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ピクスタ Research Memo(4):『fotowa』は家族・こども写真の出張撮影プラットフォーム

2021/3/15 15:04 FISCO
*15:04JST ピクスタ Research Memo(4):『fotowa』は家族・こども写真の出張撮影プラットフォーム ■事業内容 2. fotowa事業の概要 『fotowa』とは、ピクスタ<3416>が展開する出張撮影プラットフォームのブランドだ。同社が運営する『fotowa』サイト上において、登録フォトグラファー(全国約1,000人:2020年12月末時点)と個人利用者をマッチングさせて、利用者が希望する場所及びシチュエーションにおいて登録フォトグラファーが撮影するサービスである。 『fotowa』が狙うのは、撮り下ろし市場の中でも街中の写真館における撮影の市場だ。この市場は子どもの成長やイベントに合わせた家族写真が主体のため、「子ども写真館市場」とも呼ばれている。この市場は少子化にもかかわらず右肩上りが続いており、足元では約700億円の市場規模があると推定される。出張撮影のニーズは子ども関連にとどまらず、成人からシニア層まで幅広く存在していることから、出張撮影サービスの潜在市場規模は、掘り起こし方次第では子ども写真館市場の規模を大きく上回り、数千億円に達するという見方もある。なお、『fotowa』は出張撮影サービスのトップを走っており、累計撮影件数で約43,000件、口コミ登録数約21,800件と国内最大規模である。 『fotowa』はこの市場において、以下の3つの強みがある。1つ目は「場所を自由に選べるのでナチュラルでおしゃれな写真が期待できること」だ。写真館の撮影は画一的なテイストのフォーマルな写真であることがほとんどだが、『fotowa』は全47都道府県でサービスを提供していることも強みとなっている。2つ目は「わかりやすい一律料金」だ。平日19,800円、土日祝日23,800円(税抜)となっており、登録フォトグラファー指名料や出張料込みのため、追加料金などは発生しない仕組みとなっている。3つ目は「写真データを受け取れること」だ。60分の撮影で、原則75枚以上の写真データが保証されている点も安心だ。 収益モデルはごくシンプルで、同社は既述の撮影料の一部(現状は35%に設定)をコミッションという形で受け取るものとなっている。fotowa事業の売上高にはこのコミッション分が計上されている(いわゆるネット収入の計上ということ)。したがって利益率が非常に高い。 撮影する写真のタイプとしては、近年は、新生児のための“ニューボーンフォト(新生児の誕生時期の写真)”が第2の柱として成長してきた。新生児の誕生は1年を通じて安定していることから、『fotowa』の最大需要である七五三(10月~11月頃に該当)以外にも需要が見込める点も強みとなる。また、ニューボーンフォトを経験した顧客層は、その後のお宮参りや誕生日などでリピーターとなる傾向が明確に出ているもようで、この点でもポテンシャルの高い需要分野として期待される。 2020年12月期の業績では、緊急事態宣言中の出張撮影自粛により、第2四半期の撮影件数が1,562件(前年同期比34.0%減)と落ち込んだものの、第3四半期以降は成長軌道に回帰している。 『Snapmart』は、スマホ写真のマーケットプレイス・SNSビジュアルマーケティングを展開。企業のリクエストに応える「アンバサダープラン」の引き合いが増加 3. Snapmart事業の概要 『Snapmart』は『PIXTA』同様、デジタル素材のマーケットプレイスである。異なるのは、スマートフォン経由で投稿される写真を専門に取り扱っている点だ。『Snapmart』の写真素材は日常的なテイストのものが多く、企業の広告や日常をレポートするSNSなどではそうした点が好まれる。すなわち、SNSに投稿されるような写真が中心の『Snapmart』と、写真愛好家などハイアマチュア作家たちによる投稿が中心の『PIXTA』では、その世界観が大きく異なる。それぞれ2つのマーケットプレイスに明確な違いがあり、そこにすみわけができている。市場環境としては、インスタグラムの普及やSNS広告市場の拡大などを背景に追い風となっている。2020年12月末時点で、投稿クリエイター登録数が約19万人、購入登録者数が約7,700人、素材点数が約400万点に達しており、規模の拡大が続いている。 『Snapmart』の収益モデルは、マーケットプレイスとオンデマンド撮影の2つがある。このうちマーケットプレイスは、基本的には『PIXTA』と同じモデルで、料金だけが異なる。単品と定額制の2タイプある点も『PIXTA』同様だ。 一方でオンデマンド撮影とは、写真の買い手側が能動的に働きかけて写真を購入するための仕組み全般を言う。潜在的には様々なパターンが考えられるが、現状は企業のSNSプロモーション支援を目的に、自社商品のサンプリングやクオリティの高いユーザー撮影による写真素材の大量収集、ユーザー体験の拡散を同時に提供する「アンバサダープラン」と、トップインスタグラマーなど特定のクリエイターに撮影を依頼する「商品撮影サービス」の2つが中心となっている。特に「アンバサダープラン」は消費財大手企業(ネスレ日本(株)、資生堂ジャパン(株)など)やホテル・観光施設、サービス業など様々な業種で利用され、引き合いが増加している。 オンデマンド撮影では、通常の写真販売とは異なり、サイト使用料や仲介手数料という形での課金となるが、写真販売と比べて利益率が高いと弊社では推測している。なお、2020年12月期はこれまでの高成長が鈍化したが、マーケットプレイスは順調に成長したものの、コロナ禍の影響でオンデマンド撮影が低調に推移したことが要因である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《YM》
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デジタル素材マーケットプレイス「PIXTA」の運営を行う。素材点数は約9300万点。出張撮影プラットフォーム「fotowa」の運営等も。PIXTA事業では少量ダウンロードプランの利用ユーザーが増加。 記:2024/06/24