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日ピストン Research Memo(7):2031年3月期に非自動車エンジン売上高比率40%以上を目指す(1)

2021/12/17 15:07 FISCO
*15:07JST 日ピストン Research Memo(7):2031年3月期に非自動車エンジン売上高比率40%以上を目指す(1) ■成長戦略 1. 長期ビジョンと第八次中期経営計画 日本ピストンリング<6461>は、排出ガス規制(CO2問題)、New Normal(コロナ禍)、EV(Electric Vehicle)化、CASEの流れなど、自動車業界を取り巻く事業環境の大きな変化に対応するため、第八次中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)の策定を前に、長期ビジョン「The Next NPR 2030」を策定した。目標値としては、2031年3月期に売上高1,000億円、営業利益率10%以上、非自動車エンジン売上高比率40%以上、CO2排出量46%削減(2014年3月期比)を掲げている。 第七次中期経営計画は、米中貿易摩擦やコロナ禍等の急激な環境変化により、目標値(最終年度である2021年3月期の売上高580億円以上、営業利益率7.5%以上)未達成となったが、2021年5月に策定した第八次中期経営計画は、長期ビジョンの達成に向けた基盤構築ステージとして、2024年3月期の売上高540億円以上、営業利益率8%以上、非自動車エンジン売上高比率15%以上、CO2排出量25%削減(2014年3月期比)を目標値に掲げた。 2. 市場環境 グローバル自動車市場は新興国における自動車普及進展などで中期的に拡大基調が予想されるが、同社にとっては中長期的な環境規制の影響(ガソリンエンジンのさらなる低燃費化、ガソリンエンジンの減少、新たなクリーン燃料エンジンの普及、自動車の電動化など)への対応が課題となる。 同社はパワートレイン別生産台数の2030年までの長期見通しとして、IHSのデータを基にエンジン付パワートレインの比率を2030年時点で約77%と想定している。完全EV(Electric Vehicle:電気自動車)化を宣言している自動車メーカーも一部あるため、バッテリー型EVの構成比が緩やかに上昇するが、2030年時点でも既存のICE(Internal Combustion Engine:内燃エンジン)が3割強残り、さらに熱効率を向上させたHV(Hybrid Vehicle:ハイブリッド自動車)や、水素など再生可能エネルギーを利用して生成したクリーンなe-Fuel(e燃料)エンジン車、FFV(flexible-fuel vehicle:フレックス燃料車)も新たに普及すると想定している。 一方で、EVの発電MIX・CO2排出量と、水素などクリーンなe-Fuelも活用して熱効率を向上させたHVのCO2排出量を比較すると、CO2排出量でEVの優位性が低下するため電動化が一気に進む可能性は低く、先進国においてエンジン生き残りのシナリオもあると想定している。なお、2021年5月にはトヨタ自動車が、クリーンな水素を燃料とするエンジンを搭載した自動車で、「スーパー耐久シリーズ2021Powered by Hankook第3戦NAPAC富士SUPER TEC24時間レース」に参戦・完走し、カーボンニュートラル時代に向けた新たなクリーン燃料自動車の選択肢の1つとして水素エンジンをアピールしている。 こうした事業環境に対して同社は、コア事業の基盤強化に向けて、ガソリンエンジンの燃費性能向上やクリーン化への技術的対応、水素など新たなクリーン燃料によるエンジン進化への技術的対応、さらなる品質向上や原価低減などを推進する方針だ。加えて、徐々に進む電動化の流れも踏まえて、新製品・新事業による非自動車エンジン売上拡大にも注力する。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《NB》
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時価総額 15,911百万円
自動車メーカー向けピストンリング、バルブシート、シリンダ、カムシャフト等を製造。金属粉末射出成形品など非自動車領域も。産業機器向け製品は伸び悩むが、自動車関連製品事業は収益伸長。24.3期1Qは2桁増益。 記:2023/09/16