して、米国では大企業のうち95%が社内にPMOを設置してプロジェクトを遂行しているというデータもある。日本でもここ数年でPMOを設置し、PMO支援サービスを利用する企業が増えてきてはいるものの、まだ海外と比較すると遅れているのが実情であり、同社にとって成長余地が依然大きいとも言える。 (2) 収益モデル PMO支援サービスの典型的なケースは、PMO業務のアウトソーシングである。企業がプロジェクトを発足させPMOを設置しようとしても、社内にそれを遂行できる人材がいないことが多い(特に、IT分野において)。社員はそれぞれ日常業務を抱えているためなおさらだ。また、PMOは本質的には間接業務であり、そのような間接コストはアウトソースされる方向性をいち早く見抜き、従来のコンサルティングモデルとは異なるビジネスモデルを構築した。そのようなアウトソーシングニーズに対して同社は、独自に構築したサービスモデル体型をもとにサービスレベルに応じた報酬を明確化し、支援を行なっている。この報酬は、1人当たり1ヶ月間の単価で表される。同社の場合、役割に応じて4段階の職種※に分別しており、それぞれで単価は異なるが全社平均水準は現状で160万円/1人/月となっている。同社はコンサルタントの単価を明確にした“明朗会計”を大きな特長の1つとしている。 ※PMC(PMの参謀として将来を見越した計画、経営層向けレポート、組織間調整、PM人材育成等を行う)、PMA(PMの相談役、プロジェクト計画の推進、プロジェクトの可視化、分析、レポート作成、リスク管理を行う)、PJC(PM管理プロセス策定、導入定着改善、課題解決推進、各種会議のファシリテーション等を行う)、PJA(体制図、マスタースケジュール、会議準備、各種ドキュメント管理、PC等の環境整備を行う) PMO Online事業などを除く多くの場合、1人のコンサルタントは自分が担当する1件のプロジェクトに専念する(例外的に、上級管理職レベルの社員は同時に複数のプロジェクトを担当するケースもある)。したがって、同社の売上高はコンサルタントの数と平均単価、稼働率の関数といえ、成長戦略上はコンサルタントの社員数が大きな意味を持つことになる(詳細は後述)。 プロジェクトメンバー数が100人規模の場合は、PMOに対して3人程度のコンサルタントを送り込むことが一般的だ。プロジェクトの期間は案件によって様々だが、1年程度が中心帯とみられる。通常、大企業では複数のプロジェクトが同時進行しているほか、1つのプロジェクトが終了すると、すぐに次のプロジェクトがスタートすることも多い。そうした現状にあって、1人のコンサルタントが同一顧客内で、別のプロジェクトに契約を巻き替えて移行するケースも多い。この割合をリピート率と称しており、90%以上と高水準で推移している。これは後述する営業体制・営業効率とも密接な関わりがある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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プロジェクト・マネジメント・オフィス(PMO)サービスが主力のマネジメント専門企業。マネジメントコンサル、プロジェクトマネジメント実行支援等を行う。人材の積極採用などにより、事業領域の拡大を図る。 記:2024/10/25