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シンバイオ製薬 Research Memo(1):2021年はグローバル・スペシャリティファーマを目指す第二の創業元年に

2021/4/21 15:11 FISCO
*15:11JST シンバイオ製薬 Research Memo(1):2021年はグローバル・スペシャリティファーマを目指す第二の創業元年に ■要約 シンバイオ製薬<4582>は、患者数は少ないが医療ニーズの高い「がん、血液、希少疾病」領域をターゲットに、臨床試験段階からの開発を進めるバイオベンチャーである。主要開発パイプラインには、悪性リンパ腫向け治療薬として適応拡大が進んでいる「トレアキシン(R)」のほか、オンコノバ・セラピューティクス<ONTX>(以下、オンコノバ)(米)から導入した「リゴセルチブ」、キメリックス<CMRX>(米)から導入した抗ウイルス薬「ブリンシドフォビル(BCV)」がある。3月24日付で東京証券取引所が、JASDAQの上場廃止基準に基づき同社株式の猶予期間入りを発表したが、2022年4月から導入される新市場区分では、廃止基準に該当する業績基準及び利益計上基準※が無くなるため、当該理由によって上場廃止になることはない。 ※業績基準とは、最近会計年度における営業利益及び営業活動によるキャッシュ・フローの額が負であること。利益計上基準とは上場申請会計年度の営業利益の額が負であり、かつ上場後9連結会計年度の営業利益の額が負であること。 1. 2021年12月期の黒字化に向けた条件が整う 2021年12月期は創業来初の黒字化を達成する見通しだ。黒字化の条件として同社は、「トレアキシン(R)」の自社販売体制構築、FD製剤(凍結乾燥注射剤)から付加価値の高いRTD製剤(液剤タイプ)への置き換え、「トレアキシン(R)」の適応拡大の3つを主要ポイントとして掲げていた。このうち、自社販売体制の構築は2020年6月に完了し、エーザイ<4523>との販売契約が終了した同年12月10日以降、自社販売を開始しており、RTD製剤についても同年9月に販売承認を取得、2021年1月12日から販売を開始している。残りの適応拡大についても、2021年3月23日付で再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を対象としたBR療法(ベンダムスチン+リツキシマブ)で販売承認を取得したほか、中外製薬<4519>がP-BR療法(ポラツズマブ ベドチン+BR療法)で販売承認を取得したことで、2021年12月期第2四半期以降、同適応症向けでの販売が可能となり、黒字化に向けたすべての条件が揃ったことになる。これらの条件達成を前提にした2021年12月期の業績は、売上高で前期比206.4%増の9,151百万円、営業利益で1,361百万円(前期は4,506百万円の損失)となり、開発ステージから成長ステージに入ることになる。 2. その他開発パイプラインの動向 「リゴセルチブ」については、「トレアキシン(R)」を含めた既存薬との併用療法の可能性を探るため、2021年1月に東京大学医科学研究所と共同研究契約を締結し、2021年内に新たな開発戦略を決定する方針となっている。また、「BCV」(注射剤)は、造血幹細胞移植後に発症するアデノウイルス感染症(小児向け)を対象とした国際共同第2相臨床試験を2021年12月期第3四半期より開始する予定で、順調に進めば2023年にも第3相臨床試験に進む見通しだ。また、国内においても造血幹細胞移植後のウイルス性出血性膀胱炎を適応症とした開発を進めていく予定となっている。同疾患については国内で承認された治療薬が無く、医師からの強いニーズがあるためだ。さらには、広域の抗ウイルス活性を持つ「BCV」の特徴を生かして、造血幹細胞移植後のマルチウイルス感染症や臓器移植後の感染症に向けた開発も将来的に進めていく予定となっている。また、「BCV」に続く新規パイプラインの導入についても検討していく。 3. 中期経営計画 同社は中期経営計画の業績目標として、2023年12月期に売上高12,369百万円、営業利益2,099百万円、EPS46.5円を掲げた。売上高は「トレアキシン(R)」の再発・難治性DLBCL向けでの浸透による拡大を見込んでいるほか、2022年後半にRI製剤(患者への投与時間が従来の60分から10分に短縮)の販売開始を見込んでおり、既存の多剤併用療法を実施している医療機関での浸透が一段と進むことを見込んでいる。利益面では、「BCV」の開発費用を中心に研究開発費の増加を見込んでいるものの、自社販売による売上総利益の拡大に加えて、RTD/RI製剤への切り替えによる売上総利益率の向上により吸収する。同社は2021年を、グローバル・スペシャリティファーマを目指す“第二の創業”元年と位置付け、持続的な成長を実現していくほか、「BCV」の上市によって2030年には海外売上比率を50%に引き上げ、グローバル製薬企業への進化を目指していく。 ■Key Points ・「トレアキシン(R)」はRTD製剤の販売開始、並びに再発・難治性DLBCLへの適応拡大により、売上成長ポテンシャルが約2倍に拡大 ・「BCV」は造血幹細胞移植後のアデノウイルス感染症を対象としたグローバル治験を2021年から開始 ・2022年以降も「トレアキシン(R)」の売上拡大により営業利益は年率20%超の成長を見込む (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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大手製薬企業。1925年創業。スイス製薬大手のロシュ傘下。がん領域医薬品、抗体医薬品で国内トップシェア。独自の抗体エンジニアリング技術などが強み。成長領域や新規領域へ集中したリソース投入などを行う。 記:2024/08/01
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