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巴川紙 Research Memo(8):機能紙の新製品展開やセルロースマイクロファイバー製品の量産化に注力

2022/3/22 16:08 FISCO
*16:08JST 巴川紙 Research Memo(8):機能紙の新製品展開やセルロースマイクロファイバー製品の量産化に注力 ■中長期の成長戦略 (3) 機能紙分野での量産展開 洋紙事業の縮小を進める一方で、強みの1つである抄紙技術の展開として小型抄紙機を導入し、銅やステンレスといった金属を抄紙技術によりシート化した「金属繊維シート」については半導体製造装置向けに展開が開けたが、そのほかに少量の木材パルプをバインダーとして機能性材料をシート化する「担持シート」などを機能紙新製品として展開する。また、環境負荷低減に優れた材料である木材パルプ(セルロース)材料技術の展開として、セルロースマイクロファイバー製品「CMF」の量産化を目指す。同市場では他社がセルロースナノファイバーの開発に注力しているが、巴川製紙所<3878>はコスト高である点や他の素材と複合化しにくいことなどを中心に多数の問題点があるとの認識で、あえてマイクロファイバーにとどめていると言う。マイクロファイバーであればコストにおいてメリットがあり、紙などと混ぜても利用でき、セルロース繊維混入率51%以上で可燃物として廃棄可能という利点も生かせるとしている。現在、用途を開発、探索中であり、各種サンプル提供も行っているとしている。ただ「CMF」については、用途が固まり本格的な拡大となるにはもうしばらく時間を要すると思われる。 新製品開発にあたって積極的な研究開発を実施 (4) 新製品比率の向上 上記施策の実行により、現状、売上高※の13%程度にとどまっている新製品売上比率を、2026年3月期には売上高の16%以上に拡大させる方針である。また新製品開発にあたっては積極的な研究開発を実施しており同社の新製品開発に占める意気込みがうかがえる。2021年3月期には同比率が低下しているが、これは新製品のカテゴリーから一般品製品に移ったことの影響が大きい。新たに研究、試作から量産上市に向かう製品群が増えてきたという点では、2021年3月期は研究開発に要した費用1,469百万円に対し新製品受託研究収入が701百万円と半分を占めるなど、量産に向けた動きが加速しつつある。これまで見てきた銅繊維シート関連製品や新型静電チャックなど、2023年3月期には大きく寄与する製品群が既にあることから新製品売上比率向上は計画を上回っての推移が期待される。 ※同社において新製品売上高とは、当該年度を含む過去4年間に上市した製品の売上高のことを指す。 新中期経営計画は前倒し達成視野に (5) 中期経営指標 同社が2021年5月14日に公表した新中期経営計画の経営数値目標は、既に2022年3月期の3度の増額修正により売上高34,000百万円、営業利益1,800百万円が視野に入り、営業利益率も5.3%に達する見通しとなっている。しかも前提となる半導体製造装置の市場予測は当時から大きく上方修正されており、新中期経営計画は前倒し達成が見込まれる状況となってきた。電子材料事業を核に事業ポートフォリオの転換を図り、新たな企業成長に期待が高まる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘) 《EY》
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1914年創業の高機能性材料メーカー。電気絶縁紙を初めて国産化。現在はトナーや半導体実装用テープ、光学フィルム、カード製造等を手掛ける。半導体製造装置向け新製品「フレキシブル面状ヒーター」は引き合い多い。 記:2024/06/25