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スカラ Research Memo(8):2020年6月期の業績見通しは非開示だが、既存事業は2ケタ増収増益が続く見通し

2019/9/25 15:18 FISCO
*15:18JST スカラ Research Memo(8):2020年6月期の業績見通しは非開示だが、既存事業は2ケタ増収増益が続く見通し ■今後の見通し 1. 2020年6月期の業績見通し スカラ<4845>は中期経営計画の中で2020年6月期以降、新規事業を展開していく方針を明らかにしており、これら新規事業の影響が大きいことから2020年6月期業績予想については非開示としている。ただし、既存事業については売上収益で前期比16.9%増の20,000百万円、営業利益で同11.4%増の2,400百万円を計画している。事業セグメント別で見てもすべての事業セグメントで増収増益を見込んでいる。 (1) SaaS/ASP事業 SaaS/ASP事業については引き続き主力サービスとなる「iシリーズ」や、電話からWebサービスへの誘導を簡易にした「IVR+SMS」サービス、企業のニーズからオーダーメイド型でWebシステムを構築する「Webサービス」等の販売に注力し、月額固定売上の積み上げを図るとともに、新サービスの「i-livechat」や「i-assist」「i-gift」等の導入拡大、クロスセルの取り組みに注力し、2ケタ増収増益を目指す。レオコネクトとの共同提案による光通信グループ及びその代理店の顧客開拓も継続していく方針だ。光通信グループの企業数は200~300社、代理店など非出資企業も含めると全国で数千社あるとみられ、これらが同社の有力な見込み顧客となる。また、新たな取り組みとしてAIベースの自然言語解析を取り入れた価値創造総合アドバイザリーとセットで提案し、経営トップの理解の下、AI/IoTの設計・導入・運用までをワンストップで提供するサービスにも注力していく。 (2) SFA事業 SFA事業は10%台の増収増益を見込んでいる。2019年4月に「働き方改革関連法」が施行されたことにより、大企業で残業時間の上限が設けられたが、2020年4月以降は中小企業も運用対象となる。中小企業は大企業より人材不足が深刻なため、営業部門の生産性向上に寄与する「eセールスマネージャー」の需要は一段と拡大していくものと予想される。なお、ソフトブレーンでは2018年より、中小企業向けをターゲットとしたセルフサーブ型の「eセールスマネージャーRemix MS」の販売を開始し、ユーザーニーズを収集しつつUIの改善や機能の見直しを進めてきたが、ようやく完成形に近づいたことから、2020年以降本格的に拡販していく予定となっており、その動向が注目される。 (3) フィールドマーケティング事業 フィールドマーケティング事業も10%台の増収増益を見込む。主要顧客である消費財メーカーでは、人材不足もあって販促業務の外注化が進んでいる。特に、地方都市などでの人材不足は深刻化しており、全国に約9万人のフィールドスタッフのネットワークを構築している同社にとっては、引き続き追い風になると見られる。また、BtoB向けの営業代行業務についてもキャッシュレス決済システムの店舗、宿泊施設等への導入等、新たな案件が増えてきており、収益増に貢献するものと期待される。 また、新規サービスとして消費者のレシート情報を購買理由などの付加情報も付けて収集、データベース化し、企業に販売するPOB(Pont of Buy)事業を育成している。現在、POS情報データが普及しているが、同データは購買理由や消費者の属性までは不明なため、こうした付加情報を加えることで収益化することが可能と見ている。規模としては月間300万枚の収集体制の構築を目標としており、会員基盤を持つ企業と提携してネットワークを広げていくことで事業基盤を構築していく方針となっている。当面の目標として2019年内に100万枚を目指している。 (4) カスタマーサポート事業 カスタマーサポート事業は売上収益を横ばい、利益率の上昇により増益を見込んでいる。光通信グループ各社の顧客に対するインバウンドコールセンター業務の受託を継続していくとともに、同社のコールセンター向け各種SaaS/ASPサービス(「IVR+SMS」「i-assist」等)の導入を進めることで生産性向上を図り、収益性の向上を目指している。また、SaaS/ASPサービスを利用している顧客企業向けのカスタマーサポート業務の受託についても取り組んでいく方針だ。さらに、顧客ニーズを反映したクラウド型基幹システムの新規開発を現在、スカラコミュニケーションズと共同で進めているが、既に複数社への導入が予定されており、2020年6月期の業績に貢献する見込みとなっている。今後についても、AI/IoT技術を活用しながら業務の効率化を実現する新たなサービスの開発、提供に注力していく方針で、将来的には営業利益率で10%を目標としている。 (5) その他 EC事業に関しては2020年6月期も2ケタ成長が続く見通しだ。ECサイト「遊々亭」をさらに伸ばすため、スマートフォンアプリ版の開発に着手したほか、トレーディングカードの海外からの買取りも開始した。今後も取扱ゲームタイトル数の拡充やゲーム攻略情報のタイムリーな提供も行いながら、トレーディングカードゲームユーザーが最も集まるECサイトとして、事業拡大を目指している。なお、plubeでは物流、システム、販売、買取り、マーケティング等のECサイトの運営に必要となるプロセスをすべて自社で構築しており、今後グループでEC事業を展開していく際には、同社のノウハウを生かしていく予定にしている。 一方、システム開発及び出版事業についてはソフトブレーングループの中でも積極的な事業拡大は考えていないため、前期並みの水準で見込んでいる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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