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サカタインクス Research Memo(1):積極的な投資による成長加速、環境配慮型高機能製品の拡販で中期成長

2020/7/9 15:41 FISCO
*15:41JST サカタインクス Research Memo(1):積極的な投資による成長加速、環境配慮型高機能製品の拡販で中期成長 ■要約 サカタインクス<4633>は世界3位の大手印刷インキメーカーである。1896年の創業以来、120年以上の歴史の中で培われた環境配慮型高機能・高付加価値製品の開発力・品ぞろえ・高シェア、及び製品の高い信頼性・品質力を強みとしている。そしてインキの開発・生産で培ってきた基盤技術を機能性材料事業に応用展開している。環境配慮型高機能・高付加価値製品の拡販、積極的な設備投資、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組み強化などで中期成長が期待される。 1. パッケージ印刷用インキを主力にグローバル展開 パッケージ印刷用インキ(段ボールや紙器など紙パッケージ印刷用、食品・化粧品・トイレタリー製品・日用品などフィルムパッケージ印刷用、飲料缶など金属缶印刷用など)を主力として、日本及び海外合わせて18の国・地域に印刷用インキ製造・販売拠点をグローバル展開している。グローバル展開の加速や環境配慮型高機能・高付加価値製品の拡販によって、市場拡大・開拓余地の大きいアジア及び米州が収益柱に成長している。 2. 2020年12月期第1四半期は増収増益 2020年12月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比0.2%増の41,269百万円、営業利益が同20.1%増の1,908百万円、経常利益が同40.4%減の1,118百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同40.2%減の654百万円だった。新型コロナウイルス感染症の影響により、印刷情報関連の印刷インキの販売低調や中国の工場稼働停止などがマイナス要因だったが、欧米を中心にパッケージ関連の印刷インキの拡販や、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出抑制で食品パッケージの需要が高まったことなどにより、全体として増収増益だった。経常利益はブラジルレアルやインドネシアルピアなどの現地通貨安の進行により多額の為替差損が発生したことなどから減益だった。 3. 2020年12月期は増益予想 2020年2月14日に発表した2020年12月期の通期連結業績予想の変更はなく、売上高が前期比2.2%増の171,000百万円、営業利益が同20.5%増の7,500百万円、経常利益が同20.2%増の8,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同40.9%増の5,800百万円としている。事業拡大に伴って人件費や減価償却費が増加するが、販売数量増加、販売価格改定、製品ミックス改善、コスト削減などで増益予想としている。一方で、感染が拡大している新型コロナウイルスの影響については、外出抑制に伴う食料品の需要の高まりにより食品パッケージ用インキの需要は高いものの、各種イベントなど相次ぐ中止に伴う広告需要の減少や全体的な個人消費の縮小、また各国政府による企業活動の抑制・工場停止要請などの影響により、生産と販売に影響が出ており、先行きが見通せない状況である。なお、会社発表の業績予想については、この影響について織り込んでいない。 4. 環境配慮型高機能製品の拡販などで中期成長期待 印刷用インキ市場では世界的に環境配慮型高機能製品へシフトする流れが強まり、その市場拡大・開拓余地は大きい。同社は環境配慮型高機能・高付加価値製品の開発・品ぞろえ・高シェアが強みであり、先行してグローバル展開した実績や各国の地域特性に合わせて製品投入するノウハウも豊富だ。2020年12月期を最終年度とする現中期経営計画では、成長戦略にコア事業である印刷インキ事業及び機能性材料事業の拡大、コア事業で培った技術の応用展開による新規事業創出の推進を掲げている。目標値の達成は難しくなったが、この反省も踏まえて次期中期経営計画の目標値を設定するようだ。グローバル展開の加速と環境配慮型高機能製品の拡販をベースとする事業戦略に大きな変化はないだろう。新規事業創出も寄与して中期成長が期待される。 5. 連結配当性向20%~30%目安、株主優待制度は毎年12月末の株主対象 連結配当性向は20%前後から30%前後の範囲を目安としている。この基本方針に基づいて2020年12月期の配当予想は前期と同額の1株当たり年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。予想配当性向は30.2%となる。株主優待制度は毎年12月31日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有期間に応じてQUOカードを贈呈している。 ■Key Points ・世界3位の大手印刷インキメーカーでパッケージ印刷用インキが主力 ・2020年12月期通期は増益予想 ・グローバル展開の加速と環境配慮型高機能製品の拡販で中期成長期待 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《EY》
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時価総額 83,804百万円
大手インキメーカー。新聞やパッケージ印刷に強みを持つ。アジアや北米でも事業を展開する。エレクトロニクスや環境などの非インキ分野にも注力する。23年12月期はインキや機能性材料等が増加した。為替も寄与した。 記:2024/02/23