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ダイナムジャパンHD Research Memo(6):2023年3月期は客数増加による増収効果で利益を確保する方針
2022/7/5 16:06
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*16:06JST ダイナムジャパンHD Research Memo(6):2023年3月期は客数増加による増収効果で利益を確保する方針 ■ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>の2023年3月期の事業方針 1. パチンコ事業 (1) 営業方針 2023年3月期はコロナ禍でのオペレーション体制がほぼ構築されたことから、客数の回復に向けた取り組みを強化していく方針となっている。具体的には、オペレーションの標準化、集約化に取り組むことで店舗スタッフの顧客サービス対応の時間を増やしていくとともに、サービス品質を向上させるための教育プログラムや品質管理方法の再構築を図ることで、顧客満足の向上を図っていく。顧客満足度を向上させることで、客数の増加と遊技時間の長時間化(=客単価の上昇)を実現し、営業収入の増加につなげていく考えだ。客数の回復においては、近隣の競合店から若年層の顧客を奪取するための施策に加えて、低迷が続いている高齢者を呼び戻すことができるかがカギを握ることになりそうだ。 また、業界全体の新たな取り組みとして、スマートパチスロやスマートパチンコの導入が開始される。スマートパチスロについては2022年11月、スマートパチンコについては2023年1月以降にホールに導入される予定で、客数回復のきっかけとなる可能性がある。既存のパチスロ、パチンコ機との違いは、パチンコ玉やメダルに触れずに遊技できる点にあり、コロナ感染対策にもつながるため遊技者は安心して楽しむことができる。高齢者がホールに戻ってくるきっかけとなるほか、清潔感が向上することや出玉を持ち運んで計数機にかける必要もなくなるため女性客が増加する可能性もある。店舗スタッフにとっても、メダルの補給や出玉の持ち運び、計数などの作業が不要となるため、業務負担の軽減につながるといったメリットがある。 スマートパチンコやスマートパチスロについては、大当たり確率の上限引き上げやゲーム性の向上などの規制緩和が行われる予定となっており、新規顧客の増加も期待されている。一方でスマートパチンコやスマートパチスロは、不正対策のため出玉情報等を外部の管理センターに送信する専用ユニットを設置する必要があり、新たな設備投資が発生することになる。 市場環境が厳しいこともあり、業界全体で一気に入替が進む可能性は低いと見られる。また、半導体不足に起因して、現在もパチンコ機等の生産が計画どおり進んでいない状況であり、スマートパチンコやスマートスロットの供給がさらに遅れることも考えられる。同社では客足回復のきっかけとなる可能性があることから導入に前向きな姿勢だが、本格的に業績への影響が出てくるのは、早くても2024年3月期以降になるものと予想される。 なお、出店戦略については不採算店舗の整理にある程度目途がついたこともあり、2023年3月期は複数店舗の出店を予定している(4月に鹿児島県、静岡県にそれぞれ1店舗を出店)。また、PB機の比率については2022年3月期並みの水準を想定している。ダイナムオリジナル機について甘デジ機2機種を投入するほか、メーカーのナショナルブランド機の仕様変更機種を複数機種投入する予定となっている。 (2) 費用の見通しについて 事業費用の見通しについては、遊技機関連費用の増加が見込まれる。2023年3月期の購入額は前期から大きく減少する見込みだが、資産計上した遊技機の減価償却費が増加する。一方、事業費用の約4割を占める人件費についても前期にパート従業員も含めて絞り込んだこともあり、2023年3月期は横ばい水準に抑え込むことが精一杯と見られる。また、水道光熱費については電力料金の値上げによって増加が見込まれる。広告宣伝費については機種の入替が減少することもあり、前期比で削減できるものと見られるが、事業費用全体としては増加するものと予想される。 その他の収入・費用の増減要因としては、前期に計上した雇用調整助成金等2,456百万円の大半がなくなるが、減損損失2,430百万円も大きく減少することが見込まれるため、両項目でほぼ相殺する格好になると見られる。 航空機リース事業は新たに3機を購入し、リースを開始する予定 2. 航空機リース事業 航空業界はコロナ禍で厳しい状況が続いているものの、国内線を中心に徐々に需要は戻りつつある。IATA(国際航空運送協会)の発表資料によれば、国際線の旅客数が2019年の水準に戻るのは2025年頃となるが、国内線については欧米での規制緩和が進むなかで2023年頃の回復を見込んでおり、全体では2024年に2019年の水準まで回復する見通しだ。 また、The Boeing Company<BA>の予測によれば、2040年までに短距離輸送で利用されるナローボディ機を中心に43,610機の新規機体の需要が発生すると見込まれている(2019年時点で25,900機が稼働)。このため、同社は中長期的に航空機リース事業については安定成長が続くとの見方に変わりはないと見ている。 こうしたなか同社は、2021年10月に、同事業を運営する子会社のDynam Aviation Ireland Limited(ダイナムアビエーション)がハンガリーのLCCであるWizz Airと航空機3機(エアバスA321Neo)をセール・アンド・リースバック取引により購入する契約を締結したことを発表した。航空機売買契約完了時に、それぞれの航空機がWizzまたはWizzの関連会社にリースされることになる。機体の引き渡し時期は当初計画よりもやや遅れ、2022年7~9月に2機、10~12月に1機となる見通しだ。 2023年3月期の業績には追加3機分のリース料収入が上乗せされることになり、増収増益が見込まれる。なお、ウクライナ情勢が混沌としているものの、既存のリース先やWizz Airに関してはロシア便が少なく、影響は軽微と見られる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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