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サイオス Research Memo(1):2022年12月期は成長に向けた先行投資期間と位置付け

2022/3/24 15:01 FISCO
*15:01JST サイオス Research Memo(1):2022年12月期は成長に向けた先行投資期間と位置付け ■要約 サイオス<3744>は、Linuxに代表されるオープンソースソフトウェア(以下、OSS)※1の開発と利用を軸に、OS、サーバー、アプリケーション、クラウドコンピューティングに関わるソフトウェア製品とサービスの提供を行うIT企業である。主力製品はシステム障害時のシステムダウンを回避するソフトウェア「LifeKeeper」※2や、MFP(複合機)向けソフトウェア※3製品、「Gluegentシリーズ」※4などがある。 ※1 ソフトウェアの設計図にあたるソースコードを無償で公開し、使用・改良・再配布ができるソフトウェア。 ※2 稼働中のサーバーとは別に同じ環境の予備サーバーを待機させ、万が一障害が発生した際には自動的に予備サーバーに業務を引き継がせる役割を担うソフトウェア。 ※3 「Quickスキャン」「Speedoc」等のMFP上で利用できる文書管理ソフトウェア。なお、MFPとはプリンタ、スキャナー、コピー、ファックス等複数の機能を搭載した機器(複合機)を指す。 ※4 IDの管理をクラウドで行うサービス「Gluegent Gate」をはじめ、クラウド型ワークフローの「Gluegent Flow」、Google Calendarにチームメンバーの予定管理機能等を付加した「Gluegent Appsグループスケジューラ」等、企業におけるクラウドを利用した業務効率化等を支援するサービス。 1. 2021年12月期業績の概要 2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比6.0%増の15,725百万円、営業利益で同51.7%増の358百万円と連続増収増益となった。企業のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)※に対する投資拡大を追い風に、主力のオープンシステム基盤事業が順調に拡大した。また、アプリケーション事業では自社製品のMFP向けソフトウェア製品や「Gluegentシリーズ」の販売が好調だったほか、金融機関向け経営支援システム販売も堅調に推移した。一方、第4四半期に入って半導体不足に起因するハードウェア製品の供給不足が原因で「LifeKeeper」やMFP向けソフトウェア製品の販売が伸び悩み、営業利益は会社計画(480百万円)に対して未達となった。 ※企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して顧客や社会のニーズを基に製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。 2. 2022年12月期業績の見通し 2022年12月期の連結業績予想は、売上高で前期比1.7%増の16,000百万円、営業利益で同72.1%減の100百万円と増収減益を見込む。SaaS事業の成長に向けた営業費用や研究開発費の増加に加えて、一時費用116百万円(オフィスの一部閉鎖、ERPシステムの更新費用等)の計上が減益要因となる。SaaS事業では「Gluegentシリーズ」の開発・マーケティング体制強化によりさらなる成長を目指すほか、新サービスとして精神科病院向け電子カルテサービスを2022年春にも提供開始する予定となっている。上期は半導体不足の影響が継続するものの、下期以降はSaaS事業の拡販等により業績も上向くものと予想される。 3. 中期経営計画について 3ヶ年の中期経営計画では、2024年12月期にEBITDA※1で850百万円、ROIC※2で21.5%と、2021年12月期実績(EBITDA448百万円、ROIC10.0%)からそれぞれ約2倍の水準を目指している。新サービスの投入によりSaaS事業でさらなる売上成長を目指していくほか、国内グループ会社を統合したことでクロスセリングによる増収効果が期待される。SaaS事業での顧客開拓に向けては、製品力の強化だけでなく販売パートナーの取り込みが重要になると見られ、今後の動向が注目される。 ※1 EBITDA(償却前営業利益)=営業利益+減価償却費+のれん償却額。 ※2 ROIC(投下資本利益率)=営業利益×(1-実効税率)÷(株主資本+有利子負債)。実効税率は35%を前提に計算。 ■Key Points ・ 旺盛なDX投資を背景に2021年12月期は連続増収増益を達成 ・ 2022年12月期は先行投資や一時費用の計上により増収減益を見込む ・ 2024年12月期にEBITDAで850百万円、ROICで21.5%を目標に掲げる (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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時価総額 3,399百万円
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