マーケット
11/22 15:15
38,283.85
+257.68
44,296.51
+888.04
暗号資産
FISCO BTC Index
11/23 12:47:30
15,279,418
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

サイバリンクス Research Memo(1):流通クラウド事業の収益性が高まり、トラスト事業の大型先行投資を吸収

2022/4/7 15:21 FISCO
*15:21JST サイバリンクス Research Memo(1):流通クラウド事業の収益性が高まり、トラスト事業の大型先行投資を吸収 ■要約 サイバーリンクス<3683>は、主に流通業と官公庁向けに基幹業務システム等を提供するITサービス会社である。事業セグメントについては、2020年12月期まではITクラウド事業とモバイルネットワーク事業の2本柱であったが、2021年12月期からは流通クラウド事業、官公庁クラウド事業、トラスト事業、モバイルネットワーク事業の4つに変更している。同社が提供するクラウドサービスは、共同利用する「シェアクラウド」であり、高機能・高品質でありながら低価格を実現している点が特色であり強みとなっている。また、モバイルネットワーク事業は、(株)NTTドコモの2次代理店としてドコモショップの運営を行っている。 1. 2021年12月期の業績概要 2021年12月期の連結業績は、売上高13,241百万円(前期比3.6%増)、営業利益945百万円(同2.2%増)、経常利益958百万円(同0.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益645百万円(同0.1%増)となり、2期連続で過去最高益を達成した。経常利益は前期比で微増であったが、トラスト分野における新サービス取得の研究開発費等を吸収しての増益であり、内容は好調であったと言える。セグメント別では、流通クラウド事業は、卸売業向けのEDIサービス「クラウドEDI-Platform」や、小売業向けEDIサービス「BXNOAH」、棚割システム「棚POWER」シリーズ等クラウドサービスの提供が拡大したことで定常収入が着実に増加したことに加え、ソフトウェア償却費も減少したことから利益率が向上し、増収増益となった。官公庁クラウド事業は、防災行政無線デジタル化工事等の特需が終了したことから減収減益となったが、想定の範囲内である。新たにセグメント分けされたトラスト事業は、事業化の加速を担い、新サービスの開発や取得など積極的な研究開発投資を実施したことから損失幅が拡大した。モバイルネットワーク事業は、前期に新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う営業時間短縮等の影響で落ち込んだ端末販売台数が回復し、増収増益となった。 2. 2022年12月期の業績見通し 2022年12月期の連結業績は、売上高13,267百万円(前期比0.2%増)、定常収入6,849百万円(同2.5%増)、営業利益1,043百万円(同10.4%増)、経常利益1,046百万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益670百万円(同3.8%増)と予想している。主力の流通クラウド事業が拡大期に入ることなどから、3期連続の増収増益・過去最高益の更新を目指す。セグメント別では、主力の流通クラウド事業は定常収入の積上げなどから増収増益予想だが、官公庁クラウド事業では防災行政無線デジタル化工事需要等が一服することから減収減益予想となっている。トラスト事業は2021年12月期に始動したサービスの提供拡大により増収を見込むものの、大胆な投資を継続することから、損失幅は縮小するものの損失計上を予想している。モバイルネットワーク事業は新サービスの取り扱い開始等を踏まえて顧客拡大を見込むものの、NTTドコモからの支援費が減少傾向であることから増収減益予想となっている。しかしこれらはかなり厳しく見た予想であることから、各事業(特に流通クラウド事業)の進捗によっては全体の業績が上振れする可能性もありそうだ。 3. 中期経営計画 同社は2021年2月に、2025年12月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。基本方針は『「トランスフォーメーション2025」~業界、顧客企業とともに、DXで生産性向上~』を掲げている。重点戦略としては、流通クラウド事業では「企業間連携プラットフォームの立上げにより業界DXを実現」させること、官公庁クラウド事業では「大きく進展するデジタル化を、地方自治体の立場に立ってサポート」すること、トラスト事業では「マイナンバーカードをベースにしたトラスト分野への事業展開」を、モバイルネットワーク事業では「激変する競争環境で、リアル店舗の価値拡大を」目指す方針である。また数値目標としては、最終年度の2025年12月期に売上高145億円、経常利益16億円、経常利益率11.0%、定常収入90億円、定常収入比率62.5%、ROE13%以上を掲げている。2021年12月期実績も計画を上回ったことから、中期経営計画も好調なスタートと言え、今後の動向が注目される。特に、主力の流通クラウド事業の収益性が高まっており、シェアアップと合わせて今後の成長をけん引するものと思われる。 ■Key Points ・シェアクラウド、流通業界向けに特化したユニークなITベンダー ・2021年12月期は流通クラウド事業の収益性が大きく改善し、トラスト事業での大型先行投資を吸収 ・2022年12月期は前期比10.4%の営業増益予想だが、上振れの可能性も ・中期経営計画では、2025年12月期に経常利益16億円、ROE13%以上を目指す。流通クラウド事業が成長ドライバー (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《YM》
関連銘柄 1件
3683 東証スタンダード
744
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 8,473百万円
流通業や官公庁向けに基幹業務システム等を提供するITサービス会社。電子認証サービス、デジタル証明書発行サービス、モバイルネットワーク事業等も。流通クラウド事業はクラウドサービスの提供拡大で定常収入が増加。 記:2024/06/24