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ザイマックス Research Memo(1):ザイマックスグループのREITで、成長戦略の推進により分配金増加を目指す
2021/11/25 15:01
FISCO
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*15:01JST ザイマックス Research Memo(1):ザイマックスグループのREITで、成長戦略の推進により分配金増加を目指す ■要約 1. 不動産マネジメント大手のザイマックスグループのサポートが大きな強み ザイマックス・リート投資法人<
3488
>は、(株)ザイマックス(非上場)を中心とするザイマックスグループに属し、東京23区や周辺県を中心に、オフィス、商業施設、ホテル等に投資をしている総合型REITである。同投資法人は、スポンサーであり、国内有数の不動産マネジメント実績を誇るザイマックスグループが有する不動産の知見・ノウハウを活用した適切なポートフォリオ運営により、不動産が持つ価値を最大限に引き出し、投資主価値の最大化を図ることを目指している。実際の資産運用はすべて(株)ザイマックス不動産投資顧問に委託しており、グループから様々なサポートを得られるのが大きな強みである。 2. 2021年8月期の業績は、小幅の増収減益ながら期初予想を上回る 2021年8月期の業績は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が継続し、断続的に緊急事態宣言が発出されるなか、期初予想を上回る決算であった。営業収益1,305百万円(前期比0.9%増)、営業利益701百万円(同2.1%減)と小幅の増収減益であったが、期初予想比では営業収益は1.1%、営業利益も3.7%上回った。営業収益では、ホテル変動賃料の下振れがあったが、オフィスビルと住宅の収入が予想比で上振れたことや期初に見込んでいなかったザイマックス三田ビル(オフィス)とザ・パークハウス戸塚フロント(1階・2階の商業部分)の2物件を取得したことにより増収となった。また、営業費用でも、順調な埋め戻しと空室発生量の予想比減によるリーシングコスト(不動産の賃貸支援業務のコスト)の下振れが営業利益の予想比上振れ要因となった。退去に伴いオフィスの稼働率がやや低下したものの、商業施設・ホテルの稼働率は100%であり、ポートフォリオ全体では97.9%と高水準を維持した。以上から、分配金も2,900円/口(同11円減)としたものの、期初予想を112円上回った。財政状態は、総資産LTVが36.1%と低く50%までの借入れ余力は大きい。また、メガバンク・地方銀行等を中心に幅広く、安定的なレンダーフォーメーションを構築しており、将来の機動的な物件取得が可能となっている。 3. 2022年2月期、2022年8月期は、保守的な前提で予想 2022年2月期の業績は、営業収益1,383百万円(前期比6.0%増)、営業利益740百万円(同5.5%増)を予想する。営業収益では、ホテル賃料の増加(固定賃料の復活)や前期に取得した三田・戸塚の2物件の通期寄与などを見込む。一方、営業費用では、三田・戸塚の通期稼働に伴う売上原価の増加などを織り込んでいる。2022年8月期は、営業収益1,387百万円(同0.2%増)、営業利益732百万円(同1.0%減)と、おおむね横ばいを予想する。営業収益ではオフィス賃料収入の増加や商業施設の解約などに伴う商業賃貸収入の減少などを見込み、また営業費用ではリーシングコストの平常化などを織り込んでいる。以上により、2022年2月期の分配金は2,977円/口(前期比77円増)、2022年8月期も3,013円/口(同36円増)への増加を予想する。ただ、前期決算と同様に保守的な予想であると見られる。 4. オフィス、商業施設などの外部成長により、投資主価値の向上を目指す 今後の外部成長戦略としては、スポンサー・サポート契約に基づき、ザイマックスグループの顧客基盤から得られる不動産売却ニーズを捕捉し、同投資法人の物件取得機会につなげることを目指す。オフィスの成長戦略では、都心8区、名古屋中心部、大阪中心部、福岡中心部に所在し、最寄駅からおおむね徒歩5分圏内の駅近で、1坪当たり賃料単価1~2万円台の、借手にとって魅力のある物件を中心に取得する方針だ。商業施設では、テナント賃料の安定性または物件価格の安さに着目して取得する計画である。ホテルでは、交通結節点へのアクセスが良好なエリアにあり、訪日外国人の増加が見込まれるエリアに所在する物件を取得する計画だが、当面は現有ホテルの収益回復が最優先課題と言えるだろう。また、同投資法人では、環境認証を取得し、保有物件の環境・省エネ対策やエネルギー利用の効率化を推進するなど、ESGにも熱心に取り組んでいることが特筆される。 5. 外部成長の強化に伴い、投資家の評価は高まると予想 同投資法人の投資口価格は、2020年3月にはコロナ禍に伴う世界的な景気後退懸念から急落した後、回復基調にあるものの、東証REIT指数の上昇に比べて、戻りは緩やかにとどまる。時価総額が小さく、流動性も低いことなどが影響していると考えられる。その結果、直近の同投資法人のNAV倍率は0.80倍と、総合型REIT平均の1.02倍を大きく下回っており、割安感が強い。同投資法人では、今後は外部成長戦略を強化する方針であり、投資家の理解が深まるに伴い、魅力的な水準の分配金利回りを提供する同投資法人が注目されると弊社では考えている。 ■Key Points ・東京23区や周辺県を中心に、オフィス、商業施設、ホテルなどに投資をする総合型REITで、ザイマックスグループのサポートが大きな強み ・2021年8月期は小幅増収減益ながら、期初予想を上回って着地。コロナ禍の影響は限定的で、新規物件取得の効果が大きかった。分配金も2,900円/口で、期初予想を超過。総資産LTVが低く、将来の機動的な物件取得が可能 ・2022年2月期は増収増益、2022年8月期はおおむね横ばいの予想。分配金は2022年2月期2,977円/口、2022年8月期3,013円/口への増加を見込む。予想は2021年8月期と同様に、保守的な前提に立っていると見る ・外部成長戦略としては、オフィスでは、大都市圏にあり、駅近で賃料単価が手ごろな、借手に魅力の物件を取得。商業施設では、テナント賃料の安定性や物件価格の安さに着目して取得。ホテルでは、アクセスが良好で、訪日外国人の増加が見込まれる物件を取得する計画だが、当面は収益回復が最優先。ESGにも熱心に取り組む ・投資口価格の戻りは市場平均に比べ緩やか。ただ、外部成長戦略を強化する方針が投資家に理解されるに伴い、魅力的な分配金利回りを提供する同投資法人が注目されると見る (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《SI》
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