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テノックス Research Memo(1):中期経営計画の成果をバネに収益改善~再成長へ

2021/1/18 15:11 FISCO
*15:11JST テノックス Research Memo(1):中期経営計画の成果をバネに収益改善~再成長へ ■要約 1. 業界のパイオニアとして基礎工事に特化 テノックス<1905>は、杭工事や地盤改良工事など基礎工事に特化した建設事業を行っている。基礎工事は、住宅やマンション、商業施設、道路、鉄道高架橋などを目に見えない地下で支えており、品質が良くて当たり前という施工への信頼が大きな前提になっている。近年、大地震への備えや、大型台風や集中豪雨の頻発を背景にした自然災害への防災意識の高まりなどから、一般の人にも注目される業界になってきた。なかでも同社は、業界のパイオニアとして、中低層建築物向けに広く浸透しているテノコラム工法や、高速道路や鉄道などの土木工事に用いられるガンテツパイル工法を開発するなど、国内有数の技術力と信頼を誇っている。長年培ってきた同社の経験やノウハウは、社会的にも大きな財産と言って過言ではない。 2. 2種類の工事、独自技術、施工品質などに強み 同社は、高架橋などの土木構造物や建築構造物などにおける鋼管杭工事と深層の地盤改良工事を得意としている。様々な構造物や地盤、施主の要望に対し、持ちうる工法や施工ノウハウ、ICT技術を駆使して高品質の基礎工事を提供している。また、請負契約上はゼネコンの下請けだが、最初にして最重要の工程を請け負うため、川上の設計専業者に直接施工方法を提案することもある。このように同社は、独自の技術力、杭工事と地盤改良工事2つの工事手法、設計専業者との直接的なつながり、施工管理装置「VCCS」に代表される施工品質——を強みに、設計から施工まで一貫した体制で臨んでいる。セグメント別業績ではこのような建設事業が大半を占めるが、ほかに土木建築コンサルティング事業や不動産賃貸事業なども行っている。 3. コロナによって浮上した課題を解消する 2021年3月期第2四半期の業績は、売上高7,205百万円(前年同期比19.0%減)、営業利益16百万円(同97.2%減)となった。減収減益は、もともと想定されていた大型物件の一巡と稼働率低下による固定費率の上昇が主因で、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の拡大で競争が激化したことによる工事粗利率の低下の影響がそれに加わった格好である。ところでコロナは、こうした工事粗利率の低下に加え工法ラインアップのさらなる充実という課題を浮上させた。工事粗利率低下に対して同社は、事前段取りの精度向上による原価低減や施工品質向上など高付加価値化で改善させていく考えである。また、工法ラインアップに関しては、M&Aや提携によりコンクリート杭の再強化や杭抜工事への参入などを図り、ワンストップの提案力を強化していく方針である。 4. 2021年3月期下期以降の収益改善~中期成長を期待する 2021年3月期の業績見通しについて、同社は売上高17,700百万円(前期比4.8%減)、営業利益660百万円(同42.1%減)を見込んでいる。下期に大きく業績が改善する予想になっているが、これは、想定通りとはいえ杭工事と地盤改良工事ともに好採算の大型物件を予定しているためである。しかし、中期経営計画の最終年度である2021年3月期の定量目標の達成は、コロナの影響により難しくなった。一方、設備や新技術・装置、M&Aなどの投資が順調に進捗、施工管理装置の現場導入や(株)広島組の子会社化といった形で定性目標が一定の成果をあげ、課題の解消にもつながっているようだ。コロナや人口減少などを背景に受注環境が激変する中、定性目標の成果をバネに収益改善~再成長を目指すことを期待したい。 ■Key Points ・鋼管杭工事や深層地盤改良工事を得意とする基礎工事のパイオニア ・2021年3月期第2四半期の減収減益は端境期とコロナの影響が要因 ・課題解消と中期経営計画の定性目標の成果をバネに収益改善~再成長へつなげる (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《ST》
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基礎工事大手。パイル工事、地盤改良・補強工事、杭打工事など建設工事請負を展開。テノコラム工法など多くの特許工法が強み。北海道新幹線の延伸事業の複数区間で杭工法が採用され拡大。人件費増などをこなす。 記:2024/09/26