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サンワテクノス Research Memo(6):新中期経営計画を発表、2025年3月期に営業利益70億円を目指す(1)

2022/6/30 16:16 FISCO
*16:16JST サンワテクノス Research Memo(6):新中期経営計画を発表、2025年3月期に営業利益70億円を目指す(1) ■サンワテクノス<8137>の長期ビジョンと中期経営計画 3. 新中期経営計画「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」 (1) 経営数値目標 2023年3月期からスタートする3ヶ年の中期経営数値目標のなかで、KGIに「営業利益」を設定した。従来は「売上高」を重視し、売上高を拡大すれば利益も自ずとついてくるという考え方であったが、市場環境変化のスピードが速くなるなかでは必ずしも売上高の拡大が利益成長につながる時代ではなくなってきたという認識により、利益を起点とした経営戦略を打ち出すことにした。 具体的な業績目標としては、2025年3月期に売上高で1,950億円、営業利益で70億円とした。営業利益率は3.1%から3.6%に引き上げ、主に売上総利益率の上昇を見込んでいる。3年間の年平均成長率で見ると、売上高8.1%、営業利益13.4%となるが、2023年3月期は前述のとおり伸び率が鈍化する計画となっているため、2024年3月期以降に成長が加速する計画だ。また、海外売上比率(海外事業会社売上÷連結売上高)を2022年3月期の38%から、2025年3月期は40%に引き上げていく。アジアを中心に事業拡大を図る方針だ。また、同社では2025年3月期の業績目標が達成できれば、次のステップとして2028年3月期に売上高2,500億円、営業利益100億円を視野に入れているようだ。 (2) 基本方針 「SNS2024」で取り組む基本方針として同社は、a)イノベーションが求められる成長分野への注力、b)より高付加価値な製品と新たなソリューションの提供、c)サステナビリティ経営による持続可能な社会の実現に貢献、の3点を掲げ、これらを遂行していくことで業績目標を達成していく考えだ。 a) 「イノベーションが求められる成長分野への注力」 同社では、リソースを投入する顧客セグメントを、同社の強みと市場の魅力度(市場規模、成長率、利益率)を軸にして、積極的リソースを投入する分野、選択的リソースを投入する分野、その他分野に分類し、顧客セグメント別に事業戦略を立て、実行していくことで売上総利益の拡大を目指す。 積極的リソースを投入する分野は、半導体製造装置、ロボット・マウンター、工作機械の3分野とした。半導体製造装置分野については半導体産業が国策としても重要な分野として位置付けられ、経済安全保障の観点からもさらなる成長が期待できるため、同社の強みが発揮できる重要セグメントと位置付けている。主な戦略として、顧客と性能向上につながる共同テーマの獲得、コスト低減につながるユニット組立の提案推進、新規有望顧客獲得のために必要となる仕入先の開拓を挙げ、これらを実行することにより、売上総利益で年率15%以上の成長を目指す。 ロボット・マウンター分野に関しては技術革新が著しい高成長分野であり、同社が優位性を発揮しやすいセグメントとなる。主な戦略は、顧客ごとに製品別インシェアアップに取り組んでいくほか、周辺機器の新規顧客の開拓を進めていく。また、顧客ニーズを集約し、業界に特化した製品の企画にも取り組む方針だ。こうした戦略を実行することにより、売上総利益で年率10%以上の成長を目指す。 工作機械分野は、世界のモノづくりを支える「マザーマシン」の高性能化、自動化、デジタル化で成長が見込めるセグメントと位置付けている。主な戦略は、周辺機器の新規顧客開拓、IoT化により重要度が増すFAPC(産業用コンピュータ)の提案、BCP対策としてグローバルSCMソリューションの提案などを推進していく。これら戦略の実行により、売上総利益で年率10%以上の成長を目指す。 一方、選択的リソースを投入する分野としては、FA装置、車載、設備の3分野を挙げている。選択的リソースの投入とは、状況によっては資本提携や業務提携などでパートナー企業と協業しながら事業を拡大していくことを意味している。FA装置分野に関しては、顧客層が広く製品品種も多岐に渡るため、同社の中では最も売上総利益の規模が大きい分野となる。今後の戦略としては、グローバル規模でのFAコンポーネント業界に注力していくこと、量産アプリケーションを軸とした戦略製品を創出していくこと、デジタルツールの積極活用による情報発信の強化の3点を挙げ、これら戦略の実行により、売上総利益で年率10%以上の成長を目指す。 車載分野では100年に一度の変革期が到来しており、CASE※をキーワードとした車載電装システムの進化と市場の拡大が期待できるセグメントとなる。主な戦略としては、既存製品の横展開による新規顧客の開拓を進めていくこと、新規戦略製品をグローバルに開拓していくこと、新規取引先開拓のための組織を構築することの3点を挙げており、これら戦略を実行することにより、売上総利益で年率10%以上の成長を目指す。 ※CASE:Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった造語。自動車産業業界において、次世代に向けた動向を象徴するキーワード。 設備分野に関しては対象業界が広く、自動化やサステナビリティ対応への技術的ニーズが高まっているセグメントと位置付けている。主な戦略としては、営業とエンジニアリングが一体となって顧客への提案力を強化していくこと、食品業界におけるSierとの協業による案件拡大、設備のパッケージ化と横展開による収益性の向上等に取り組む。これら戦略を実行することにより、売上総利益で年率10%以上の成長を目指す。 同社では今後3年間でこれら6分野の売上総利益を合計で41億円増加させることを目標している。2022年3月期売上総利益142億円のうち6分野合計の構成比は69.6%を占めており、今後も同社業績をけん引する見通しだ。なお、その他分野の売上総利益についても3年間で拡大していく計画となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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電機・電子・機械分野で事業展開する独立系商社。小型モータやコネクターなど電子部門の売上比率が高い。仕入先は約2000社、顧客は約3100社。配当性向25~35%目標。高付加価値の新商品の開発、拡販進める。 記:2024/06/18