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ダイナムジャパンHD Research Memo(4):2022年3月期中間期は営業日数増やコストマネジメントで増収増益

2022/1/7 16:04 FISCO
*16:04JST ダイナムジャパンHD Research Memo(4):2022年3月期中間期は営業日数増やコストマネジメントで増収増益 ■2022年3月期中間期の業績状況 1. 2022年3月期中間期の連結業績概要 ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>の2022年3月期中間期の連結業績は、営業収入で前年同期比10.7%増の50,897百万円、営業利益で同141.4%増の6,714百万円、税引前利益で同278.2%増の5,586百万円、中間利益で同395.8%増の3,416百万円と2年ぶりに増収増益に転じた。ただ利用客数は戻り切っておらず、コロナ禍以前の水準(2020年3月期中間期:営業収入74,052百万円、営業利益14,042百万円)と比較すると依然低水準にとどまっている。 営業収入については、パチンコ事業において2020年4月、5月の非常事態宣言に対応した業界を挙げての店舗休業はなかったため、営業日数の増加が増収要因となった。ただ、2021年も大都市部を中心に感染拡大の第4波が5月に、第5波が8月に訪れ、感染リスクを懸念して客足の戻りは鈍く限定的な回復にとどまった。実際、ダイナム店舗のデータを見ると、パチンコ機の稼働率は29.9%と前年同期の27.3%から若干上昇したもののコロナ禍以前の2期前の水準と比較すると7割の水準にとどまっている。また、スロットに至っては射幸性を抑えた新規則機の導入やヒット機種が不在だった影響により、稼働率は前年同期の水準をさらに下回る状況となっており、減収傾向が続いている。 一方、事業費用については前年同期比で3.4%減の45,255百万円となった。パチンコ事業において、人件費が1,186百万円減少したことが主因となっている。 その他収入は、店舗の営業日数回復に伴い自販機手数料収入が168百万円増加した一方でコロナ禍による雇用調整助成金等が1,701百万円減少した。また、その他費用として店舗関連の減損損失1,278百万円を計上している。 (1) パチンコ事業 パチンコ事業の業績は営業収入で前年同期比10.8%増の50,139百万円、セグメント利益で同89.8%増の8,024百万円となった。営業収入の内訳を見ると、高貸玉店舗が同13.4%増の24,682百万円、低貸玉店舗が同8.3%増の25,457百万円となり、低貸玉店舗の回復が相対的に鈍かった。これはコロナ禍が続くなかで、低貸玉店舗の客層に比較的多い高齢者の客足が鈍かったことが要因と考えられる。同社の会員データによれば、コロナ禍以前(2019年2月)に対するコロナ禍以降(2021年9月)の年代別来店復帰率は、20代が80.8%、30~60代が75%前後となっているのに対して、70代は71.9%と最も低くなっていることからもうかがえる。また、もう1つの理由として、店舗数が減少したことも要因となっている。前期末比では高貸玉店舗は横ばいの176店舗となったのに対して、低貸玉店舗は4店舗減少の262店舗となった。 なお、2022年3月期においては風営法改正に伴ってパチンコ機、パチスロ機ともに射幸性を抑えた新規則機への入れ替えを2022年1月末までに行う必要があり、例年よりも入れ替え台数が多くなっている。同社の場合、前期末で設置台数の約51%、台数で10.5万台が旧規則機となっており、これらを2022年1月までにすべて新規則機に入れ替えるか、もしくは撤去だけを行う格好となる。2021年9月末までの進捗状況は、設置ベースで76%、在庫保有分も含めると88%となっており、順調に入れ替えが進んでいる。購入費用は前年同期から大幅に増加したが、前述のとおり2年償却による費用計上に変更したことで抑制した格好となっている。 また、店舗オペレーション改革の実行により店舗人件費を1,186百万円削減できたほか、使用権資産の償却費も425百万円減少した。広告費は集客施策を再開したことにより611百万円増加したものの、事業費用全体では1,605百万円の減少となった。そのほか雇用調整助成金の減少や減損損失の計上はあったものの、営業収入の増加と事業費用の減少によって、セグメント利益は3,797百万円の増益となった。 なお、グループの中核を成す(株)ダイナムの業績について見ると、営業収入は前年同期比11.2%増の47,222百万円、営業利益は2,436百万円(前年同期は2,401百万円の損失)と増収増益となった。営業外収益に計上していた雇用調整助成金等の減少があったものの、経常利益は同431.9%増の4,542百万円となった。 2021年9月末の店舗数は前中間期末から6店舗減少の398店舗となり、設置台数も同1.3%減の186,851台と若干減少した。ただ、PB機については同29.8%増の19,436台となり、コストマネジメントとしてPB機の購入比率を引き上げたことがうかがえる。なお、稼働率についてはパチンコ機が前年同期比で2.6ポイント上昇したものの、パチスロ機については同2.4ポイント低下している。 (2) 航空機リース事業 航空機リース事業の事業収入は前年同期比2.8%増の758百万円、セグメント利益は同1.7%増の122百万円となった。同社は流動性が高く、需要も安定して見込まれるナローボディ機に絞って展開しており、2020年3月期に購入した3機のリース料収入が継続し、為替が円安に振れた分、増収となっている。なお、フリートバリューは3機で15,862百万円となり、年換算表面利回りを計算すると8.8%となる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》