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サカタインクス Research Memo(6):2020年12月期通期予想を下方修正したが営業増益確保の見込み

2020/10/7 15:46 FISCO
*15:46JST サカタインクス Research Memo(6):2020年12月期通期予想を下方修正したが営業増益確保の見込み ■今後の見通し 1. 2020年12月期連結業績予想の概要 サカタインクス<4633>は2020年12月期通期の連結業績予想を2020年8月7日に下方修正し、売上高が前期比3.3%減の161,800百万円、営業利益が同12.4%増の7,000百万円、経常利益が同8.5%減の6,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同2.1%増の4,200百万円としている。想定為替レートは1米ドル=108円(前期実績は1米ドル=109円05銭)である。 コロナ禍の影響で第2四半期累計の売上高が計画を下回り、さらに営業外損益の悪化で経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益が大幅減益となったことを考慮し、通期予想を下方修正した。ただし、米州と欧州におけるパッケージ用インキの拡販や製品ミックス改善、原材料のグローバル共同購買や原油市況下落による原材料価格の低減効果などで、営業利益は増益を確保する見込みだ。 なお期初時点の予想(売上高171,000百万円、営業利益7,500百万円、経常利益8,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益5,800百万円)に対して、売上高を9,200百万円、営業利益を500百万円、経常利益を2,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を1,600百万円、それぞれ下方修正した。 修正後の営業利益については、コロナ禍の影響やデジタル化の進展などにより、情報メディア向けのインキやデジタル印刷向けインキが低調に推移するものの、パッケージ用インキの底堅い需要並びに原材料や販売管理費などグループ全体でコスト削減を推し進めることで、前期比7.7億円の増益を見込んでいる。なお、原油価格については足元では昨年に比べ低位安定しており、2020年12月期中は原材料安メリットが得られると見込んでいる。 営業利益は回復基調 2. 近年の半期別業績推移 なお半期別(上期、下期)の売上高と営業利益の推移を見ると、2020年12月期上期は売上高がコロナ禍の影響で落ち込む形となったが、営業利益は2018年12月期下期をボトムとして回復基調を維持している。そして2020年12月期下期は売上面で緩やかな回復を見込み、営業利益は製品ミックス改善効果、原材料価格下落効果、グループシナジーによるコスト削減効果などで、2017年12月期下期に近い水準まで回復する見込みだ。 全体として下方修正となるも、米州は拡販の進展で利益上方修正 3. セグメント別動向 2020年12月期通期のセグメント別売上高と営業利益の予想(連結調整前、為替影響排除前)は以下のとおりである。 印刷インキ・機材(日本)は、売上高が前期比4.1%減の49,757百万円、営業利益が同47.2%増の1,210百万円としている。パッケージ関連を中心に下期の緩やかな需要回復を見込むが、印刷情報関連の印刷インキの回復が鈍くなっている。このため、期初予想に対して売上高を下方修正し、通期減収予想とした。営業利益も期初予想に対して下方修正した。しかし、上期と同様に価格改定効果や原材料価格下落を含むコスト削減効果で増益予想としている。 印刷インキ(アジア)は、売上高が前期比6.0%減の33,175百万円、営業利益が同1.7%減の2,378百万円としている。期初時点の増収増益予想から下方修正して減収減益予想とした。パッケージ関連を中心に下期の緩やかな需要回復を見込み、グローバル共同購買による原材料価格低減も推進するとしている。しかし、インドの新聞用インキの回復が鈍く、また、下期のパッケージ用インキの回復でも上期の中国やインドにおける稼働停止の影響をカバーしきれない見込みだ。 印刷インキ(米州)は、売上高が前期比1.6%増の49,554百万円、営業利益が同38.1%増の2,686百万円としている。上期の好調を受けて、期初予想に対して売上高を据え置き、営業利益を上方修正した。下期もパッケージ用インキの拡販を強化する。そして原材料価格低減も寄与する見込みだ。 印刷インキ(欧州)は、売上高が前期比0.3%減の9,764百万円、営業損失が431百万円(前期は985百万円の損失)としている。期初予想に対して若干下方修正した。一方で、パッケージ用インキを中心に拡販を推進し、生産体制再構築や設備増強の効果で、前期比では損失幅が縮小する見込みだ。 機能性材料は、売上高が前期比9.3%減の11,300百万円、営業利益が同61.8%減の354百万円としている。売上高、利益とも期初予想から下方修正した。上期にコロナ禍の影響を大きく受け、下期もインクジェットインキやトナーの回復が鈍い見込みだ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《EY》
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1896年創業の印刷インキメーカー。各種印刷インキ、粉体トナーなどの機能性材料を手掛ける。アルミ缶用インキで世界トップシェア。総還元性向50%以上目指す。パッケージ分野中心に環境配慮型製品を積極展開。 記:2024/07/01