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USENNEX Research Memo(3):個人向け1事業、法人向け4事業を展開(1)

2022/5/13 16:03 FISCO
*16:03JST USENNEX Research Memo(3):個人向け1事業、法人向け4事業を展開(1) ■USEN-NEXT HOLDINGS<9418>の会社概要 3. 事業概要 事業セグメントは、コンテンツ配信事業、店舗サービス事業、通信事業、業務用システム事業、エネルギー事業の5つである。コンテンツ配信事業では、個人向けに動画や電子書籍といったデジタルコンテンツを配信している。その他の4事業は、法人や個人事業主による業務店など中小事業所向け、各種施設向けのビジネスがメインとなっている。店舗サービス事業では、飲食・小売といった業務店や各種施設に対して、音楽配信サービスの提供や音響機器の販売・施工、音楽著作権の管理、IoT機器の販売といった店舗経営のためのソリューションサービスを提供している。そして、キャッシュカウな音楽配信と高成長の店舗DX(POSレジやWiFiなど)に細分される。通信事業では、法人向けICT商材や業務店向け自社光回線などを販売している。通信事業も、安定成長の法人向けICTと高成長の店舗DX(自社光回線)に大きく分けられる。業務用システム事業は、ホテルや病院などに向けて自動精算機やフロント業務管理システムなどの機器販売や保守サービスを行っている。エネルギー事業は、店舗サービス事業や通信事業の顧客などに対して、低価格の電力・ガスの販売を行っている。なお、事業間でクロスセルをするなどシナジーを追求すると同時に、販売時のワンショット収益から月次利用料を収受する安定継続的なランニング収益を増やすことで収益体質の改善も進めている。 (1) コンテンツ配信事業 個人向けコンテンツ配信サービス「U-NEXT」は、映画やテレビといった動画から電子書籍や音楽を、インターネットを通じてテレビやPC、スマートフォンなど数多くのデバイスで視聴することができる月額課金型の有料サービスである。動画配信市場は、DVDなどパッケージメディアからのシフト、3G通信サービス停止によるスマホユーザーの増加、TV番組のネット同時配信の普及などを背景に、コロナ禍の巣ごもり需要で急拡大し、引き続き利用者は増加傾向にある。国内の個人向け動画配信サービスの市場規模は、2020年末の2,630万人から2023年末に4,000万人に増加するという予測のほか、動画配信サービスの1ユーザー当たり平均利用数がアメリカの3.1に対して日本は1.7と低いことから、今後、複数利用が急拡大すると同社は見ている。日本の動画配信市場は伸びしろの大きい成長市場と言えるが、競争の激しい市場とも言える。他社の動画配信サービスDAZNとHuluは勢いを失っており、中小事業者も総じてシェアを落としている。一方、「U-NEXT」及びNetflix、ディズニープラスの3社はシェアを伸ばしている。 同社以外の外資大手3社は、巨額資金を背景に制作したオリジナル作品に圧倒的な強みがある。これに対抗する「U-NEXT」の特長が、業界トップと言われるコンテンツラインナップである。22万本以上の見放題作品に加え、ヒット作からニッチ分野、映画から音楽ライブ・格闘技ライブまで国内外のコンテンツを網羅的にラインアップしており、新作の配信も早い。加えて68万冊以上の電子書籍や音楽配信もパッケージされているため、1契約で「視聴」「読書」の複数のコンテンツサービスを利用することができる。また、同社サービスの月額利用料は2,189円(税込み)と一見高く見えるが、毎月1,200円分のポイントが付与されるため実質989円(税込み)になること(ポイントで劇場観賞用クーポンも取得できる)、1アカウントで4人まで視聴可能なことなどを考え合わせれば、決して高い金額ではないだろう。また、作品内容でも同社は差別化を図っている。Netflix やAmazonプライムビデオに対抗している海外のコンテンツホルダーと相次いで大型の独占契約を締結しているほか、独占配信を強化する「ONLY ON」戦略や、音楽配信でのリレーションを生かした音楽ライブ配信の展開を進めている。さらに、大手では唯一成人向け作品の配信を手掛けている。レンタルビデオの成長期にTSUTAYAが米国大手のブロックバスターを圧倒した例から見ても、成人向け作品も需要拡大の一因になると考えられる。このように外資大手3社と明確に差別化された戦略を展開しているため、ユーザーが動画配信サービスを複数利用する際に「U-NEXT」が選択されることが多いもようだ。 (2) 店舗サービス事業 店舗サービス事業は、グループの主軸で祖業でもある音楽配信サービスと、店舗のDXを支援するサービスを行っている。対象は飲食店、小売店、理美容店、医療機関、オフィスなど全国に約300万件ある業務店である。チェーン店も全国チェーンから地域密着チェーンまでと幅広い。このうち70万件に対して、同社は音楽配信サービスを提供している(音楽配信シェア約90%)。音楽配信は60年以上の歴史を有し、全国の店舗や施設へ向けて、J-POPや洋楽などの専門チャンネルからリクエストチャンネルまで音楽や各種情報を放送する「U MUSIC」サービスを提供している。楽曲数は1,000万曲程度あり、AIによってどのような業種・業態にも適したプレイリストを作成できるほか、来店客向けや従業員向けなど約1,000種類の店内アナウンスも標準搭載している。 店舗DXは、音楽配信サービスの周辺事業として展開している。近年は省人化・省力化に向けたデジタル支援の需要が急増している。中小事業者が独力でIoTやDXなどを推進するのはハードルが高いため、同社が代わってワンストップで導入サポートを行っている。これを「USEN IoT PLATFORM」と呼び、音楽配信「U MUSIC」を軸に、POSレジ「Uレジ」や業務用WiFi「U AIR」、来店客属性分析ができるAIカメラ「U EYES」、配膳ロボットなどの商品・サービスが一体となった店舗運営支援サービスとなっている。コロナ禍により店舗DXの顧客件数は2019年8月期の10万件程度から足元の20万件以上へと急増した。またメニューが豊富になったことを背景に、店舗DXのパッケージサービス「USENまるっと店舗DX」を開発し、セット成約率の高い新店など新規顧客向けに営業を推進している。音楽配信を加えると93万件という規模になる顧客基盤は、同社にとって最大の経営資源と言える。 同事業の強みは、こうした顧客基盤のほか、グループで全国140の拠点、1,200人の直販営業と900人の施工/保守人員を擁する強力なサポート体制にある。加えて、音楽配信、店舗DXともに機器の設置施工からアフターケア、面倒な著作権処理まで万全の態勢をとっていることにある。音楽配信の市場は安定的で、新店(新規契約)と閉店(契約解除)が拮抗している状態だが、収益性が高くキャッシュカウであるため、グループの成長戦略を資金面で支える事業となっている。一方、店舗DXは、既存顧客に個人店や中小チェーン店が多くデジタル化が進んでいないため、店舗DXを導入する余地が非常に大きく高成長事業と言うことができる。また、コロナ禍によって労働人口が減少し企業経営の喫緊の課題として様々な施設で省人化・省力化が浮上してきたことも、成長を押し上げる要因になると考えられる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《EY》
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店舗向け音楽配信サービス首位。インターネットサービスの代理店販売、オフィスのICT環境構築、自動精算機製造販売等も。通信事業は好調。法人向けサービス、自社光回線サービス等が堅調。24.8期1Qは収益好調。 記:2024/01/28