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カドカワ Research Memo(1):グローバル・メディアミックス戦略の推進で業績は新たな成長ステージへ

2021/6/7 15:51 FISCO
*15:51JST カドカワ Research Memo(1):グローバル・メディアミックス戦略の推進で業績は新たな成長ステージへ ■要約 KADOKAWA<9468>は、出版、映像、ゲーム、Webサービス、教育事業等を展開する総合エンターテインメント企業で、日本最大級の動画サービス「ニコニコ」を運営する(株)ドワンゴやゲーム開発会社の(株)フロム・ソフトウェア、(株)スパイク・チュンソフトなどを傘下に持つ事業持株会社である。 1. 2021年3月期の業績概要 2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比2.6%増の209,947百万円、営業利益は同68.5%増の13,625百万円となり、いずれも過去最高を更新した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響により、映像事業、Webサービス事業、コトビジネスなどを中心にグループ全体で約190億円の減収要因となったものの、利益率の高い電子書籍の売上成長加速、並びに紙書籍の返品率改善効果等により出版事業が大幅増益となったほか、アニメ事業やゲーム事業の収益も大きく伸長したことが要因だ。 2. 2022年3月期業績の見通し 2022年3月期通期の連結業績見通しは、新型コロナウイルス感染症のさらなる拡大により、市場環境の不確実性が高いことを踏まえ、レンジ形式で開示している(売上高は218,000〜228,000百万円、前期比3.8〜8.6%増、営業利益は10,000〜14,000百万円、同26.6%減〜2.8%増)。営業利益は14,000百万円を目指すが、コロナ禍が深刻化する可能性による不透明感を踏まえ、10,000百万円の下限値を設定した。上限値でも利益率が低下する見通しとなっているが、これは出版事業とゲーム事業で減益を見込んでいることが要因だ。出版事業では、成長基盤構築のための開発投資や人材投資を実施すること、ゲーム事業では2021年3月期の利益増に貢献した旧タイトルのリピート需要が縮小することを想定しているためだ。一方で、電子書籍やアニメ、教育事業などは売上高で2ケタ成長が続くものと思われる。 3. 中期経営方針について 同社は中期経営方針において、グローバル・メディアミックス戦略を掲げている。豊富で多様なIPを電子書籍・アニメ・ゲームを中心としたメディアミックスによってグローバル展開し、リアルとデジタルの融合によりIPの世界観を新たなUXで提供していくことでIPの価値を最大化していく。「IPの育成」×「メディアミックス」×「グローバル展開」と3次元での成長戦略を推進することで、2023年3月期に売上高2,400億円、営業利益160億円を目指していく。成長事業と位置付ける4事業(書籍、アニメ、ゲーム、教育)の重点施策として、書籍事業についてはIP点数の増加とDX推進、並びに電子書籍のグローバル展開、アニメ事業では制作体制の強化とライセンス収益の拡大、ゲーム事業については新規大型タイトルの開発、教育事業についてはEdTechで国内のリーディングカンパニーを目指すことをそれぞれ挙げている。4事業とも2021年3月期は収益拡大に貢献しており、今後も成長のけん引役になるものと期待される。 ■Key Points ・2021年3月期は書籍・アニメ・ゲーム事業が好調に推移し、過去最高の売上高・営業利益を達成 ・2022年3月期業績はコロナ禍のマイナス影響を考慮してレンジ形式で発表 ・グローバル・メディアミックス戦略により持続的な成長を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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出版大手。旧KADOKAWAとドワンゴが経営統合して発足。映像制作やゲーム開発、グッズ販売なども手掛け、コアファンを抱えるIPを多数保有。出版セグメントで国内市場縮小の影響もあり、3Q累計は利益足踏み。 記:2024/02/09