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ADワークスグループ Research Memo(1):第1次中期経営計画を策定。目指す将来への重要な3ヶ年と位置付ける

2021/6/7 15:11 FISCO
*15:11JST ADワークスグループ Research Memo(1):第1次中期経営計画を策定。目指す将来への重要な3ヶ年と位置付ける ■要約 ADワークスグループ<2982>は、個人富裕層向けに投資用一棟賃貸マンションなどの不動産物件をバリューアップ後に販売する収益不動産販売事業と、保有不動産売却までの期間に得られる賃貸収入や販売後のプロパティ・マネジメント収入などで構成されるストック型フィービジネス事業を両輪としている。2020年4月に持株会社体制への移行を目的に新設され、子会社となる(株)エー・ディー・ワークスが上場廃止※となる代わりに、東証第一部にテクニカル上場し、2021年12月期より第2期目となっている。 ※当レポートにおける2020年3月期以前の情報は、同社が持株会社体制に移行する以前に上場していたエー・ディー・ワークス(旧証券コード:3205)のものとなる。 1. 第1次中期経営計画を策定 同社は2021年5月13日に第1次中期経営計画(2021年12月期~2023年12月期)を発表した。持株会社化に伴い、新体制の決算期を12月末日に変更したことから、前身であるエー・ディー・ワークス時代に取り組んできた第6次中期経営計画(2020年3月期~ 2022年3月期)は、新体制下において計画にズレが生じていた。したがって2020年12月期は、9ヶ月の変則決算となることに加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響もあり、二重のイレギュラーが発生していた。このため、持株会社体制でのフルイヤーとなる2021年12月期を起点とする3ヶ年の新たな中期経営計画を策定することで仕切り直しを図る。「Breakthrough 2023」をテーマに掲げ、コロナ禍によって社会の構造が大きく変化しているなか、「SDGs経営の推進」や「福利の経営への転換」に取り組んでいくとともに、東京証券取引所による市場再編で「プライム市場への上場」を目指すことや「不動産事業以外の収益を5年後3割とする」ことを目指す将来とし、それに向けた重要な3ヶ年と位置付けることを明らかにした。 そのための基本方針として、1)資本効率を高め超過利潤を生み持続的に向上させる経営を目指す、2)外部資源を積極活用し創造性と先進性に富んだ組織力を育む、3)顧客の対象を拡張し商品・サービスを広く提供する、の3点に取り組んでいく。 数値計画は、ROICとWACCの差である超過利潤を重要な経営指標とし、最終年度以降、継続的に超過利潤を生み出す事をコミットすべく、最終年度である2023年12月期において、売上高306億円、経常利益20億円、収益不動産残高500億円、ROE8.9%を目指す。また、既存事業の拡大と並行して“脱”不動産事業(不動産領域以外の新規事業)の育成を目的に、DX推進・CVC・M&Aなどに取り組んでいく方針で、先行コストとして3年間で合計7億円を見込んでいる。 2. 2020年12月期の業績振り返り 2020年12月期(2020年4月-12月)の連結業績は、売上高で16,840百万円、経常利益で427百万円となった。持株会社化への移行に伴い9ヶ月間の変則決算のため前期比増減率は無いが、会社計画(売上高16,000百万円、経常利益400百万円)に対して上回って着地した。第1四半期はコロナ禍で営業活動の制限を受けるなか、主力の収益不動産販売事業の業績は大きく落ち込んだが、第2四半期以降は本格的な営業活動を再開できたことで、第2四半期及び第3四半期単独の業績ではコロナ禍以前に近い水準まで戻すことができ、第1四半期での落ち込みを補い、売上高・利益ともに通期計画を上回る結果となった。なお、期末の収益不動産残高については、組織の見直し等で仕入力が向上したことにより、前期末の23,118百万円から24,682百万円に増加している。一方、ストック型フィービジネスについては賃料収入が中心となっているため、コロナ禍の影響も少なく、ほぼ前年並みの水準となった。 3. 2021年12月期業績計画 「第1次中期経営計画」の初年度でもある2021年12月期は、売上高で23,000百万円、経常利益で600百万円を見込む。依然としてコロナ禍で不透明な状況が続くことが予想されるため、同計画の作成には「2020年後半の市場環境が継続する」ことを前提とした。2020年12月期(9ヶ月決算)の業績を12ヶ月換算した数値と比較すると、売上高は2.4%増、経常利益は5.4%増となる。 前期第2四半期以降のペースが続けば会社計画を上回ることになるが、もともと商品企画の内容やバリューアップ工事の進捗など諸般の事情で販売時期が前後する特性があることに加えて、取り扱い物件の大型化が進んでいることから、販売時期のズレが収益に与える影響には注意が必要だ。 事業方針としては、「収益不動産の仕入に注力し、主力事業である収益不動産販売事業の成長基盤を強化すること」、「事業法人や機関投資家への販売強化と、小口化商品・クラウドファンディング等で個人投資家の裾野を拡げることで顧客層の拡大を図ること」、「国内外で金融商品を含めた幅広い新商品・新サービスを積極的に開発し商品ラインナップの拡充を図ること」、の3点に取り組んでいく。 ■Key Points ・ 第1次中期経営計画の基本方針。 「資本効率を高め超過利潤を生み持続的に向上させる経営を目指す」 「外部資源を積極活用し創造性と先進性に富んだ組織力を育む」 「顧客の対象を拡張し商品・サービスを広く提供する」 の3点に取り組む ・収益不動産販売とストック型フィービジネスを両輪に事業拡大を図る ・2021年12月期は前期後半の市場環境が続くことを前提に実質増収増益で計画 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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時価総額 11,376百万円
収益不動産事業や不動産小口化商品事業などを展開。2023年12月期は過去最高業績を更新。国内で不動産物件の仕入・販売が順調に進み主力の収益不動産販売事業が伸長。24年12月期も売上高、営業利益ともに2ケタ増収増益が続く見通し。 記:2024/04/02