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ホットリンク Research Memo(3):SNSマーケティング支援、DaaS、クロスバウンドの3事業を展開

2020/9/15 15:53 FISCO
*15:53JST ホットリンク Research Memo(3):SNSマーケティング支援、DaaS、クロスバウンドの3事業を展開 ■会社概要 2. 事業内容 ホットリンク<3680>は2020年12月期より事業区分を従来のSaaS事業、ソリューション事業、クロスバウンド事業から、SNSマーケティング支援事業、DaaS事業、クロスバウンド事業と事業主体別に変更している。これは今後の成長に向けた事業戦略として、SNSマーケティング支援事業を主軸に据える方針を2019年に決定し、SaaS事業における新規ツールの開発を停止したことによる。 (1) SNSマーケティング支援事業 ホットリンクで展開する当事業には、国内向けのSNSマーケティング支援サービスと、SNS分析ツール「クチコミ@係長」がある。2020年12月期第2四半期累計の売上構成比ではSNSマーケティング支援サービスが62%、「クチコミ@係長」が38%となっており、今後はSNSマーケティング支援サービスの構成比が上昇する見通しだ。 SNSマーケティング支援事業では、主にTwitterを活用したマーケティング支援サービス(SNS広告代理販売及び運用コンサルティングサービス)を展開している。運用コンサルティングでは、保有するソーシャル・ビッグデータと長年蓄積してきたノウハウや独自メソッドを生かして、顧客企業の商品の認知度拡大や売上アップにつながる施策をTwitterなどで実施している。現状、売上高の大半は広告販売で占められるが利益率は低く、コンサルティングサービスで利益を稼ぐビジネスモデルとなっている。一般的なケースとして、受注単価は1案件当たり数百万円でスタートしている。効果が確認されれば取扱い商材を増やしていくことで、年間取引額で1億円以上に増やしていくことも可能となる。 顧客企業は食品・飲料、美容・コスメ、オンライン学習サイト運営などBtoC企業を中心に幅広い業種にわたっており、企業規模としては売上高で1千億円前後の企業が多い。それ以上の大企業になるとテレビCMなどを利用する企業が多く、大手広告代理店との関係構築が既に出来上がっており、参入するにはハードルが高いためだ。ただ、SNS広告運用のパフォーマンスについては大手広告代理店よりも勝っており、大手自動車メーカーから受注を獲得したケースもある。 SNSを使った効果的なプロモーション施策として、同社はUGC(User Generated Contents、ユーザーが発信する口コミ等のコンテンツ)をいかに増やしていくことができるかが重要と考えており、UGCの発生に伴って起きる一連の消費者の行動購買プロセスを「ULSSAS(ウルサス)」として体系化している。具体的には、起点となるUGC(Twitter上での投稿)に、それを見たフォロワーがLike(いいね!)を付ける。そして、SNS内での検索(Search1)や、Google等の検索エンジンを使って商品を確認し(Search2)、商品を購入(Action)する。その後にTwitter上で拡散(Spread)する。このような一連のプロセスを循環させることで、顧客企業の商品の「売上アップ」を実現していくことになる。 この循環プロセスを効率的に作り上げるには、同社が長年蓄積してきた成功パターンから編み出した独自メソッドが鍵を握っており、他社との差別化要因となっている。例えば、Twitterの情報収集だけでなく、ブログや他の口コミサイトなど様々なデータを組み合わせて分析し、AIによって自動抽出した最適なUGC発信者に対して、プロモーション対象商品の広告を配信している。このため、同社のマーケティング支援サービスは、費用対効果の高いサービスとして注目されておりリピート率も70%以上と高く、「Twitterマーケティング」と言えば「ホットリンク」というブランドを確立している。 一方、SNS分析ツールとなる「クチコミ@係長」の特徴は、国内最大級のソーシャルメディアデータを保有し、トレンド分析や属性分析などを簡単操作、かつリアルタイムに実行できること、また、テレビやWebニュース等とのクロスメディア分析、自社が保有するデータ(アンケート、コールログ等)のテキストマイニングを行うデータインポート分析機能なども実装していることが挙げられる。特に、ソーシャルメディア分析では国内ブログの約90%をカバーしているほか、投稿サイト「5ちゃんねる」の過去データや、全世界のTwitterデータを相手先との契約に基づいてすべて収集するなど、国内では圧倒的なソーシャルメディアデータの保有量を誇っていることが強みとなる。 顧客企業は「クチコミ@係長」を使ってソーシャル・ビッグデータ分析を行い、自社の商品開発や販促活動、競合他社比較等の調査などに利活用している。初期導入費用は10万円、月額利用料は13万円からとなっており、利用可能ID数や対象メディア、データ容量などによって料金が加算される。大口ユーザーでは月額100万円程度となる企業もある。累積導入社数は1,000社以上で、このうち現在の実稼働数は約300社となっている。利用企業の約8割は大企業で、消費財メーカーやサービス、金融機関など幅広い企業に導入されている。 (2) DaaS事業 DaaS事業は、Effyis(ブランド名:Socialgist)がグローバルで展開するソーシャルメディアのデータアクセス権販売事業となる。Twitterを除く世界中の公開型SNS運営会社とソーシャルメディア(ブログ、掲示板、Q&A、レビューサイト等)のデータアクセス権に関する販売契約を締結し、グローバルIT企業(ソーシャル・ビッグデータ分析、マーケティングプラットフォーム、BI等のツールベンダーなど)に販売している。言わば、ソーシャル・ビッグデータの流通企業で世界最大級の企業となる。主要顧客にはセールスフォース・ドットコム<CRM>やIBM<IBM>などのほか、金融機関や政府機関、SaaS事業等を手掛けるベンチャーIT企業など数多くの企業がある。 (3) クロスバウンド事業 子会社のトレンドExpressで展開するクロスバウンド事業は、主にソーシャル・ビッグデータを活用したクロスバウンドの消費動向を分析するレポーティングサービスや2017年より開始した中国市場向けWebプロモーション支援「トレンドPR」、中国市場向けの越境EC支援サービス「越境EC X」などが含まれる。レポーティングサービスでは、訪日外国人の消費動向を分析した定期発行の「中国トレンドExpress」(月額8万円)や、顧客ニーズに合わせたカスタムリサーチサービスを提供している。また、今後の注力分野は中国市場向けのプロモーション支援や越境EC支援サービスとなる。 「トレンドPR」は自社の商品やブランドを中国市場で認知・育成し、売上拡大を目指す企業に対して、費用対効果の高いマーケティング支援を提供するサービスとなる。具体的には、同社が強みとする中国市場でのソーシャル・ビッグデータ分析に基づき、最適なマーケティング施策の企画・立案、実行(中国人に刺さるネット記事の作成や最適なWebメディアへの露出等)と、その後の効果測定や改善提案までPDCAサイクルを回す。このような形で中国市場での販売拡大を支援していくサービスである。顧客側から見ればデータがすべて可視化できるため、費用対効果が明確となり、プロモーション施策のための予算を組みやすくなるといったメリットがある。1案件(PDCAサイクル1回転分)当たりの料金は様々だが、平均で300~500万円程度となる。顧客は化粧品や日用品、ヘルスケア商品などのBtoC企業が多い。 一方、「越境EC X」は大手ECサイトの「Taobao」内に出店する有力店舗や有力KOLの個人店舗のほか、約7千万人のユーザーを抱える。日中間のソーシャルバイヤー約45万店舗をネットワーク化している「微店」などと提携し、これらのネットワークを使って販売プロモーションを行い、効率的に中国市場での認知度を向上させ、商品の販売増を実現していくサービスとなる。集客から販売、物流、カスタマーサポートまでをワンストップで提供し、対象となる商品の販売額に応じた成果報酬を得るビジネスモデルとなっていることが特徴だ。このため、プロモーション期間中に対象商品が爆発的にヒットした場合には、収益への貢献度が大きくなる可能性がある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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時価総額 4,313百万円
SNS広告・SNS運用コンサルやSNSデータアクセス権の販売等を行うソーシャルメディアマーケティング支援事業、Web3関連事業を展開。SNS広告・SNS運用コンサルは順調。DaaS事業は新規開拓等で堅調。 記:2024/06/24