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アジア投資 Research Memo(1):メガソーラープロジェクトの売却により通期業績は営業増益を確保する見通し

2020/12/10 15:01 FISCO
*15:01JST アジア投資 Research Memo(1):メガソーラープロジェクトの売却により通期業績は営業増益を確保する見通し ■要約 1. 会社概要 日本アジア投資<8518>は、日本とアジアにまたがる独立系の総合投資会社として、プライベートエクイティ投資(以下、PE投資)や再生可能エネルギー等のプロジェクト投資を手掛けている。1981年に(公社)経済同友会を母体として設立され、豊富な投資経験とブランド、ネットワーク、人材、事業パートナーなどの事業基盤に強みがある。革新的な技術やビジネスモデルを持ち、高い成長力を有するベンチャー企業及び中堅・中小企業等への投資や成長支援を通じて、日本とアジアの両地域における産業活性化や経済連携の拡大などに貢献をしてきた。同社グループが管理運用等を行っているファンド運用残高は16,556百万円(11ファンド)※、同社グループの自己資金及び運用ファンドによる投資残高は14,376百万円となっている(2020年9月末現在)。PE投資については、VC業界を取り巻く環境が変化するなかで、新たなファンド設立に苦戦しており、投資残高も減少傾向にある。ただ、ここ数年はプロジェクト投資に積極的に取り組み、パートナー企業への戦略投資(PE投資)でも成果を上げている。 ※11ファンドのうち、1ファンド(総額1,359百万円)については、2020年3月に設立した稼働済みメガソーラープロジェクトを投資対象とするファンドである。 2. 2021年3月期上期の業績 2021年3月期上期の業績(ファンド連結基準)※は、営業収益が前年同期比7.1%減の1,257百万円、営業損失が179百万円(前年同期は216百万円の損失)となった。 ※同社は2007年3月期より、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」を適用し、同社グループが管理運用する投資事業組合等を連結範囲に加えるファンド連結基準に移行している。ただ、ファンド連結基準は同社以外の外部出資者の持分が含まれていることやファンドごとの財務方針が反映されるところに注意する必要がある。同社では、投資家からの要望に応じて従来連結基準も同時に開示しているが、弊社でも、より実態を示しているとの判断から従来連結基準による分析を行っている。 従来連結基準でも、営業収益が前年同期比21.7%減の541百万円、営業損失が316百万円(前年同期は421百万円の損失)と減収ながら損失幅が縮小した。ただ、期初見込値に対しては、営業収益、利益ともに下回る進捗となっている。営業収益は、予定していた株式売却の期ずれや売却株式の小型化により減収となった。一方、損益面については、他社ファンドからの損失発生や植物工場への先行費用等による影響を受けたものの、利益率の高い上場株式の売却や引当金の戻し入れ、売電を開始したメガソーラープロジェクトの収益貢献等により損失幅は縮小した。また、プロジェクト投資における各事業が順調に立ち上がってきたほか、地域金融機関と連携した中堅中小企業のグローバル化を支援するファンドの新設でも一定の成果を上げることができた。 3. 2021年3月期の業績見通し 同社は、業績予想(ファンド連結基準)について、株式市場等の変動要因による影響が極めて大きく、合理的な業績予想が困難である事業特性であることから公表を行っていない。ただ、2021年3月期については、ある一定の前提を元に策定した「従来連結基準による見込値」を参考情報として開示している。 同社の「従来連結基準による見込値」によれば、営業収益を前期比17.7%増の3,250百万円、営業利益を同31.9%増の350百万円と増収及び営業増益を見込んでいる。期初見込値からの修正はないものの、収益の内訳については一部変更している。すなわち、見込んでいたIPOの一部が延期となったことから、その代わりにメガソーラープロジェクトを売却することにより、通期業績の見込値を達成する想定となっている。なお、株式の売却やプロジェクトの売却の大半は第4四半期に実行する計画であるため、第3四半期までは損失を計上する見込みとなっている。 4. 今後の方向性 同社は、2019年3月期より3ヶ年の中期経営計画を推進しており、最終年度を迎えている。環境変化への対応や課題解決に向けて、投資方針(本体投資分)の抜本的な見直しを行い、収益拡大に向けた足掛かりを築く内容となっている。すなわち、プロジェクト投資(再生可能エネルギー、スマートアグリ、ヘルスケア等)の積み上げにより、安定収益の確保と財務バランスの強化を図るとともに、PE投資(本体投資分)についても、事業テーマに関連するパートナー企業への戦略投資にシフトする方向性と言える。この3年間を第1段階と位置付け、次の第2段階で収益やキャッシュフローの安定化を実現し、更なる成長に向けた投資を拡大するシナリオである。 ■Key Points ・2021年3月期上期の業績(従来連結基準)は株式売却の期ずれ等により計画を下回る進捗 ・プロジェクト投資における各事業は順調に進捗しているほか、中堅中小企業のグローバル化を支援するファンドの新設でも一定の成果 ・2021年3月期の通期業績(従来連結基準)についてはメガソーラープロジェクト売却により増収及び営業増益を見込んでいる(期初見込値を据え置き) ・事業テーマに基づくプロジェクト投資と戦略(PE)投資の組み合わせにより、安定収益の確保と財務バランスの強化を図る方向性 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《NB》
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日本とアジアの中堅・中小企業が投資対象の独立系ベンチャーキャピタル。24.3期3Q累計は株式やプロジェクトの売却が少ない。事業継承ファンドを総額51億円で組成完了。来年2月竣工を目指して物流施設を建設へ。 記:2024/04/12