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オンコリス Research Memo(3):がん治療に関わるプロセスを網羅的にカバー(1)

2022/3/9 15:23 FISCO
*15:23JST オンコリス Research Memo(3):がん治療に関わるプロセスを網羅的にカバー(1) ■開発パイプラインの動向 オンコリスバイオファーマ<4588>は、がんや重症感染症等の医療ニーズ充足に貢献すべく、ウイルス遺伝子改変技術を活用した新規がん治療薬、新規がん検査薬、さらに感染症領域の新たな治療薬の開発を行っている。特にがん領域では、固形がんの局所療法として腫瘍溶解ウイルスの「テロメライシン」、並びに次世代テロメライシンとなる「OBP-702」の開発を進めるとともに、がんの超早期発見または予後検査による転移がんの早期発見や治療効果予測を目的としたCTC検査薬「テロメスキャン」の開発を行っている。がんの早期発見から局所治療、予後検査、転移がん治療に至るまで、がん治療を網羅するパイプラインを構築している。 テロメライシンは新たなライセンス契約締結と2024年の国内承認申請を最優先に取り組み、将来的に1,000億円以上の製品価値を目指す 1. テロメライシン (1) 概要 テロメライシンは、5型のアデノウイルスを遺伝子改変した腫瘍溶解ウイルスの一種で、テロメラーゼ活性の高いがん細胞で特異的に増殖することで、がん細胞を破壊する特徴を持つ。アデノウイルス自体は自然界の空気中に存在し、風邪の症状を引き起こすウイルスのため、ヒトに投与すると発熱等の症状が出るケースもあるが、正常な細胞の中では増殖能力が極めて低いため副作用も少なく、人体への安全性には問題がないことが確認されている。また、用法としては局所療法が中心となるため、放射線治療や免疫チェックポイント阻害剤等との併用により、患者のQOL並びに治療効果の向上が期待されている。なお、テロメライシンの国際的な一般名称は、「suratadenoturev(スラタデノツレブ)」である。 (2) 中外製薬とのライセンス契約解消と主な合意事項について 2019年4月に中外製薬とライセンス契約を締結以降、国内の臨床試験は中外製薬が主体となって進めてきたが、前述のとおり2022年10月にライセンス契約を解消する見通しである。契約解消に伴って、中外製薬で実施していた食道がんを対象とした放射線併用療法による第2相臨床試験は2022年10月15日までにオンコリスバイオファーマ<4588>で引き継ぐこと、臨床試験費用は同社が引き継ぐまで中外製薬が負担すること、肝細胞がんを対象とした第1相臨床試験については2022年10月までに終了することを決定している。また、2022年10月15日までテロメライシンのGMP※製造に係る委託先からの請求額の約50%は中外製薬で負担することでも合意している。なお、ライセンス契約の解消については、テロメライシンの安全性及び有効性が理由ではないことを両社で確認しており、今回の契約解消は中外製薬で何らかの開発戦略の変更があったものと推察される。 ※ GMP(Good Manufacturing Practice):医薬品の製造及び品質管理に関する基準のこと。GMP認定のためには、製造工場ごとに構造や設備の運用・管理、製品の品質・衛生・製造管理などの細部にわたる審査・査察を受け、基準を満たすことが必要となる。創薬においては、GMP準拠施設で製造されたGMP製剤でないとヒトを対象とする治験に適用できない。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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時価総額 13,164百万円
ウイルス遺伝子改変技術を用いてがん治療薬を開発する「ウイルス創薬」バイオベンチャー。テロメライシンは富士フイルム富山化学と国内販売提携契約を締結。研究開発費は増加。23.12期通期は米国売上が増加。 記:2024/02/25