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アドバンクリエ Research Memo(2):国内最大級の保険選びサイト「保険市場」運営。独立系保険代理店大手(1)

2021/7/6 15:12 FISCO
*15:12JST アドバンクリエ Research Memo(2):国内最大級の保険選びサイト「保険市場」運営。独立系保険代理店大手(1) ■事業概要 1. 事業の内容 アドバンスクリエイト<8798>は保険代理店事業、ASP事業、メディア事業、メディアレップ事業、再保険事業の5つの事業を展開している。事業別の売上構成比(2021年9月期第2四半期累計)で見ると、保険代理店事業が売上高の73.1%、営業利益の74.1%を占める主力事業となっているが、2013年9月期の時点では売上高、営業利益ともに保険代理店事業が90%以上を占めていたことからすると、この数年間でメディア事業やメディアレップ事業、再保険事業が成長し、また、新規事業となるASP事業も育ち始めるなど収益ポートフォリオの多様化が徐々に進んでいると言える。連結子会社としては、メディア事業とメディアレップ事業を展開する(株)保険市場、再保険事業を展開するAdvance Create Reinsurance Inc.の2社がある。 (1) 保険代理店事業 保険代理店事業では、同社の保険選びサイト「保険市場」を通じて資料請求や問い合わせなどがあった見込み客に対して、通信販売やネット完結型の非対面販売、同社直営店舗であるコンサルティングプラザ「保険市場」での販売、提携代理店での販売など多様な販売チャネルを通じて、保険商品の販売を行っている。なお直営店舗での販売については、コロナ禍の影響を受けて非接触での面談ニーズが増加したことに対応し、従来の対面型販売に加えて2020年3月からビデオ通話システムを用いたオンライン型での保険相談を開始し、さらにそこから得られた知見をベースに保険業界に特化したビデオ通話システム「Dynamic OMO」を独自開発し、同年10月より運用を開始している。 販売する保険商品は生命保険や損害保険、少額短期保険など個人が利用する保険商品のほか、法人向け保険商品も取り扱っており、2021年6月時点の同社の取扱保険会社数は90社(生命保険29社、損害保険29社、少額短期保険32社)、保険商品数では200点を超え業界最大規模を誇っている。 保険代理店事業における売上の主な内容は、保険会社から支払われる手数料収入となる。保険契約者が保険会社に支払った保険料に対して、定められた手数料率を乗じたものが保険会社から同社に支払われる。生命保険など支払いが複数年にわたるものは、初年度と次年度以降で手数料率が変動するタイプの商品もある。手数料率に関しては会社ごと、保険商品ごとに様々だが、傾向的には貯蓄性の高い商品の手数料率が低く、逆に掛け捨て型の商品は高くなる。なお、提携先の代理店で販売契約したものに関しては手数料収入を約半分にシェアする格好となるが、販売契約のための人件費等が掛からないため、利益額としては直営店で販売した場合と比較して大幅に劣後することはない。 販売拠点としては、2021年5月末時点で直営店が11拠点となり、提携代理店は680店舗以上の規模となっている。直営店に関しては、交通至便な都市部のランドマークビルに出店し金融商品に対するリテラシーが高いアッパーミドル層を中心に販売していく戦略で、営業スタッフは2021年3月時点で120名程度となっている。また、直営店でカバーしきれないエリアの見込み顧客を提携代理店※に送客している。提携代理店に関しては、各社のガバナンスやコンプライアンス体制、セキュリティ管理体制等のチェックを定期的に実施することで、代理店の質を維持している。さらに、同社はコロナ禍でオンライン保険相談のニーズが増えるなか、業界初となるオンライン専門の営業部隊「保険市場 スマートコンサルティングプラザ」(仮称)を2021年11月に開設する予定となっている。提携代理店のなかにはオンライン保険相談を実施していない代理店も多くあり、提携代理店へのアポイント配信が円滑に行えず、また、オンラインの利便性を全国に届けられないといった課題があった。「スマートコンサルティングプラザ」の開設によって、直営店カバーエリア以外でオンライン保険相談を希望する見込み顧客に対しても同社で対応し、実面談が必要になった場合には、直営店または提携代理店で対応することで収益機会を拡大していく考えだ。 ※提携代理店における保険募集人については5万人を超える水準となっている。 (2) ASP事業 ASP事業では、salesforce.com<CRM>のクラウドサービスを活用して社内用に開発・利用してきた顧客管理システム「御用聞き」(2018年11月販売開始)や顧客基本情報連携システム「丁稚(DECHI)」(2019年6月販売開始)、オンラインビデオ通信システム「Dynamic OMO」(2021年3月販売開始)などを保険代理店向け等に外販する事業となる。 「御用聞き」の特徴は、クラウドサービスにより低コストで利用が可能なこと、保険業法や個人情報保護法等の関係法令に準拠しておりスムーズな顧客情報の管理・共有が可能なこと、各保険商品の手数料データの取込みと比較・分析ができること、歩合外務員の歩合率を設定する機能や報酬計算機能などを備えていることなどが挙げられる。乗合代理店では多くの保険商品を取り扱っており保険商品ごとに手数料やインセンティブが異なるなど複雑な仕組みとなっている。業務効率の面から利便性の高い顧客管理システムが求められており、同社システムの潜在需要は大きいと言える。 「丁稚(DECHI)」は同社が構築する共通プラットフォームシステム「ACP(Advanced Create Cloud Platform)」と保険会社の基幹システムを連携(2021年3月末で14社と連携)させることで、複数社にまたがる保険商品の申込み手続きを一度の入力で完結できるシステムとなる。入力時間の短縮と入力間違い等のミスを防ぐだけでなく、顧客の待ち時間も短縮できるなど、乗合代理店にとって生産性並びに顧客満足度の向上につながるサービスとなっている。また、「丁稚(DECHI)」は「御用聞き」を利用していない代理店でも自社のCRMシステムを「ACP」と連携することで利用可能となっている。 「Dynamic OMO」は、保険相談に特化したビデオ通信システムで、同社のオンライン保険相談の7割以上を占めるスマートフォン向けに最適化されたシステムとなっている。2020年3月以降、汎用のビデオ通信システムを活用し、トライアンドエラーを繰り返して顧客や社員の要望を反映し、汎用システムでは対応しきれなかった機能を実装しているのが特長となっている。主な特長として、ブラウザでの使用が可能なこと、互いの顔をワイプ表示し、保険資料の画面をメインとして複数の資料をタブで簡単に切り替え表示できるようにしたこと、顧客が資料の随意箇所を拡大表示し、顧客が閲覧している箇所を募集人が把握できるズームアップ機能を取り入れたことなどが挙げられる。利用料金は、月額基本料と使用データ量に応じた従量課金を組み合わせたものとなっている。オンライン保険相談では情報セキュリティ対策を施したうえで自動録画を行っているため、コンプライアンス上の問題がないか検証することができるほか、優秀な営業担当者の商談内容を可視化して、研修用として営業担当者の育成に活用していくことも可能となる。 そのほか、同社の顧客に対して無償提供している証券管理アプリ「folder」の外販を2020年秋より開始している。保険商品をスマートフォンで撮影することによりクラウド上で保険証券を管理できるアプリで、単に管理するだけでなく、保険会社の連絡先が連携されるほか保険契約情報の家族との共有や、保険の過不足診断、年金・教育費シミュレーションなど様々な機能を実装していることが特長となっている。アプリのダウンロード件数は、提供開始以降順調に拡大しており、2021年4月末には5万件を突破している。同ツールは、OMO戦略を推進していくうえで顧客との長期的な関係を構築し、保険検討時の「最初の接点」として収益機会を獲得するための有力ツールとなり、今後もさらなる機能強化を進めていく予定となっている。外販についての料金は、登録ID数のレンジごとに月額課金するビジネスモデル(サーバー費用含む)となる。 これらサービスの販売ターゲットは、提携代理店のほか、複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店、保険会社となる(ビデオ通信システムについては他の業種でも利用可能)。保険募集人の数は国内で100万人規模となり、このうち乗合代理店で数十万人規模、同社の提携代理店だけでも5万人超の規模となる。「御用聞き」や「丁稚」の料金は月額課金制でIDごとに課金する格好となる。また、注目すべき点はこれらシステムが社内利用を目的に開発されたため、開発費負担がほとんどかからず高い収益性が期待できることにある。ASP事業の費用としては、営業スタッフの人件費と開発費の一部(外販用の機能のみ)だけとなる。まだ事業規模としては小さく全体の業績に与える影響は軽微だが、潜在需要は大きいだけに、普及拡大が進めば収益柱の1つに育つ可能性がある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《NB》
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時価総額 22,174百万円
国内最大級の保険代理店。比較サイト「保険市場」を通じて生保や損保、少額短期保険を販売。ASP事業は売上横ばい。固定費の圧縮等により、保険代理店事業は損益改善。販管費は減少。24.9期1Qは黒字転換。 記:2024/02/24