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新日本製薬 Research Memo(7):世代ターゲットごとに明確な中期戦略を打ち出す

2021/3/19 15:57 FISCO
*15:57JST 新日本製薬 Research Memo(7):世代ターゲットごとに明確な中期戦略を打ち出す ■成長戦略 新日本製薬<4931>では中期的な業績ターゲットとして、2023年9月期に売上高400億円以上、経常利益率10%以上の達成を掲げており、2021年9月期は幅広い顧客獲得とブランド育成の期間と位置付け、成長戦略を推進する。成長戦略については「パーフェクトワンブランドの更なる成長」「EC・デジタル展開の加速」「グローバルブランドに向けたブランド育成と成長」「スマートヘルスケア事業の育成」を掲げている。また、同社は成長戦略ロードマップを作成しており、ターゲットとして「シニア世代」「ミドル世代」「ミニマムライフ世代」「海外」と区分し、さらに化粧品とヘルスケアのカテゴリにおいてそれぞれターゲットごとに明確な中期戦略を打ち出している。 化粧品カテゴリにおける「シニア世代」では、LTV(「Life Time Value」の略で、「顧客生涯価値」のこと)の引き上げと新規顧客獲得を目的とし、戦略としてオールインワンジェル新商品(シワ改善と美白)の投入、新商品・新サービスの開発、データベースマーケティングの強化を挙げている。同カテゴリの「ミニマムライフ世代」では、特に20~30代をメインとした顧客開拓として、人気タレントを起用した新たなブランド戦略の展開及びSNSを活用したデジタルマーケティングに引き続き取り組んでいく。さらに「ミドル世代」「ミニマムライフ世代」に向けてEC・デジタル展開の加速を図っていく。具体的には、投資を集中させてデジタルマーケティングを充実させ、オンライン・オフラインにおけるプロモーション連携施策の実施やアプリを活用したCRMの強化、インフルエンサーを通して認知度を高めていく。「海外」においてはグローバルブランドに向けたブランド育成と成長を掲げている。中国では一段の成長を促し、アジア・ASEANではブランド育成を推進し、北米への新規進出の準備もスタートしている。そして、ヘルスケアカテゴリでは、「ミドル世代」「ミニマムライフ世代」に向けて、ブランド価値の訴求と新たな層の顧客獲得を通して、スマートヘルスケア事業の育成に注力していくとしている。 1. パーフェクトワンブランドの更なる成長 同社の中期的な業績ターゲットの早期実現に向けた戦略は、パーフェクトワンブランドの更なる成長を目指し、長期的に選ばれ続けるブランドに育てていくことである。同社は、アンチエイジングスキンケアの市場拡大を背景に、パーフェクトワン オールインワン美容液ジェルシリーズからビタミンPPを配合した商品「パーフェクトワン 薬用リンクルストレッチジェル」を2020年9月に日本で初めて発売し、発売後の売上は堅調となっている。更なる成長に向けて、「パーフェクトワン 薬用リンクルストレッチジェル」を中心にTVやSNSで積極的な広告投資を実施していく。同社によると、大手化粧品メーカーのスポット美容液は高価格帯(10,000~15,000円)であり、プレイヤーが多く厳しい競争環境となるが、同社はオールインワンタイプで中価格帯(7,150円税込)の商品を展開しており、大手化粧品メーカーと競合しにくいうえ、今後の成長に期待できると言う。同社の強みが発揮できるポジショニングにより、パーフェクトワンブランドの更なる成長をけん引していく戦略である。 新商品「パーフェクトワン 薬用リンクルストレッチジェル」は既存顧客による商品切替が想定を上回るスピードで進捗しており、アップセルとLTV引き上げに貢献している。期末時点の定期購入顧客数の想定人数も上回る見通しであり、2021年9月期第2四半期以降は、「パーフェクトワン 薬用リンクルストレッチジェル」へ広告投資を集中し新規顧客獲得を加速させていく。パーフェクトワンブランドで新たな顧客層を開拓するため、幅広い世代に人気がある男性タレントを起用し、全国でコマーシャルを放送したところ、放送開始直後にTwitter検索トレンド1位を獲得したほか、SNSアカウントフォロワー数はTwitterが開始3ヶ月で5倍、Instagramにおいては開始5ヶ月で55倍に増加した。同時に、ミニマムライフ世代の新規顧客が9月比で2倍に急増している。今後も人気タレントを起用した新たなコマーシャル等の広告施策を予定しており、ミニマムライフ世代を中心にパーフェクトワンブランドの認知度拡大とともに“シンプルに賢く効果的なスキンケアを行う”という新常識の浸透を図っていく。 また、コールセンターの顧客応対品質の向上とデジタル化の基盤づくりとして、コミュニケーターの提案力を生かしたクロスセルやアップセルの強化、スキンケアのアドバイスなど、対話を重視したコミュニケーションの強化によって、顧客のロイヤル化とLTV向上に取り組んでいく。そのほか、コールセンターのオペレーション効率化と生産性向上、コールセンターの将来的なチャットボット対応やAIの導入を見据え、PBXのクラウド化やVOC分析の高度化を進める計画としている。 2. グローバルブランドに向けたブランド育成と成長 同社は成長性の高い中国を中心に据え、ECをベースに海外販売の拡大を図っていく。中国のほか、台湾・香港、ASEAN(シンガポール・ベトナム・タイ)、米国では、いずれもターゲット層は消費力の高い20代~40代を中心としている。中国における販売チャネルは、EC(「越境EC」「RED」「天猫」等)とし、発信力の高い20代に向けて、認知度拡大とLTV向上を図る。台湾・香港では、販売チャネルをEC(自社サイト及び「MOMO」等)、店舗・卸売販売(バラエティショップ)、通信販売として、ブランド認知度を強化しマルチチャネル化を推進する。ASEANでは販売チャネルをEC(自社サイト及び「shopee」等)、店舗・卸売販売(バラエティショップ)として、消費力のポテンシャルを見据えて中価格帯商品を積極的に展開していく。米国ではEC(自社サイト)を活用し、本格展開に向けて認知度拡大を図っていく計画である。 3. スマートヘルスケア事業の育成 スマートヘルスケア事業については、近年の世界的な健康ブームやパーソナルヘルスケアへの関心の高まりを受け、第2の事業の柱として強化・拡大していく方針である。ミニマムライフ世代~ミドル世代をターゲットとしてECを中心にドラッグストアでも展開を開始する。ドラッグストアにおいては5,000店舗への導入を計画しており、中規模のチェーン店から進めている。同社では、顧客とチャネルの差別化を図り売上のプラスオンを図る計画である。なお、ドラッグストアなどは値下げ要請等が起こりやすいと考えられる点においては注視する必要があると弊社では考えている。 ミニマムライフ~ミドル世代をターゲットとしたスマートヘルスケアのコンセプトは「“自律したヘルスケア”を支える」を掲げている。商品は、「BODY AURA」「美活プロテイン」が主力となる。一方、シニア世代をターゲットとしたこれまでのヘルスケアのコンセプトは「“健康維持”や“悩みを解決”する」とし、主な商品は「朝イチスッキリ!青汁サラダプラス」、機能性表示食品の「ロコアタックEX」及び「Wの健康青汁」などである。 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一) 《EY》
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化粧品と健康食品、医薬品を製造、販売。スキンケアやメイク、ヘア向け製品、青汁やお茶、漢方薬、生薬等を企画、販売する。ブランド育成に注力。23年9月期は化粧品やヘルスケアが堅調に推移した。通信販売が増加。 記:2024/01/07