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ステップ Research Memo(2):質の高い学習指導に定評、神奈川県内の公立トップ高校で圧倒的な合格実績を誇る

2020/6/15 16:02 FISCO
*16:02JST ステップ Research Memo(2):質の高い学習指導に定評、神奈川県内の公立トップ高校で圧倒的な合格実績を誇る ■ステップ<9795>の会社概要 1. 事業内容 小中学生、現役高校生向けを対象とした学習塾「STEP」を神奈川県内で運営。創業は1975年で、2016年3月より新たに学童保育部門「STEPキッズ」(小学1~4年生)を開始している。2020年4月末時点で、小中学生部門132スクール(うち22スクールはハイレベルな指導を行うHi-STEP)、高校生部門15校、個別指導部門1校、学童保育部門3校の合計151校を展開している。生徒総数もスクールの新設とともに年々増加しており、2020年4月末時点で2.6万人超となっている。売上高の80.5%を小中学生部門で占めており、県内の公立進学高校トップ19校の合格者数では他塾を圧倒する実績を誇り、その指導力の高さと堅実経営に定評がある。 2. 同社の特徴と強み 同社の特徴と強みは、「教師のプロ化による質の高い学習指導」「ドミナント展開と口コミ情報による効果的なマーケティング戦略」「高い収益性・安定性」に集約することができる。 (1) 教師のプロ化による質の高い学習指導 同社は「教師は学習指導のプロでなければならない」との考え方のもと、教師を正社員化し、授業内容の専門化・高技術化に努め、その学習指導力によって高い進学実績を積み上げ成長基盤としてきた。2020年3月末時点における全教師数682名のうち正社員教師は657名で、そのほか専任講師18名、非常勤講師7名(うち4名は英語科ネイティブ講師)の構成となっており、正社員率で96.3%、専任比率では99.0%に達するなど、ほぼ100%がプロの教師と呼べる指導体制となっている。同業他社では、大学生や大学院生などアルバイト講師を採用しているケースも多いが、同社は個別指導部門を除き、学生アルバイトは一切採用していない。また、教師が生徒獲得のための勧誘活動(電話勧誘やポスティングなど)を行うこともなく、学習指導に専念できる体制を整えていることも特徴となっている。 各教師においては「日々指導技術の研鑽を怠らず、一人ひとりの生徒と向き合い、学力向上に真摯に取り組んでいく」ことを基本方針として、研修活動なども定期的に行いながらスキルアップに努めている。具体的には、新人・2年目研修を毎週水曜日に4時間実施しているほか、地域別研修を毎週金曜日に2時間半、必要に応じてフォローアップ研修を毎週火曜日に2時間実施し、教務力の向上に努めている。 こうした教師のプロ化による質の高い学習指導によって、2020年春の高校入試では神奈川県内の公立高校トップ19校で2,183名(前年比83名減)の合格者を輩出、うち15校(前年は14校)で塾別の最多合格者数を出している。また、2020年より公立トップ高校を中心に19校で特色検査※(記述型)が実施され(前年は10校)、このうち15校(同8校)で塾別最多合格者数を出すなど、特色検査対策でも圧倒的な実績を誇っており、神奈川県内の公立トップ校を目指す学習塾としてのブランド力がさらに強固なものとなっている。学習指導の質の高さもさることながら、過去入試問題の分析・対策能力や適確な進学指導力なども高い合格実績につながっている。県内の競合大手としては、湘南ゼミナール、臨海セミナーなどがあるが、いずれも公立トップ19校の合格者数では、同社の半分以下の水準となっている。さらに、STEP生の通学圏内で男女共学校として最難関と位置付けられる東京学芸大附属高校(国立)への合格実績でも、正規合格80名(外部進学生。同校の正規合格者総数200名のうち40%)と、12年連続で全塾中トップの合格者を出している。 ※特色検査:神奈川県公立高校受験において、共通試験や面接とは別に行う教科横断型の学力検査のこと。主に進学校が導入しており、試験内容は、問題を解決する思考力・判断力・表現力や創造力などを把握するための記述型中心の試験。 一方、現役高校生向けの高校生部門に関しても、難関大学の合格者実績が着実に増加傾向にある。2020年春の国公立大学への合格者数が196名(前年比28名増)、早慶上智大学が256名(同11名減)、MARCH及び東京理科大の合格者数が1,148名(同25名増)で、延べ合計で1,600名(同42名増)となっている。高校生部門については、2020年度の入試改革の準備に注力し、その成果として各専門科目の教師陣の層が厚くなり、「部活動などの高校生活の充実と志望大学への現役合格の両立」を目指す同社の教育方針が成果に結び付いてきたと言える。 また、合格実績が上がってきた要因として、チューター制度が機能していることも挙げられる。チューターとは、高校生の学習や進路、悩みなどの相談を受け、個々人に合わせた学習計画や合理的な受験作戦を提案するなど的確なアドバイスを行うスタッフのことを指す。同社では高校部の各校舎に専任のチューターを1校当たり2~5名配属している。チューターと積極的にコミュニケーションを取る生徒も年々増加傾向にあり、難関大学への合格実績アップにつながっているようだ。同社はチューターの機能を、小中学生部門の校舎でも導入し始めており、校舎で窓口業務とチューターの機能を果たすスクールキャストと呼ばれる正社員スタッフを増員している。 (2) ドミナント戦略と口コミ情報を活用したマーケティング戦略 同社は県内の湘南地区や中西部において既に揺るぎないブランド力と業界シェアを確立しており、今後は競争激戦区である横浜北部や東部、川崎市で教室数を展開し、シェアを拡大していく方針を打ち出している。教室の展開は、地域集中型のドミナント戦略を基本としている。また、生徒の募集活動に関して過大な広告宣伝費をかけずに、生徒やその保護者による口コミ情報を基本に据えていることが特徴の1つとなっている(一部折込チラシを活用)。このため、同社の広告宣伝費率(対売上比)は業界平均を大きく下回っているが、これは同社の教育サービスに対する生徒・保護者からの高い評価の裏返しとも言える。 (3) 高収益性・安定性 3つ目の特徴としては、業界の中でも高い収益性を誇り、かつ抜群の収益安定性を兼ね備えていることが挙げられる。この要因としては、広告宣伝費率の低さに加えて、進学塾としての圧倒的なブランド力や高い顧客満足度により入塾を希望する生徒が多く、教室当たり平均生徒数が高水準で安定していること、校舎の開設も教師の育成に合わせて、年間で4~5校と無理のないペースで進めていること、事業を学習塾に特化しているため本社機能がスリム化されていること、などが挙げられる。教室によっては定員に達し、募集を止めている教室もあるほどだ。 顧客満足度の客観的評価としては、2019年のオリコン顧客満足度(R)調査において、「小学生 集団塾 首都圏」ランキングで4年連続1位、「高校受験 集団塾 首都圏」ランキングで3年連続1位、「大学受験 塾・予備校 現役 首都圏」ランキングで2年連続1位をそれぞれ獲得し、またイード・アワード顧客満足度調査でも「中学生/集団指導」ランキング、「高校生・大学受験生/集団指導」ランキングで共に総合満足度1位の「最優秀賞」に選ばれており、実際に塾に通う生徒や保護者から高い評価を受けていることがうかがわれる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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神奈川県内で学習塾「STEP」を展開。県内公立トップ高校の合格実績に強み。24.9期1Qは塾生総数が順調に増え、販管費増をこなす。下期は前期計上の学習環境整備費用が一巡の見込み。通期増収増益・増配を計画。 記:2024/03/10