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アジア投資 Research Memo(8):3ヶ年の中期経営計画を公表。SDGsを意識した投資活動に取り組む(2)
2021/6/8 15:18
FISCO
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*15:18JST アジア投資 Research Memo(8):3ヶ年の中期経営計画を公表。SDGsを意識した投資活動に取り組む(2) ■今後の方向性 2. 新中期経営計画について 日本アジア投資<
8518
>では、新たに3ヶ年の中期経営計画を公表した。前述のとおり、前中計からの第2段階として位置付けられる。主な内容は以下のとおりとなっている。 (1) 全体像 投資活動のコアバリューを「ベンチャー投資と特色有るアジアのネットワークを活用した日本とアジアの未来に貢献するSDGs投資」と位置付け、今後、少子高齢化とポストコロナの日本の未来社会で生み出されるイノベーションから創出される事業を見出し、投資活動を通じて成長を支援する方針である。もっとも、基本的な投資方針に大きな変更はなく、戦略投資とプロジェクト投資によりバランスシートの早期改善と安定した収益の造成を図るとともに、ベンチャー投資により高い収益性の確保を目指していく方向性である。また、SDGsを強く意識した投資活動に取り組むほか、日本とアジアをつなぐ投資活動も継続していく考えだ。 (2) SDGsへの取り組み 事業テーマに沿って取り組むべき課題を特定し、具体的な投資機会へと結び付けていく考えである。 a) プロジェクト投資 ・再生可能エネルギー プロジェクトのパートナー企業への投資と、プロジェクト投資を通じて環境負荷の軽減に貢献していく。 ・スマートアグリ(植物工場) 農業人口の減少や高齢化による諸問題、気候変動、食の安全、水資源の有効活用に対するソリューションを提供していく。 ・ディストリビューションセンター(物流施設) 生産性の高い社会の実現や地域産業の活性化と雇用の創出に貢献していく。 ・ヘルスケア 包摂的かつ安全でより住みやすい社会の実現に向けたソリューションを提供していく。 b) PE投資 投資先企業が行うイノベーションや既存事業の再活性化により、生産性向上や労働力の補完を促進し、技術革新の拡大と働き甲斐のある新規事業を創出する。また、中小企業の事業承継を支援するファンドの運営により、包摂的かつ持続可能な産業化を促進していく。 (3) 事業戦略 a) PE投資 PE投資のうち、フィナンシャル投資(戦略投資以外のPE投資)では、引き続き、既存の資産を流動化し、資産の入れ替えを完了させる一方、新たな投資方針に基づく3本のファンドを組成する計画である。また、戦略投資では、既存の投資先を成長させ売却益を得るとともに、新規分野でのパートナー企業への戦略投資も行っていく。 b) M&A仲介等 国内外のパートナーと連携し、FA業務(M&A仲介)のパイプラインを積み上げ、収益を拡大していく。 c) プロジェクト投資 ・ディストリビューションセンター(物流施設) 重点分野として投資残高を増やす計画である。また、プロジェクトの初期段階に投資し、その後のミドルリスク・ミドルリターン志向のレイターステージの投資家を呼び込むことで、同社の採算性を向上させる戦略を描いている。 ・ヘルスケア 高齢者向け施設への投資は、採算性や立地環境を中心に案件を厳選して行っていく。また、障がい者グループホームでは、銀行やリース会社とファンドを組成し、50棟の投資を実行する計画である。 ・再生可能エネルギー ベトナムでの屋根置きソーラーのほか、国内のバイオガスプロジェクトへの投資を拡大する方針である。国内のメガソーラープロジェクトは、順次売却して利益計上を図っていく。 ・スマートアグリ(植物工場) レタス工場は大手コンビニエンスストアを軸に販売先を開拓し、まずは4号工場まで事業規模を拡大する計画である。 ・新規事業開発 既存投資テーマの周辺分野やコロナ禍に対応した事業テーマから、将来の収益の柱となる新規事業を開発していく。 (4) 数値計画 FA業務や短期売却を前提としたプロジェクトへの投資を拡大することにより、PE投資に比べて比較的確実性の高いフィー収入やプロジェクトの収益を拡大し、持続可能な収益構造を目指す。ただ、この計画期間中は、前中計で達成できなかった既存資産の流動化を完了させるため、PE投資の収益が中心となるが、最終年度の2024年3月期にはフィー収益(約2.5億円)とプロジェクトの収益(約9億円)で管理コストを賄い、変動の大きなPE投資の収益により超過利益(アップサイド)を目指すシナリオとなっており、営業総利益で22億円、最終利益で8.5億円を計画している。 3. 弊社による注目点 弊社でも、前中計については、株式市場の低迷等により数値目標には届かなかったものの、新たな投資方針を打ち出し、具体的に動き出したことは、収益基盤の強化に向けた第1段階として一定の評価をしても良いであろう。特に、新たな軸となり得るプロジェクト投資が立ち上がってきたことや、それに紐づく戦略投資の積み上げは、今後の収益拡大に向けた足掛かりとして評価できるポイントと言える。したがって、これからの3年間(第2段階)で、いかに本格的な軌道に乗せていくのかが重要なテーマとなろう。これまでの資産の伸びや収益の下支えに貢献してきたメガソーラーに代わるプロジェクト投資資産の積み上げに注目したい。また、世界的に注目されているSDGsへの取り組みを、パートナー企業や各金融機関等と連携を図りながら成功させ、同社成長に取り込んでいく戦略が大きなカギを握るものと捉えている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《NB》
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独立系総合投資会社。プライベートエクイティ投資、再生可能エネルギー等のプロジェクト投資を手掛ける。豊富な投資経験などが強み。ジーエヌアイグループと業務提携。中計では27.3期営業利益12.5億円目標。 記:2024/10/07
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