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コスモスイニシア Research Memo(8):コロナ禍により中計は未達へ

2021/7/19 15:18 FISCO
*15:18JST コスモスイニシア Research Memo(8):コロナ禍により中計は未達へ ■中長期経営方針 1. コロナ禍の中期経営計画2021への影響 新型コロナウイルス感染症は、2020年、世界に大きな影響を及ぼした。前述してきたように、コスモスイニシア<8844>も宿泊事業では大きな影響が生じ、現在もなお、対応・対策を講じているところである。このため、新たなステージへの第一歩と位置付け、更なる飛躍へ向けて投資や戦略を強化する方針だった中期経営計画2021も影響を受け、数値目標を修正した。中長期経営方針ならびに中期経営計画2021期間中の戦略方針については、新型感染症影響による住まい方・働き方等の価値観の大きな変容への対応というテーマを加えた上で継続する方針である。現在、ワクチンの普及に弾みがついていることから、修正前の目標が、遠からず再び、目指すべき目標となってくると思われる。 コロナ後も中長期の基本方針は変わらない 2.中長期経営方針 中長期経営方針では、すべての経営活動におけるCSV※1の実践とSDGs※2・ESG※3を意識した経営により社会的価値を創出し、社会の変化とニーズの多様化に応える都市環境をプロデュースすることによって事業を創造・革新し、財務基盤の更なる強化と株主還元の充実により株主価値の向上を図ることを追求することとしている。そして更なる飛躍と新たなステージを目指すのだが、そのための取り組みとして、事業/投資/組織・人事戦略を統合的に展開、事業拡大・積極的な投資と同時に財務基盤の更なる強化を進め、株主還元の向上を目指す。そしてこれを具体化したのが中期経営計画2021である。 ※1 CSV(Creating Shared Value):企業の強みを生かして社会問題を解決することで、持続的な成長を図る差別化戦略。CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の発展形と言われる。 ※2 SDGs(Sustainable Development Goals):持続可能な開発目標。2015年の国連サミットにおいて全会一致で採択され、「貧困の根絶」や「働きがい」、「気候変動への対策」など国際社会に実現を求める17の目標。 ※3 ESG(Environment, Social & Governance):環境・社会・企業統治。持続可能な社会の形成に寄与するために企業や機関投資家が配慮すべき3つの要素。 そうした中長期経営方針のバックボーンには、ミッション(存在意義)として掲げた「Next GOOD」があり、顧客とその先にある社会に「一歩先の価値」を提供する存在でありたいという同社の「願い」が込められている。その中長期経営方針の中で特に重要な意味を持つのが、社会の変化とニーズの多様化に応えることができる都市環境をプロデュースすることで事業を創造・革新していくという考え方である。つまり同社にとっては、単身世帯やシニア層の増加、働き方や雇用の多様化、訪日外国人や日本在住外国人の増加、技術革新による社会インフラの変化、シェアリングエコノミーの拡大、レジャーやエンターテインメント領域の拡大、健康や美容への関心の高まりといった事業ドメイン周辺のあらゆる社会変化に対して、事業や投資、組織・人事など各戦略を統合的に展開していくことである。もちろん、コロナ禍による住まい方や働き方などの価値観の大きな変容も含まれる。 これを戦略という視点で区分けすると、大きく事業戦略、投資戦略、組織・人事戦略、財務戦略になる。事業戦略では、既存の事業領域で開発した商品・サービスを周辺事業領域に展開、中古ストックの再生・活用・運営ビジネスを積極的に拡大し、アパートメントホテル事業に続く新たな事業の創造やビジネス領域の拡張を進める考えである。投資戦略では、既存事業の成長・拡大を促進する研究開発に加え、ICT(Information & Communication Technology)の取り込みやM&Aを含めた新たな事業創造に資源を集中することになるだろう。組織・人事戦略では、同社独自の働き方改革「WSI※」を拡充し、創造性や生産性の圧倒的な向上を目指す。財務戦略では、事業拡大や積極投資と同時に財務基盤を強化、配当金の持続的増加など株主還元を厚くして株主価値を向上させていく考えである。さらに各事業において、テレワークや健康管理など、新型ウイルス感染症の拡大によって変容したライフスタイルなどの価値観を視野に入れた取り組みを進めていくことになる。 ※WSI(Work Style Innovation):同社独自の働き方改革。WSI前後(2019年3月期/2015年3月期)の比較で、営業利益208%増、残業時間42%減、休日出勤数99%減、有給休暇取得44%増となった。2019年3月期はリモートワークの全社利用促進や育児・介護と仕事の両立支援を拡充した。 事業別の具体的戦略も方向感は変わらない 3. 事業別の具体的な取り組み コロナ禍の影響はあっても、宿泊事業も含め、事業別でも戦略的な方向感は大きく変わらないと考えている。むしろ、テレワークなどコロナ禍対応のアイデアは、新たな付加価値ということもできる。レジデンシャル事業では、豊富なメニューとサービスをワンストップで提供することにより、収益性の向上を目指す。新築分譲では、利便性の高い立地の開発と空間設計など品質にこだわった商品・サービスの強化によって、一歩先の住宅開発で差別化し、一定のマーケットシェアの確保を目指す。アクティブシニア向けマンションでは、全国主要都市で多様なニーズに応え開発を加速する考えだ。リノベーションマンションにおいては、新築マンションの空間設計を取り入れ、リテール仲介とリノベーション工事をワンストップサービスで展開する方針である。 ソリューション事業では、購入から運営、売却までのあらゆるソリューションをワンストップで提供する一方、オペレーションの効率化も推進する。投資用不動産等では、商品の多様化や中古ストックの再生、ブランド化の強化に加え、働き方の多様化やニューノーマル時代に対応した商品の開発を継続する考えだ。不動産賃貸管理等では管理戸数・管理面積の拡大とオペレーションの効率化を、不動産コンサルティングではソリューションビジネスやコンサルティングサービスの拡充とワンストップ対応を進める方針である。宿泊事業は、物件開発と(売却後の)管理運営を併せ持つ事業のため、本来リスクコントロールはしやすいはずだと考えられる。とはいえ、しばらくはインバウンド宿泊需要が見込めないので、当面は日本人向けに販売促進を強化することになっている。工事事業では、オフィス空間の施工のみでなく、働き方改革に向けたオフィス設計やスポーツ施設、店舗、アミューズメント施設への取り組みを強化する方針である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《ST》
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大和ハウスグループの不動産デベロッパー。新築マンションや新築一戸建等の販売、収益不動産の開発・販売・賃貸管理、宿泊事業等を手掛ける。25.3期は増収増益見通し。収益不動産等販売の収益性改善などを見込む。 記:2024/07/07