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シュッピン Research Memo(3):One to Oneマーケティング、プラットフォーム型事業モデルに強み

2022/6/27 16:13 FISCO
*16:13JST シュッピン Research Memo(3):One to Oneマーケティング、プラットフォーム型事業モデルに強み ■企業特長 1. 成長モデル シュッピン<3179>の売上高は、Web会員数の拡大とともに成長してきた。すなわち、効果的なECマーケティングを通じて新規顧客を獲得するとともに、会員として囲い込み、継続購入を促していくことが、売上高の伸びにつながるストック型ビジネスと言える。したがって、新規会員獲得数や総会員数に加え、購入会員数及びアクティブ率※が重要なKPIとなっている。現在のWeb会員数は約57万名に上るが、今後も独自の事業モデルを通じて、若年層や女性会員の増強、関東圏以外でのシェア拡大など、まだまだ新規会員獲得(及び会員数拡大)の余地は大きい。また、アクティブ率を高めることによる購入会員数の拡大についても、業績の底上げやコスト面でのメリットが期待できる。さらには、「商品」(中古品在庫)の積み上げも将来の売上増につながる重要なKPIである。同社は、同業他社(リユース、リサイクル等)が多額の広告宣伝費を使って中古品を集めているのと違い、独自のEC買取の仕組みや目利き、さらにはAIの活用等により、同社のコアバリューである「価値ある財庫」を集めることに注力しており、それが新規会員獲得や継続購入に結びついてきたと言える。 ※同社では、各四半期はじめの会員数に対するその四半期の購入会員数(新規での購入会員は除く)をアクティブ率と定義している。 2. 同社の特長(強み) (1) 独自のEC特化型モデル 同社は、創業以来、「価値あるもの」に限定したEC特化型モデルにこだわってきた。すなわち、高付加価値商材に対する専門性とECによる利便性により、独自のポジショニングを確立してきたと言える。特に、固定費を抱えないことにより景気変動に柔軟に対応できるうえ、規模拡大に向けてボトルネックが少ないこと、売上高の伸びとともに高い収益性を実現できるところに着眼し、そのメリットを享受している。また、同業他社が他社モールへの依存度が高いことに対して、独自サービスの提供により、自社サイト比率(80%超)を高めてきたところにも強みがあり、それによって手数料負担の軽減はもちろん、後述するプラットフォーム型の事業モデルを可能としてきた。一方、店舗についても、足元ではコロナ禍の影響を受けているものの、インバウンド需要(免税売上)などを追い風に一定の業績貢献や情報発信基地としての役割を担ってきた。同社では、これからもEC(特に、プラットフォームとしての自社サイト)を軸とした事業を展開していく方針である。 (2) 新品と中古品による相乗効果 売上高全体に占める「新品」と「中古品」の比率はおおむね1:1で推移している。同社にとって、それぞれに重要な役割があり、相互に作用し合いながら会員基盤の拡大や業績の伸びに貢献してきた。すなわち、一品ものが多く、利益率の高い「中古品」に対して、競争の厳しい「新品」を取り扱うことの意義は、業績への貢献はもちろん、新規会員の獲得(新たな顧客の囲い込み)や「中古品」を下取りする機会を得るところにある。特に、新製品の発売時は、業績インパクトが大きいうえ、新規会員獲得の最大のチャンスとなっている。したがって、「中古品」の販売拡大のために「新品」の取り扱いが触媒として機能している一方、「新品」の販売にとっても、顧客の所有する「中古品」の下取り(納得のいく買取金額の提示)により差別化を図ることができ、相乗効果を生み出している。 (3) 「価値ある財庫」を集める仕組み 同社の成長は、前述のとおり、いかに「価値ある財庫」(中古品)を集めるかにかかっている。良質な在庫をとりそろえることは、同社のブランド価値を高め、買い手をひきつけることはもちろん、売り手の信頼にもつながり、さらに良質な在庫を集める正の循環を生み出す。同社は、1) 細かい査定基準により商品価値に見合った納得の買取金額を提示していること、2) 新品を取り扱うことで下取りニーズに対応していること、3) ネット上で手軽に買取目安金額が検索できること、などの機能充実を図ることで、他社との差別化を実現してきた。また、「ワンプライス買取」※1や「先取交換」※2など、独自のEC買取の仕組みを導入しているところも、売り手の利便性をさらに高め、EC買取額の拡大に結び付いている。最近では、AI顔認証によるオンライン本人確認※3やAIMD※4の導入による効率化(機会損失の削減)などにも取り組んでおり、同社ならではの進化を続けている。 ※1 同社が指定した商品に関して定額買取金額を保証するサービス(2013年7月より開始)。 ※2 所有するカメラで下取(交換)に出して、新たに商品を購入する際に、先に顧客が商品を受け取ることができるサービス(2014年9月より開始)。 ※3 従来、本人確認には、利用者の本人確認書類(住民票写しの原本)を郵送する必要があったが、利用者の顔と身分証の画像確認の一致が可能なシステムの導入により、オンライン上で本人確認が完結する(さらに、2回目以降の買取については、IDとパスワードだけで本人確認手続きが完了)。 ※4 AIを活用した中古カメラの買取価格・販売価格の自動アシストシステムである。従来は約2万アイテムに上る取扱品目をすべて人手によって価格を決めてきた。ただ、タイムリーな価格決定は一部に限られ、結果的に機会損失となるケースも多い。本システムは人手による作業をアシストするものであり、適正かつタイムリーな価格決定により、機会損失を減らすことが期待される。 (4) プラットフォーム型事業モデル また、ここ数年は、購入前 → 購入時 → 購入後の流れのなかで、価値ある情報を提供し、継続購入を促すプラットフォーム型の事業モデルを構築してきた。すなわち、カメラを楽しむ情報(購入前) → 購入しやすいサービス(購入時) → 購入後に楽しめるサービス(購入後)といった循環をつくり、その輪を大きくすることで、会員基盤の拡大と活性化、さらには業績の伸びに結び付けていく戦略である。特に、購入時のサービスについては、ECサイトのパーソナライズ化(欲しいリスト、入荷お知らせメール、パーソナルレコメンド等)により、One to Oneマーケティングを実現している。また、情報の充実やファンの醸成等を目的としてCGM※1の活用やWebマガジン※2の配信にも取り組んでおり、日本最大級のカメラ専門のポータルサイトを目指している。 ※1 Consumer Generated Mediaの略。掲示板や口コミサイトなど一般ユーザーが参加してコンテンツができるメディアのこと。 ※2 オンライン上で閲覧できる雑誌のこと。同社では、月間100万PV以上の4つのコンテンツを集約したWebマガジン「StockShot」(ストックショット)を配信している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《ST》
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カメラや時計、筆記具、自転車の専門ショップを展開。ECサイトでの販売が主力。動画配信中心にコンテンツの拡充図る。新製品効果などでカメラ事業は堅調。時計事業は売上回復傾向。24.3期2Q累計は増収。 記:2023/12/26