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昭和産業 Research Memo(7):長期ビジョン「SHOWA Next Stage for 2025」に邁進
2021/6/23 16:07
FISCO
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*16:07JST 昭和産業 Research Memo(7):長期ビジョン「SHOWA Next Stage for 2025」に邁進 ■中長期の成長戦略 同社グループは、昭和産業<
2004
>90周年を迎える2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」(2017〜2025年度の9年間)を策定し、3次にわたり中期経営計画を展開している。1st Stage「中期経営計画17-19」によるありたい姿の実現に向けた足場固めを経て、2020年4月より2nd Stage「中期経営計画20-22」を進めている。基本方針は「“確立”基盤事業の盤石化と成長事業の育成」、基本コンセプトは「SHOWA New Value Creation ~SHOWAだからできる新たな価値とは~」である。顧客・社会課題視点による解決提案力の向上やグループ総合力のさらなる深化、さらにイノベーション創出に向けた経営基盤の確立によって、新たな価値を創造し多様な食シーンに貢献していく。「中期経営計画20-22」の経営指標は、2023年3月期の売上高2,800億円(2020年3月期実績2,540億円)、経常利益130億円(同101億円)とし、伸長率は売上高が110.2%、経常利益が128.0%とした。また、ROEは9.0%以上(同8.0%)を目標としている。 1. 基本戦略(1)「基盤事業の強化」 調達では原材料の共同購買によるコスト削減、製販では全体最適に向けた製販連携、物流では持続可能な物流体制強化とし、グループ会社間の連携強化によるサプライチェーン改革を推進する。また、シェア拡大に向けた生産能力増強・ソリューション提案強化を目的として、生産能力増強とIoTなど最新技術導入による生産性向上、顧客課題抽出の深掘りと解決提案の迅速化を行う。マーケットイン、プロダクトアウト融合による同社ならではの差別化商品、機能性商品の開発やオープンイノベーションの活用による高付加価値商品の開発を進める。 「基盤事業の強化」の進捗については、サンエイ糖化と取り組む方針である。サンエイ糖化は、2020年12月に子会社として同社グループの糖質事業に加わった。輸液など医薬用にも使用される結晶ぶどう糖においては国内トップクラスの企業であり、結晶ぶどう糖の国内シェア70%を確立した。子会社化に伴い、同社の鹿島工場と敷島スターチ、サンエイ糖化を合わせた3工場体制となり、安定供給、生産効率のさらなる強化を進めていく。また、原料・資材調達の面においてもスケールメリットを発揮していく。サンエイ糖化が取り扱う乳酸菌や水あめの一種であるオリゴ糖酸など、少子高齢化、健康志向のニーズに応えた新事業や新製品開発を進め、グループとしての拡大を図っていく方針だ。 2. 基本戦略(2)「事業領域の拡大」 「事業領域の拡大」においては、国内市場では冷凍食品事業の強化としてグループ冷凍食品会社の連携による体質の強化と領域を拡大する。植物由来食品の開発強化として、大豆を軸とした植物性たん白食品の開発や機能性食品素材(健康・美)の開発を進める。また、アグリビジネスへの挑戦として、植物工場実験プラントの建設・運営、バイオマス利用技術の研究強化を挙げている。海外市場においては、ASEANではプレミックス事業の拡大、新たな新興国への進出を目指す。台湾では、2021年3月期に新たに参入した製粉事業・鶏卵事業を拡大する。中国においては、生産・販売体制の見直しによる収益向上を図っていく。 1) ボーソー油脂との取り組み 「事業領域の拡大」の進捗については、ボーソー油脂との取り組みとなる。2020年9月に子会社として同社グループに加わった。ボーソー油脂は、まず足元の業績改善に向けた、両社の商材と販路を活用したクロスセルや物流・販売コスト削減の取り組みを開始している。その結果、過去3期連続で赤字が続いていたボーソー油脂の当期純利益は、2021年3月期に4期ぶりの黒字に転換した。 2) 大豆たん白の販売強化 同社は大豆たん白の販売強化を進めており、加工食品へのメニュー提案を強化している。大豆たん白は、健康志向の高まりや環境に配慮した食品として注目されており、2021年3月期の売上高は、過去最高の19億円と2014年3月期の約1.7倍となった。2020年11月に業務用新商品「ミ—テックスE-1(イーワン)」の販売を開始。この商品は、従来の粒状ではなく顆粒タイプであり、ハンバーグなどの肉用途だけではなくシリアルなど製菓用途への使用にも適している。昭和冷凍食品(株)では、大豆たん白を使用した業務用食品の開発に注力しており、2021年4月には新たに業務用冷凍パン「SOYミートドーナツ」2種の販売を開始した。引き続き大豆たん白食品の開発を進めることで、2022年3月期売上高目標は20億円、2023年3月期は22億円を目指す。 3) アグリビジネスの開始 新規事業として、アグリビジネスを開始しており、鹿島第二工場エリアに完全人工光型の植物工場「グリーンソリューションファクトリー」を創設した。操業開始時期についてはコロナ禍の影響もあり、若干の遅れが生じると見られていたが、予定どおり2021年3月に操業がスタートした。2021年3月期第4四半期より新たに同社のその他事業に加わっている。主にコンビニ向けのサンドイッチの原料としてリーフレタスを販売しており、出荷数も順調であることから、2021年7月からのフル操業に向け、労働生産性の向上及び販売先のさらなる確保を進めていく。引き続き高付加価値な野菜開発に取り組み、長期ビジョン「SHOWA Next Stage for 2025」3rd Stageでの本格生産に向けて、この2nd Stageが終了する2023年3月期には、売上高2億円達成を目指す。 4) 東南アジアでの海外展開を加速 東南アジアでの海外展開を加速させるべく海外事業の再強化を進めており、2021年3月期に台湾の「製粉事業」「飼料事業」に新たに参入した。飼料事業の中一食品股フン有限公司においては、約40億円を投じ、台湾2ヶ所に洗卵選別工場を建設中である。新しい工場では、日本品質の卵の生産・供給を行うための最新設備を導入し、2022年秋頃の完成を予定している。またベトナムでは、ホーチミン市でプレミックスの製造販売を行うInternational Mix Joint Venture Company(インターミックス)と合弁でMEKONG INTERNATIONAL MIX JOINT VENTURE COMPANY LIMITED(インターミックスメコン)を2019年3月期に設立したが、合理的な投資妥当性が見いだせず、合弁を解消することを決定した。ただしベトナムはコロナ禍においても経済成長を続けていることから、既存事業を含めた新たな事業展開について検討するとしている。 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一) 《EY》
関連銘柄 1件
2004 東証プライム
昭和産業
2,776
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 91,594百万円
小麦粉や植物油、コーンスターチなど食品事業が主力。昭和天ぷら粉など定番商品多数。飼料事業、植物工場なども。食品事業は堅調。価格改定効果も。植物由来タンパク質で新ブランド投入、シート状食品を外食向けに販売。 記:2024/09/27
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