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昭和産 Research Memo(3):4つの穀物をプラットフォームとして、製粉、油脂などの事業を展開

2019/12/24 15:03 FISCO
*15:03JST 昭和産 Research Memo(3):4つの穀物をプラットフォームとして、製粉、油脂などの事業を展開 ■昭和産業<2004>の事業概要 同社グループは、小麦・大豆・菜種・トウモロコシの4つの穀物を国内食品メーカーの中で唯一取扱う企業であり、この4つの穀物をプラットフォームとして、製粉、油脂食品、糖質、飼料、倉庫、不動産などの事業を展開している。事業セグメントによる売上比率は、業務用約9割、家庭用約1割となる。 1. 製粉事業 製粉事業では、パン、ケーキ、麺類などの用途に合わせた各種小麦粉(国産小麦粉、パン用粉、フランスパン用粉、全粒粉、菓子用粉、一般食品用粉、中華麺・皮用粉、日本麺用粉、そばつなぎ用粉、麺用打ち粉、パスタ用粉、加熱小麦粉)やユーザーのニーズに対応したプレミックス(ケーキドーナツミックス、洋風スナックミックス、和風スナックミックスなど、小麦粉にでん粉や糖類、油脂などを配合したもの)を製造販売している。 小麦は需要量の約9割を外国から輸入している。国内産小麦は民間流通により取引されており、国内産小麦では量的または質的に満たせない需要分について、政府が国家貿易により外国産小麦を計画的に輸入している。輸入小麦の政府売渡価格は、輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)に、マークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格となる。 2. 油脂食品事業 油脂食品事業の業務用では、大豆白絞油やサラダ油を始め、天ぷら、フライ、ドーナツなど様々な料理に適した専用油、機能性を追求した油、健康を訴求したプレミアムオイルなど、多彩なラインアップを誇る。また、環境に配慮したバッグインボックスやピロータイプの製品や、小型貯油タンクを設置し定期的に油脂を配送するミニタンクシステムなど、メーカーの作業性向上にも寄与している。原料大豆から油分を取り出した脱脂大豆は、飼料用途だけでなく、食品用途にも使われており、高い評価を得ている。 家庭用では、大豆、菜種を原材料とするサラダ油を始め、キャノーラ油、べに花油など各種植物油を販売している。また、近年の健康志向に対応し、オリーブオイルやべに花油以上にオレイン酸を多く含む健康応援ひまわり油「オレインリッチ」を販売している。小麦粉・プレミックスでは、様々な用途に対応する薄力、中力、強力の各種小麦粉に加えて、「昭和天ぷら粉」、「天ぷら粉黄金」の各種天ぷら粉や「お好み焼粉」、「から揚げ粉」、「ホットケーキミックス」など、利便性とおいしさを兼ね備えたプレミックスを取り扱っている。なお、「ホットケーキミックス」においては、森永製菓<2201>を抜いて、生産量はトップである。また、「おいしく焼ける魔法のお好み焼粉」、「おいしく焼ける魔法のたこ焼粉」等の魔法シリーズが好評だ。その他、パスタ類では、「蒟蒻効果」(グルコマンナン入りパスタ)も好評を得ている。栄養素をバランスよく補える健康食品では、玄米の10倍のビタミンEが摂取できる炊飯用はいが油カプセル「お釜にポン」を始め、ビフィズス菌増殖効果によって厚生省から「特定保健用食品」の表示許可されたイソマルトオリゴ糖シロップ「オリゴタイム」をラインアップしている。 3. 糖質事業 糖質事業では、トウモロコシを原料としたコーンスターチを始め、コーンスターチを酵素などで分解することによって得られるぶどう糖や異性化糖、水あめ、イソマルトオリゴ糖などの糖化製品及び加工でん粉製品の製造・販売を行っている。コーンスターチは汎用性が高く、ビールや練製品などの食品分野から、製紙・段ボールなどの工業品分野まで幅広く利用される。また、様々な起源のでん粉を様々な方法で加工し、その性質を改良することで新たな特性を付与した加工でん粉は、冷凍食品やレトルト食品など、各種加工食品の品質改良に利用されている。異性化糖は甘味が強く、かつ冷たいと相対的に甘味が増すため、主に清涼飲料・乳性飲料などに使用されている。水あめは、各種食品の甘味調整やコク味・ボディー感の付与、水分保持作用などの機能があり、菓子・パン・乳製品・餡・ジャムなどに使用され、分解度の低い水あめやそれを噴霧乾燥した粉あめは、経腸栄養剤や介護食などの分野でも注目されている。 4. 飼料事業 飼料事業では、自社の製粉・製油・糖質工場から発生するふすまや脱脂大豆などの副原料を有効活用し、最新の飼料栄養成分、原料組み合わせに基づいて、養鶏用(採卵鶏、ブロイラー)、養豚用、乳牛・肉牛用、養魚用などの配合飼料、きのこ菌床栽培用栄養体の製造・販売を行う。機能性飼料であるイソマルトオリゴ糖混合飼料は、腸内の善玉菌であるビフィズス菌などを活性化させ、サルモネラ菌などの悪玉菌の抑制効果を持ち、消化吸収の改善や感染抵抗力を強化する作用がある。 5. 倉庫事業 倉庫事業では、鹿島・神戸・船橋の3工場を合わせて合計36.5万トンを収容できる大型サイロを備えており、鹿島・神戸の両工場にはパナマックス級大型穀物船が接岸できるバースも完備している。いずれも優れた立地条件にあり、各工場で効率の良い輸入穀物の保管・荷役を行っている。また、アンローダー(船から穀物を吸い上げる設備)により船から吸上げされた穀物はサイロに保管され、品質を最善に管理し、各工場と穀物原料使用メーカーへ供給している。 6. 不動産事業 不動産事業では、同社グループが保有する不動産を有効活用し、商業施設の開発や事務所用・商業用ビル、物流用建物、事業用土地の賃貸などを行っている。東京都千代田区の本社ビル「鎌倉河岸ビル」、埼玉県上尾市のショッピングセンター「ショーサンプラザ」及びスポーツクラブをキーテナントとする「ショーサン上尾ビル」、千葉県市川市の商業用ビル「本八幡ビル」、神奈川県横浜市の物流センターなど幅広い不動産を運営する。 7. その他 保険代理業、自動車等リース業、運輸業等を手掛けている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一) 《MH》
関連銘柄 2件
2004 東証プライム
3,205
7/4 10:22
+10(%)
時価総額 108,922百万円
小麦粉や植物油、コーンスターチなど食品事業が主力。昭和天ぷら粉など定番商品多数。飼料事業、植物工場なども。食品事業は大幅増益。製粉カテゴリは価格改定効果などで売上増。24.3期3Q累計は収益伸長。 記:2024/04/17
2201 東証プライム
2,537
7/4 10:44
+21(%)
時価総額 238,275百万円
大手菓子メーカー。菓子でロングセラー商品を多数持つ。冷菓では独創性のある商品を提供。菓子食品事業は収益伸長。キャンディカテゴリーは売上好調。24.3期3Q累計は2桁増収増益。通期業績予想を上方修正。 記:2024/04/16