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ワコム Research Memo(8):中期経営方針「Wacom Chapter 3」を2022年3月期よりスタート

2021/11/30 15:48 FISCO
*15:48JST ワコム Research Memo(8):中期経営方針「Wacom Chapter 3」を2022年3月期よりスタート ■成長戦略 ワコム<6727>は、2022年3月期を最終年度とする中期経営計画「Wacom Chapter 2」を推進してきたが、主要な経営指標の目標を1年前倒しで達成できたことから、新たな中期経営方針「Wacom Chapter 3」(2022年3月期~2025年3月期)をスタートさせた。 「Wacom Chapter 3」では、「ライフロング・インク」のビジョン※を継承するとともに、これまでの取り組みをさらに発展・進化させるべく、改めて「5つの戦略軸」を設定した。その実行に当たっては「6つの主要技術開発軸」を定め、コーポレート技術ロードマップとして運営し、具体的な価値提供と持続的な成長につなげていく方針である。また、コーポレート・ガバナンス改革等を通じた経営の質の向上、同社独自のアプローチによる社会・コミュニティへの関わりにも取り組む方針である。 ※「お客様と社会に対して、ワコムの技術に基づく『人間にとって意味のある体験』を長い長い時間軸で、ご提供し続けていきます」というもの。 1. 5つの戦略軸の設定 (1) テクノロジー・リーダーシップ 引き続き、同社の提供価値の源泉である技術革新に注力し、圧倒的な技術優位を維持・展開していく戦略である。クリエイティブや教育分野をはじめ、各種DX(行政窓口手続き、書類申請、業務フローでのPDF書き込み、電子投票等)への寄与、様々な最新機種やデジタル文具等への搭載、スマートホームソリューションへの組み込みなどに取り組んできたが、今後もハードウェア、ソフトウェア、サービスにまたがる技術開発により、最高の「ペンと紙とインク体験」を提供していく考えだ。 (2) コミュニティ・エンゲージメント 同社だけではなくコミュニティ(パートナー)と深く連携し、価値ある体験を形成していく戦略である。最近の事例では、ピクシブ(株)との共同による大規模オンライン作画フェスの開催※、教育分野などで広く導入されているChromebook対応認定商品やアンドロイド対応、リモート環境での創作ワークフローの構築などで連携を図っている。 ※2021年5月22日より3日間にわたって視聴者参加型のライブストリーミングイベント「Drawfest(ドローフェス)」を開催。世界中の人気イラストレーター、マンガ家等による絵の描き方のオンライン講座・ワークショップのほか、視聴者全員で一斉に絵を描き時間内に完成させる参加プログラムなどが行われた。また、2021年7月28日~30日には「マンガ&アニメデイズ」を開催している。 (3) 新しいコア技術、新しい価値創造 既存のコア技術に加え、新しいコア技術をもとに新しい価値を創造する戦略である。既存技術と親和性の高い「AI、XR、Security」の3分野を選択し、新コア技術と新しいビジネスモデルで新しい価値提供を実現していく考えだ。例えば、デジタルインクとAIによる新しい教育体験※1の創造や、ブロックチェーン証明による著作権の保護※2、XR空間での描画体験※3などについては、すでに他社との協業によりプロジェクトが動いている。 ※1 Z会グループとの教育分野における「手書き×デジタル」の利用に向けた包括的な業務提携契約を締結したほか、エスディーテック(株)と「手書き×デジタル」のAI利活用に向けた共同開発などに取り組んでいる。 ※2 デジタル署名認証技術を用いて、デジタルアート作品やその証明書に署名を組み込んで作品証明とし、制作者の権利を保全して流通させる仕組み。 ※3 複数・遠隔地のクリエイターとの共同作業や2Dと3Dを自由に行き交う新たなクリエーション体験など。 (4) 持続可能な社会へ貢献する技術開発 環境ケアに貢献する技術開発と商品開発により、持続可能な社会発展への貢献を目指している。すでに気候変動イニシアティブ(JCI)への参加や環境ケア技術開発部門の設置により、同社ならではのサステナビリティを意識した技術革新を進めている。また「使い続けていく」ことを体現する企業活動にも取り組んでおり、例えば廃材で作られた「コネクテッド・インク」で使用されたステージを家具へ再利用する団体の活動支援なども行っている。 (5) 意味深い成長 経済的な成長(財務側面)をしっかり確保しながら、顧客・ユーザー、社会・コミュニティ、関連する個人など多面的側面での「意味深い成長」を模索する方針であり、長期的な視点での持続的な成長を目指していく。 2. 6つの主要技術開発軸と具体的な価値例 (1) ペンの技術(現行コア技術/現行ビジネスモデル) 同社の提供価値の源泉であるデジタルペンの技術をさらに発展させ、環境ケア型商品を含む新商品群の導入を目指す。 (2) ペンと紙の技術(現行コア技術/現行ビジネスモデル) あらゆる「紙」との連携(ディスプレイ、アプリ)により、新たな顧客群の開拓に取り組む。 (3) デジタルインク技術(現行コア技術/現行ビジネスモデル) データフォーマットやアプリ連携、クラウド対応などにより、クリエイティブや教育分野などでリモートDX体験を提供する。 (4) AIとデジタルインク技術(新コア技術/新ビジネスモデル) AIとインク連携サービスを実現するプラグイン開発により、個別最適化教育や創作支援サービスなどへ発展させる。 (5) XR描画技術(新コア技術/新ビジネスモデル) XR空間での3D描画技術により、クリエイティブ、教育、建築、医療等向けに新しい3D描画ワークフローを提供する。 (6) セキュリティ認証技術(新コア技術/新ビジネスモデル) 手書きによる個人認証技術により、クリエイティブ、医療等向けに個人認証や著作権保護サービスを提供する。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《EY》
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時価総額 98,069百万円
描画用ペンタブレットで世界首位。韓国サムスン社など向け電子ペンOEMも。24.3期3Q累計は自社ブランド品の需要が戻らず。だがOEMが回復。経費削減や円安なども寄与して増収増益に。営業外に為替差益を計上。 記:2024/04/11