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ブイキューブ Research Memo(1):テレワークの普及拡大を追い風に業績は本格成長期に入る見通し

2020/4/14 15:01 FISCO
*15:01JST ブイキューブ Research Memo(1):テレワークの普及拡大を追い風に業績は本格成長期に入る見通し ■要約 ブイキューブ<3681>は、Web会議やWebセミナーなどオンラインによるビジュアルコミュニケーションサービスを展開する国内最大手。主要サービスの「V-CUBE」は法人企業や教育機関、官公庁など累計で5,000社以上の導入実績を有し、Web会議サービス(SaaS+オンプレミス)市場で2019年まで13年連続トップシェアを維持している。また、2017年にはテレワークに最適な作業空間となる個室型スマートワークブース「テレキューブ」の販売を開始し、新たな収益柱として育成を進めている。 1. 2019年12月期の業績概要 2019年12月期の連結業績は売上高で前期比19.9%減の6,369百万円、営業損失で284百万円(前期は345百万円の利益)となった。2018年12月期第4四半期に電子黒板サービス事業を売却したほか、2019年12月期第1四半期末で子会社のアイスタディ<2345>を連結対象から除外するなど事業の選択と集中を進めたことで減収となったものの、既存事業ベースで見ると「テレキューブ」やテレビ会議システム「V-CUBE Box」の販売好調により、前期比10.6%増収となった。一方、営業利益は既存事業ベースでも252百万円の損失となり、前期比406百万円の減益となった。主な要因は、「テレキューブ」の認知度向上に向けたマス広告費用(257百万円)を投下したこと、ロイヤルティ費用の一括計上(238百万円)、クラウド型サービスの収益認識基準変更による利益減(123百万円)などいずれも一時的な要因によるものとなっている。 2. 2020年12月期業績見通し 2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比13.6%増の7,237百万円、営業利益で500百万円と2期ぶりの黒字転換を見込む。「テレキューブ」が企業向けだけでなく、駅や商業施設など公共空間向けに本格拡大するほか、製薬業界向けWeb講演会や自治体向けを中心とした緊急対策・災害対策ソリューションなど用途特化型サービスの売上拡大を見込んでいる。なお直近では、新型コロナウイルスの感染拡大によりテレワークへの関心が高まっており、業界トップの同社に対して問い合わせが急増している状況にある。2020年3月に東京都が発表した「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」制度を活用した中堅・中小企業の利用も今後増加する見通しであることから、業績は会社計画を上振れする可能性が高いと弊社では見ている。同社は社内目標として売上高78億円、営業利益9億円を掲げており、今後の需要動向次第では達成も視野に入ってくるものと思われる。 3. 成長戦略 同社は今後の成長戦略として、潜在的なポテンシャルが大きい用途特化型サービス(製薬業界向けWeb講演会、映像組み込みSDK(ソフトウェア開発キット)等)や「テレキューブ」の拡販に注力していく。特に「テレキューブ」に関しては、2019年12月期末の設置台数384台(うち企業用319台、公共空間向け65台)に対して、2020年12月期は企業向けで500~1,000台、公共空間向けで200~400台の販売を計画している。売上高は2019年12月期の496百万円から2020年12月期は1,064~1,664百万円と2倍以上の増加を見込んでおり、中期的にも高成長が期待される事業として注目される。一方、競争が激しい「V-CUBEミーティング」「V-CUBE セミナー」においては、解約率の防止とアップセルに取り組むことで事業規模の維持・拡大を目指していく。テレワークの普及拡大により、同社の業績も今後、本格的な成長ステージに入るものと予想される。 ■Key Points ・テレワークで日本を変える映像コミュニケーションの総合ソリューションプロバイダーを目指す ・テレワーク市場の本格的な立ち上がりを追い風に、2020年12月期の業績は大幅増収増益となる見通し ・「テレキューブ」及び用途特化型映像コミュニケーションサービスの拡販とアップセル施策により収益成長を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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