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Jトラスト Research Memo(4):日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業を中心に業績は回復基調(2)

2020/6/15 15:24 FISCO
*15:24JST Jトラスト Research Memo(4):日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業を中心に業績は回復基調(2) ■Jトラスト<8508>の業績動向 (2) 韓国及びモンゴル金融事業 韓国では、ソウルを中心に貯蓄銀行業とリース業、債権回収事業を展開し、市場環境に合わせた柔軟かつ迅速な対応により利益の最大化を図っている。中核のJT親愛貯蓄銀行とJT貯蓄銀行に加えて、リース業のJTキャピタルやサービサー事業のTA資産管理(以下、TAアセット)を保有する。さらに、2018年5月にはモンゴルのファイナンス会社現JトラストクレジットNBFIを子会社化している。同社グループでは、日本でのオペレーションノウハウを活用し、これまでに確立した事業基盤を有機的に連携することで、韓国及びモンゴル金融事業をグループにとっての重要な収益の柱の1つと位置付けている。韓国の金融規制強化にも柔軟に対応し、「量」より「質」を重視して、バランスの取れたリスクリターンを目標にしている。 2020年12月期第1四半期の韓国及びモンゴル金融事業は、新型コロナウイルス感染拡大の特殊要因下でも前年同期とほぼ同水準の収益を確保した。営業収益は9,501百万円と通期業績予想の24%、営業利益も2,188百万円と同予想の37%に達し、セグメント別で最大の利益を稼ぎ出すことで、日本金融事業と並んでグループ業績を下支えしている。また、営業利益率も安定推移している。 韓国では、2015年3月期までのM&Aなどにより総合金融グループとしての事業基盤を確立した。同社グループが日本国内で培った審査力・回収力・マーケティング力などのオペレーションノウハウは、韓国での金融事業における大きな成果につながっている。新規に貯蓄銀行のライセンスを取得し、2012年に営業を開始したJT親愛貯蓄銀行(株)は、2年半程で通期黒字化に成功した。 JT親愛貯蓄銀行とJT貯蓄銀行(株)の店舗網は韓国全土の70%をカバーし、2行合算の資産規模は韓国貯蓄銀行中でトップ3に位置する。JT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行及びJTキャピタルの3社合計貸出資産残高は2020年3月には3,403億円に達している。一方、90日以上延滞債権率は2016年6月の4.49%から2020年3月には3.55%に低下している。引き続き債権の「質」を重視し、安定した貸出資産の維持に努める方針だ。 韓国では、金融当局により段階的に貸出上限金利の引き下げが行われている。2016年3月には上限金利が34.9%から27.9%に引き下げられ、2018年2月にはさらに24.0%に引き下げられた。将来的には20%近くまで低下する見通しだ。こうした規制環境変化のなか、同社グループでは、リスクの低い中・低金利帯の債権を大きく伸ばし、規制強化の影響の小さい大企業向け融資や優良な融資案件を増やすなど、先手を打った戦略を展開している。すなわち、債権の質を重視した貸出を目指し、貸出金利の低下分は中金利帯を中心とする貸出残高の拡大と与信コストの減少によりカバーする方針だ。実際、クレジットスコアシステムにマシーンラーニング機能を追加し、精度の高い与信を提供して不良債権化を防いでいる。また、質の高い顧客層を取り込むためのマーケティング活動やブランド戦略も実施している。こうした取り組みによって、上限金利規制強化のなかでも高い利益率を計上している。 一方、サービサー事業のTAアセットでは、2019年12月期に不良債権市場の高騰を背景に約2,800億ウォン(約264億円)の債権を売却し、営業利益192億ウォン(約18億円)を計上することで、グループ全体の業績に大きく貢献した。この結果、2019年12月期末に保有する請求債権残高は33億円まで減少したが、今後は市場動向を見ながら不良債権購入を検討する方針だ。不良債権投資・回収は同社グループが最も得意とする事業であり、TAアセットは業界内でもメジャーなプレイヤーとして認知されているようだ。今後も高い回収力を背景に事業を推進し、グループ収益に貢献すると見られる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《YM》
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日本保証、Jトラストグローバル証券、グローベルス、JT親愛貯蓄銀行、Jトラスト銀行インドネシア等を傘下に持つ持株会社。Jトラスト銀行インドネシアは貸出残高の増強に注力。不動産事業ではブランド認知向上図る。 記:2024/08/01