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ヴィンクス Research Memo(5):2021年12月期は計画を上回る増収・大幅増益

2022/4/13 15:35 FISCO
*15:35JST ヴィンクス Research Memo(5):2021年12月期は計画を上回る増収・大幅増益 ■業績動向 1. 2021年12月期連結業績の概要 ヴィンクス<3784>の2021年12月期の連結業績は、売上高が前期比7.7%増の29,867百万円、営業利益が同18.7%増の2,526百万円、経常利益が同21.1%増の2,537百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同32.2%増の1,616百万円となった。計画(2021年11月10日付で上方修正、売上高29,000百万円、営業利益2,340百万円、経常利益2,305百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,345百万円)を上回る増収・大幅増益で着地した。 コロナ禍の影響により海外売上が減少したが、国内小売業におけるDXニーズの高まりで需要が高水準に推移した。また、既存顧客へのさらなる深耕、大型案件の増加、継続的な生産性向上や品質向上に向けた取り組みが奏功し、オフショア開発の活用やコロナ禍に伴う経費の減少なども寄与した。売上総利益は前期比1.8%増となり、売上総利益率は同1.3ポイント低下して23.1%となった。販管費は同5.9%減となり、販管費率は同2.2ポイント低下して14.6%となった。この結果、営業利益率は同0.8ポイント上昇して8.5%となった。営業利益率は上昇基調である。なお営業外収益・費用、特別利益・損失では、特に大きな項目の発生はなかった。 ソリューション分野とプロダクト分野が伸長 2. 分野別動向 アウトソーシング分野は売上高が前期比3.7%減の8,414百万円で営業利益が同5.3%減の574百万円となった。コロナ禍の影響により海外売上が減少したことから、全体として減収営業減益となった。ただし国内は同2.0%増収、同40.6%営業増益と順調であった。全体としての営業利益率も同6.8%と高水準を維持(2020年12月期は6.9%)した。 ソリューション分野は売上高が前期比6.3%増の11,624百万円で営業利益が同28.3%増の1,359百万円、プロダクト分野は売上高が同2.2%増の3,693百万円で営業利益が同27.4%増の412百万円となった。小売業におけるDXニーズの高まりも背景として、ハードウェアに依存しないPOSシステム「ANY-CUBE」、MD基幹システム「MDware」、自動発注システムなどが好調に推移した。ソリューション分野では売上伸長とともに生産性向上も寄与した。プロダクト分野は大型案件の稼働時期の関係で一時的に小幅増収にとどまったが、2022年12月期以降も成長軌道に変化はないとしている。 その他IT関連分野は売上高が前期比38.6%増の6,133百万円、営業利益が同30.6%増の180百万円となった。次世代セルフPOS等のハードウェア販売が好調であった。 2022年12月期に向けて受注も好調 3. 受注動向 2021年12月期の受注高は前期比2.9%増の29,676百万円となり、期末受注残高は前期末比2.9%減の6,509百万円(アウトソーシング分野は受注生産型の事業形態ではないため除く)となった。 主要な受注案件としては、大手化粧品企業向けSalesforceクラウドによるECバックオフィスシステム構築案件、大手総合小売企業向けファシリティ関連の基幹システムリプレイス案件、関東・北陸地方に展開する食品スーパー向け基幹システム導入案件、関西中心に展開するドラッグストア向け基幹システム導入案件、日本及び中国で展開するファッション企業向けポイントシステム統合案件、関東中心に展開する大手食品スーパー向け次世代キャッシュレス・セルフPOSシステム案件、北陸・西日本中心に展開するスーパー・ホームセンター向け次期POSシステム案件、全国展開の大手調剤薬局・ドラッグストアチェーン向け次期POSシステム案件などがある。RPA(Robotic Process Automation=ソフトウェアロボットによる定型的なパソコン操作の自動化)では、スーパー・アパレル・ドラッグストア等合計9社から導入案件を受注した。海外関連では、全国展開する大手ドラッグストアのアジア展開案件を受注した。 なお上記以外に内示として、関東地方を中心に展開する大手食品メーカーのPOSシステム開発案件、関西の大手流通小売グループのMD基幹システム開発案件、北関東から全国に展開する大手ホームセンターの自動発注システム開発案件などがある。 財務の健全性は良好 4. 財務の状況 財務面で見ると、2021年12月期末の資産合計は前期末比1,736百万円増加して20,505百万円となった。主に業容拡大に伴って現金及び預金が764百万円増加、受取手形及び売掛金が1,532百万円増加した。負債合計は同24百万円増加して9,366百万円となった。買掛金が1,064百万円増加したが、短期借入金が486百万円減少、長期借入金が549百万円減少した。純資産合計は同1,711百万円増加して11,138百万円となった。主に利益剰余金が1,372百万円増加した。この結果、自己資本比率は同3.7ポイント上昇して50.1%となった。財務の健全性は良好と言えるだろう。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《EY》
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