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エルテス Research Memo(1):2020年2月期は増収増益。新型コロナウイルス感染症対応のソリューション提供

2020/5/20 15:01 FISCO
*15:01JST エルテス Research Memo(1):2020年2月期は増収増益。新型コロナウイルス感染症対応のソリューション提供 ■要約 エルテス<3967>は、「次々と現れる新たなデジタルリスクに立ち向かい、デジタルリスクを解決すること」をミッションに掲げ、リスク検知に特化したビッグデータ解析ソリューションを展開している。主力の「ソーシャルリスクサービス」は、SNSやブログ、検索サイトなどWeb上の様々なメディアに起因するリスクに対するソリューションを提供するものである。インターネットの普及やデジタルデバイスの進化により、利便性の向上と引き換えに様々なリスク(従業員による不適切投稿等に伴う風評被害やネット炎上等)が顕在化するなか、ソーシャルメディアの監視から緊急対応、その後の対応まで、顧客のリスクマネジメントをワンストップで支援する独自のポジショニングにより成長を実現してきた。最近では、企業内のログデータを対象として情報漏えいなどを検知する「内部脅威検知サービス」も着実に伸びている。 独自のデータ解析技術に加え、他社に先駆けて蓄積してきた教師データ(リスク事例)やコンサルティング力に強みがあり、有力ブランドを持つ大手企業を中心に年間400社以上(延べ1,000社以上)の取引実績を誇る。また、需要拡大が予想される「AIセキュリティ事業」のほか、新たな社会インフラとして注目されている「情報銀行」や「電子政府」の実現に向けた新規事業の開発に取り組むとともに、足元では新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、新たなソリューションの提供も開始している。 1. 2020年2月期決算の概要 2020年2月期の連結業績は、売上高が前期比18.6%増の1,963百万円、営業利益が同378.7%増の186百万円と計画を上回る大幅な増収増益(過去最高業績)となった。顧客数の拡大等により「デジタルリスク事業」が好調に推移。外部要因(リスク認識の高まり)及び内部要因(社員増に伴う体制強化など)を背景として、とりわけ契約継続率の高い「リスクモニタリングサービス」の積み上げが業績の伸びをけん引した。また、「その他事業」についても、「AIセキュリティ事業」における新サービスの開始や新規事業の一部収益化により、小規模ながらも大きく伸びている。損益面では、人件費や広告宣伝費の増加、新規事業開発のための営業費用等が増加したものの、増収効果や業務効率化の推進により大幅な営業増益を実現した。また、定性面においても、業務提携の締結やM&Aの実現、新サービスの開発などにおいて大きな成果を残している。 2. 2021年2月期の業績予想 2021年2月期の連結業績について同社は、売上高を前期比6.9%増の2,100百万円、営業利益を同73.2%減の50百万円と増収ながら減益を見込んでいる。売上高は、引き続き「デジタルリスク事業」の伸びが増収に寄与する見通しである。ただ、増収率がやや緩やかなのは、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を保守的に見ていることが理由である。また、損益面では、AI化による効率化やコスト削減を進めるものの、人材強化や広告宣伝費の積極投入、事業基盤の整備(テレワークやデジタルトランスフォーメーションの推進)、新規事業開発など、今後の成長を見据えた先行費用の拡大により減益となる想定である。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、イベント関連や外食企業など一部クライアントによる業績悪化を理由とした解約(契約継続の中断)が懸念される一方、既述のとおり、その対策に向けた独自のソリューション(従業員感染リスク管理プラットフォーム「feve(フィーヴ)」)の提供を開始するなど、にわかに顕在化した社会課題の解決にも取り組む方針である。 3. 成長戦略 これからもIoTやブロックチェーン、仮想通貨、自動運転など、新しいテクノロジーが出るたびに新たなデジタルリスクの発生が予想されるが、それらのデジタルリスクに対応する形で事業領域の拡張を目指す方向性である。加えて、デジタルリスクから派生する新たな社会課題(テロ対策、電子政府化、金融犯罪対策等)の解決にも貢献していく方針である。 弊社では、デジタル化の進展に伴う新たなリスク対策ニーズの拡大に加えて、今回の新型コロナウイルス感染症拡大がデジタル化の流れを一気に加速させる可能性が見込まれるなかで、他社に先行して優位性を構築してきた同社にとって、中長期的にも高い成長率を持続することは可能であると見ている。 ■Key Points ・2020年2月期は顧客数の拡大等により計画を上回る増収増益(過去最高業績)を実現 ・業務提携の締結やM&Aの実現、社員増による体制強化などでも大きな成果を残す ・2021年2月期は増収ながら今後の成長を見据えた先行費用により減益を見込む ・新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、従業員感染リスク管理プラットフォーム「feve」の提供を開始 ・今後もテクノロジーの発展に伴う様々なデジタルリスクに対応する形で事業領域の拡張を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《YM》
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時価総額 3,916百万円
Webリスクモニタリングや内部脅威検知サービス等のデジタルリスク事業、DX推進事業、警備管制DXシステム等のAIセキュリティ事業を展開。内部脅威検知サービスのID数は大幅増。27.2期売上100億円目標。 記:2024/06/07