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アウトソシング Research Memo(8):新中期経営計画「VISION2024」を公表
2020/4/23 15:38
FISCO
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*15:38JST アウトソシング Research Memo(8):新中期経営計画「VISION2024」を公表 ■今後の方向性 1.新中期経営計画の公表(1年前倒し策定) アウトソーシング<
2427
>は、新たな中期経営計画「VISION2024」(5ヶ年)を1年前倒しで公表した。タイトルに掲げる「Change the GAME」には、法律やKPIが変わるなかにおいて、人材ビジネスのgame changer(変革者)となり、プラットフォームの構築を通じてフィービジネス拡大に向けた事業体への変化を実現する方向性が示されている。 (1) 1年前倒しで策定した背景 これまで推進してきた中期経営計画(VISION2020)の策定時点(2016年)では想定できなかった環境変化により、世界の人材サービスビジネスは新たなステージに入ってきており、中長期計画に対するKPIが大きく変わってきたことへの対応や、今後進むべきビジョンを共有するところに狙いがある。すなわち、1)世界各国で急速に進行する「働き方改革」や「労働法の改正」により、これまでのビジネスモデルが陳腐化している反面、新たなビジネスチャンスが発生していること、2)想定を上回るスピードでのAIやRPA等のテクノロジーの普及により、同社グループの事業の一部で省人化を提案する等、これまでとは真逆な展開が見られることなどにより、早急な戦略見直しが必要であったことが背景となっている。 (2) 計数目標 以下に掲げる5つの重点施策の推進によりビジネスモデルの更なる進化を図るととともに、環境変化を見据えた抜本的な変革にも取り組みながら、5つの事業をそれぞれ伸ばしていく計画である。最終年度となる2024年12月期の業績目標として、売上収益8,200億円(5年間の平均成長率17.8%)、営業利益650億円(同33.2%)を掲げている。なお、プラットフォーム(フィー)ビジネスは、売上収益へのインパクトは大きくないものの、利益率の向上には大きく貢献するところにも着目したい。しがたって、最終年度の営業利益率が7.9%(2019年12月期は4.3%)に大きく改善するのは、先端エンジニアの活用等による付加価値の向上に加え、収益性の高いプラットフォームの構築によるところが大きいと考えられる。また、財務目標としてROE25%以上、自己資本比率30%以上、配当性向30%以上を掲げており、成長投資と株主還元のバランスを図りながら、財務の健全性を維持しつつ、資本効率を高めていく方針である。 2. 今後の重点施策 (1) 海外就労者サポートサービスの拡大 国内労働人口の減少や、それに対する政府施策(新たな在留資格の創設※など)に対応するため、テクノロジーを活用したサポートメニューの拡充を図り、これまでの技能実習生をターゲットにした戦略から、すべての在留外国人をターゲットとする戦略に転換。それに伴って、対象市場規模が50万名(技能実習生)から310万名(すべての在留外国人)に拡大するため、同社のサポート人数の計画(2024年度)も10万名から30万名に修正するとともに、関連する営業利益60億円を目指していく。なお、拡充するサポートメニューには、海外送金、SIM、年金脱退一時金、航空券、口座開設、住居、生活関連等を予定。PEOスキームによる拡大戦略からの転換を進める「国内製造系アウトソーシング」をはじめ、観光分野の強化に取り組む「国内サービス系アウトソーシング」、グローバルな人材流動化スキームを展開する「海外サービス系」に関わる戦略軸の1つとして位置付けられる。特に、後述する「WBBプラットフォーム」の基盤(入口)になるものとして捉えることができる。 ※政府は5年後までに最大34万人の受け入れを表明している。 (2) エンジニアとテクノロジーを融合したモデル「派遣2.0」による効率化・省人化 多くの先進国で技術者不足が深刻化するとともに、ロボットやAI活用による業務の効率化・省人化ニーズが拡大するなかで、RPAやAI等の先端テクノロジーとエンジニアをセットで供給し、業務の効率化を運用までサポートする「派遣2.0」モデルを推進する。それによって、先端エンジニアの派遣による単価向上を目指すとともに、これまでの技術職派遣領域から、自動化傾向の高い一般派遣領域への進出により、事業拡大と収益性の向上を目指していく※。また、先端技術の確保に向けては、他社とのアライアンス戦略を積極的に活用していく方針である。「国内技術系アウトソーシング」及び「海外技術系」に関わる戦略軸として位置付けられる。そのうち、「国内技術系アウトソーシング」では、既存事業の拡大に加え、「派遣2.0」による一般派遣領域への進出及び単価向上により、2024年12月期の売上収益2,600億円、営業利益260億円(営業利益率10%)を目指す計画。同期派遣の技術者数(外勤社員数)は38,500名(そのうち、「派遣2.0」モデルによる先端技術者数は4,000名)を予定している。 ※例えば、これまで10名の事務員派遣で成り立っていた業務に対して、同社グループによるロボット+エンジニアのセット派遣を併用することにより、事務員派遣は3名でこなすことが可能となり、結果として派遣先のトータルコストを引き下げることができるスキームとなっている。同社にとっても、新たな領域(一般派遣領域)へ進出するとともに、単価の高い先端エンジニアの効率的な活用を図ることができる。 (3) 業績の平準化につながる米軍施設向け事業や政府公共系ビジネスの更なる拡大 これまで同様、景気の影響を受けない米軍施設向け事業の拡大のほか、景気の影響を受けにくい公共系事業や物流系eコマース関連事業をグローバルに拡大していく。特に、米軍施設向け事業については、進出済みの沖縄及びグアム基地に対して、IT等の技術領域へのサービス拡大を図るとともに、予算規模の大きい米国や欧州等、グローバルへの進出にも取り組む方針であり、2024年12月期の計画として売上収益500億円を目指している。また、公共系事業については、英国の債権回収スキームをグローバルに展開する考えである。「国内サービス系アウトソーシング」「海外サービス系」「海外技術系」に関わる戦略軸として位置付けられる。 (4) 世界で増える人口をチャンスに変えるためのグローバル人材流動化ネットワークの確立 引き続き、労働力が逼迫する国の人口が減少し、労働力が豊富な国の人口が増加する労働力需給ギャップに着眼し、グローバル人材流動化ネットワークの確立を目指す。特に、欧州、アジア・南米、北米の3拠点を「ハブ」として、景気や環境の変化に対応していく方針。2024年12月期のグループの全雇用人数計画167,000名に対して、流動化人材の雇用数26,500名(約16%)を計画している。グループ全体に関わる戦略軸として位置付けられる。 (5) 人材ストックビジネスからの脱却を目指したWBBプラットフォームの構築 同社を取り巻く事業環境の変化を見据えた人材ストック型成長戦略の見直し並びに世界の労働環境の変化に合わせたインフラの必要性を踏まえ、両課題の解決に向けたWBB※プラットフォームの構築とフィービジネスモデルの強化を目指す。すなわち、国をまたぐ雇用を希望する求職者及び求人者が「安心」かつ「安全」に利用できるプラットフォームを通じて、国際送金や旅券手配、言語教育、コールセンター、給与支払事務、生活サポートなどの各種サービスを提供していく計画だ。フィービジネスでの2024年12月期の営業利益60億円を目指す。売上収益へのインパクトよりも、収益性の高い事業として注目される。グループ全体に関わる戦略軸として位置付けられる。 ※「Working Beyond Borders」の略。「はたらく」に国境をなくすという意味が込められている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《ST》
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製造業向け人材派遣・業務請負が柱。M&Aを活用して国内外で事業拡大。昨年12月に発表したMBOの一環として米投資ファンドのベインが1株1755円でTOB実施。今年3月にTOBが成立し、同社株は上場廃止へ。 記:2024/04/10
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