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イード Research Memo(1):専門領域に特化したメディアのビジネスモデル構築でコロナ禍でも業績伸長

2021/3/22 16:21 FISCO
*16:21JST イード Research Memo(1):専門領域に特化したメディアのビジネスモデル構築でコロナ禍でも業績伸長 ■要約 イード<6038>は、Webメディア・コンテンツの運営を行うコンテンツマーケティングプラットフォーム(以下、CMP)事業と、リサーチ及びECソリューション(ECシステムのASPサービス)を提供するコンテンツマーケティングソリューション(以下、CMS)事業を展開している。売上高の8割以上を占めるCMP事業は、Webメディア上で提供されるインターネット広告やデータ・コンテンツ収入(EC物販含む)のほか、出版ビジネス等も含まれている。WebメディアはM&Aや自社開発を進めながら、自動車、IT、エンターテインメント、暮らしなど、合わせて21ジャンル68サイトを運営している(2020年12月末時点)。 1. 2021年6月期第2四半期累計の業績概要 2021年6月期第2四半期累計(2020年7月-12月)の連結業績は、売上高で前年同期比10.5%増の2,829百万円、営業利益で同34.5%増の238百万円となり、いずれも過去最高を更新した。ネット広告売上高はビジネス系メディアのPV数減少等が響いて低迷したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)における巣ごもり需要によりEC物販を含むデータ・コンテンツ提供売上高が前年同期比18.0%増となったほか、M&A効果※により出版ビジネスも同194.3%増と大きく伸長し、業績をけん引した。なお、2020年12月に連結子会社だった(株)絵本ナビの保有株式の一部を投資会社に譲渡し、特別利益として株式売却益418百万円を計上している(絵本ナビは2021年6月期第3四半期以降、持分法適用関連会社に異動)。 ※2020年2月に(株)学研プラスから、アニメ専門月刊誌「アニメディア」、月刊声優専門誌「声優アニメディア」、男性向け月刊アニメ専門誌「メガミマガジン」のほか、不定期のムック本やWebメディアの「超!アニメディア」の運営事業を譲受した。売上高で2億円程度の増収要因になったと見られる。 2. 2021年6月期の見通し 2021年6月期の業績見通しは、年明け以降も緊急事態宣言が一部都府県で再び発出されるなどコロナ禍の収束が見えないなか、合理的に見積もることは困難と判断し未定としている。同社においては、コロナ禍によるマイナスの影響がある一方で、EC市場拡大によるEC物販の需要が拡大していることなどから、全体的に見れば追い風になっていると見られる。2021年6月期下期は絵本ナビの売上が3億円程度剥落するものの、既存事業の拡大や新たなM&Aによって減収分をカバーしていくほか、2021年1月にテレワーク体制の継続(出社率10~20%)により本社を移転しており、地代家賃を含めた経費削減も見込まれる。このため、通期業績についても増収増益が続く可能性が高いと弊社では見ている。 3. 今後の成長戦略 同社では今後も自社開発またはM&Aによって運営するメディアを拡充し、それぞれのメディアの特性に応じたビジネスモデルを展開することで収益の多様化・最大化を図り、収益成長を目指していく戦略となっている。また、2017年に打ち出した「iid 5G Mobility」戦略(自動車業界における第5次モビリティ革命を支援する取り組み)についても、今後の動向が注目される。業務提携先の(株)ジゴワッツと共同開発した「バーチャルキー」(スマートフォンで自動車の施錠・開錠を可能とするサービス)が、2020年2月に初めて民間のカーシェアリングサービスに採用されて以降、大手レンタカー事業者や行政機関などでの利用も始まるなど普及段階に入ろうとしている。同社は「バーチャルキー」の月額利用料の一定率をロイヤリティ収入として受け取るため、導入台数が増えればストック収益として貢献することになる。また、2021年1月にはCASEやMaaS※、スマートシティに関わるニュース及びセミナー情報を提供するビジネス向けの会員制メディア「mirai.Response」をオープンした。自動車業界では今後、CASEやMaaSなどをテーマに市場環境が大きく変わろうとしており、業界関係者の注目度も高い。同メディアを通じて新たな収益機会が増加していくものと期待される。 ※MaaS(Mobility as a Service):代表例としてはカーシェアリングが挙げられるが、同社では新車販売からメンテナンス・給油・保険・中古車流通・リサイクルなど自動車に関わる既存のサービスを、ITを活用した利便性の高いサービスへと進化させたもの。また、自動運転技術によって創出される新サービスを含めてMaaSと定義している。 ■Key Points ・2021年6月期第2四半期累計業績はEC物販の好調等により、過去最高業績を更新 ・2021年6月期の業績見通しは未定だが、下期も増収増益を継続する可能性は高い ・「iid 5G Mobility」の取り組みでは「バーチャルキー」が普及フェーズに入り、新たに会員制メディア「mirai.Response」を立ち上げる (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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時価総額 3,795百万円
自社開発プラットフォーム利用のサイトを複数運営。調査サービスやECシステムも。24.6期上期は好採算のネット広告が足踏み。だが前期買収会社の貢献もあって広告以外の拡大続く。通期では増収増益・増配を見込む。 記:2024/04/15