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ADワークスグループ Research Memo(3):21年12月期は過去最高売上を更新、経常利益も期初計画を達成

2022/3/22 15:33 FISCO
*15:33JST ADワークスグループ Research Memo(3):21年12月期は過去最高売上を更新、経常利益も期初計画を達成 ■業績動向 1. 2021年12月期の業績概要 ADワークスグループ<2982>の2021年12月期の連結業績は売上高で24,961百万円、EBITDAで1,073百万円、経常利益で650百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で312百万円となり、売上高は3期ぶりに過去最高を更新、経常利益も期初計画を上回って着地した。 2021年12月期の注目ポイントとしては3つ挙げられる。1つ目は、期末の収益不動産残高が前期末比17.1%増の28,914百万円と過去最高水準を達成したことだ。同社は中期経営計画のなかで収益不動産残高の積み上げを重点施策の一つとして掲げており、仕入力の強化、資金調達の多様化等の取り組みの成果が着実に出ているものと評価される。 2つ目は、不動産小口化商品販売事業「ARISTOシリーズ」が好調で、顧客の裾野が拡大したことが挙げられる。2021年12月期では3物件(高円寺、渋谷、虎ノ門)を相次いで完売した。販売提携先となる地域金融機関を25行まで拡大しており、全国の事業会社または個人投資家層に顧客の裾野が広がったと言える。 3つ目は、海外不動産事業において新たに現地向け住宅開発事業(ロサンゼルス)、および賃貸住宅開発事業(ハワイ)を着手したことが挙げられる。従来からの国内投資家向けの収益不動産販売事業を主軸とし、新規事業を立ち上げて収益の多様化を進めながら海外事業を拡大していく戦略だ。 収益不動産残高は過去最高水準に、オフィスビル物件の増加に応じたPM業務の体制強化を図る 2. 事業セグメント別動向 (1) 収益不動産販売事業 収益不動産販売事業の売上高は20,318百万円、EBITDAは1,498百万円となった。低金利が続くなかで、同社が手掛ける中規模オフィスビルや賃貸マンション等の投資需要は引き続き旺盛に推移した。なかでも不動産小口化商品については前述の通り金融機関との提携による販売ネットワークが広がったこともあり好調な販売となった。 一方で、同社は収益不動産残高の積み上げを図るため仕入活動を積極的に行った結果、仕入高は18,579百万円と過去最高を更新し、期末の収益不動産残高も前期末比17.1%増の28,914百万円と過去最高水準となった。仕入競争も引き続き厳しいなかで仕入高を伸ばせた要因として、商品企画力の向上が挙げられる。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)を契機に多様な働き方に対する需要が高まるなかで、セットアップオフィスやワークボックスなどラインナップの充実を図った。セットアップオフィスとは、内装工事段階でデスクや什器などを揃えて、借主である事業主がすぐに利用できる環境を整えたオフィスを指す。入居時になるべく投資費用を抑えたいスタートアップ企業などに人気があり、賃料も通常よりも若干高く設定できるためオーナーにとっても利回りの良い物件となる。また、ワークボックスとは個室ワークブースを揃えた物件のことで、テレワークが普及するなかで人気となっている。 地域別の収益不動産残高は、国内が前期末比19.1%増の26,522百万円、海外が同0.5%減の2,391百万円となった。国内についてはコロナ禍前の水準(2019年12月末18,760百万円)と比較して1.4倍に積み上がっているが、海外についてはコロナ禍の影響を大きく受け仕入れを抑制していたことから同時期と比較して6割程度の水準にとどまっており、まだ本格回復にはいたっていない。国内が伸びている要因としては、都市部での不動産市況の好調が続いていることに加えて、中規模のオフィスビルの仕入活動を積極的に取り組んできたことが挙げられる。米国ロサンゼルスの不動産市況は確実に回復してきており、今後の仕入れ強化が期待される。 (2) ストック型フィービジネス ストック型フィービジネスの売上高は4,942百万円と2期ぶりに過去最高を更新し、EBITDAは743百万円となった。このうち、賃料収入は1,129百万円、EBITDAは546百万円となっている。賃料収入については収益不動産残高の期中平均残高が前期比14.0%増の27,796百万円となったことで増加した。賃料収入以外では、澄川工務店による内装工事売上がリノベーション工事の増加等により増収となり、事業セグメント全体の売上高を押し上げる要因となった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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収益不動産事業、不動産小口化商品事業等を手掛けるエー・ディー・ワークスを中核とする持株会社。プロパティ・マネジメント等のストック型フィービジネスも。不動産小口化商品「ARISTO」は販売総額が拡大。 記:2024/08/30