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Jオイル Research Memo(1):最重点施策の高付加価値品が好調。2020年3月期は2ケタ営業増益を目指す

2019/9/6 15:01 FISCO
*15:01JST Jオイル Research Memo(1):最重点施策の高付加価値品が好調。2020年3月期は2ケタ営業増益を目指す ■要約 J-オイルミルズ<2613>は、(株)ホーネンコーポレーション、味の素製油(株)、吉原製油(株)の3社が統合して設立された油脂メーカー大手である。大豆など輸入原料を国内で搾油し、国内で油脂・油糧製品を製造販売する油脂事業を主力としている。ほかにマーガリンや粉末油脂などの油脂加工品事業、スターチや化成品などの食品・ファイン事業も展開している。同社の強みは、統合した3社がそれぞれに培ってきたノウハウや技術にあり、味の素製油は油脂のおいしさの研究や「AJINOMOTO」ブランドによる高い認知度、ホーネンコーポレーションは原料を使い切る取り組みや業務用における強固な営業基盤、吉原製油は油種のバラエティや顧客に対する課題解決力が強みとなっている。同社は、こうした各社の強みとシナジーを生かした事業戦略を展開している。 事業戦略の中心は成長戦略と構造改革だが、同社は第五期中期経営計画(2017年度−2020年度)の中で特に成長に力点を置いている。人口減少などで数量の増加を期待しづらい国内では、そのための最重点施策として、油脂などの高付加価値化の拡大と業務用におけるソリューション事業の強化を推進している。同社は、家庭用では需要が増しているオリーブオイルやプレミアムオイルなどを販売、業務用としては長持ち油「長調得徳(R)」やプロのための調味油「J-OILPRO(R)」シリーズといった調理場の課題を解消する商品の販売に注力している。このように同社は、高付加価値化とソリューションをバネに、「あぶら」を究めることでおいしさを創造する「おいしさデザイン企業」への進化を図っている。 2020年3月期第1四半期の業績は、売上高45,895百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益1,903百万円(同3.1%増)となった。原料相場やミール相場が低位で推移するなか、高付加価値品の販売を強化したことなどにより、減収ながら営業増益を確保した。事業戦略の進捗は順調で、特に最重点施策の高付加価値品については、家庭用においてオリーブオイルの用途拡大や香味油や調味油の分野での新商品投入、業務用では「長調得徳(R)」や「J-OILPRO」での新シリーズ投入など着実に拡大を進めている。2020年3月期目標の高付加価値品売上高48,500百万円(前期比10.5%増)、粗利益13,910百万円(同20.3%増)へ向かって第1四半期は順調な滑り出しとなったが、さらに秋季シリーズとして新商品を続々投入する予定である。 2020年3月期業績見通しについて、同社は売上高190,000百万円(前期比1.7%増)、営業利益6,500百万円(同14.8%増)を見込んでいる。油脂コストの上昇や物流費の増加を、販売価格の改定や高付加価値品の販売強化、広告費の抑制などでカバーし、2ケタ営業増益を達成する計画になっている。各事業とも引き続き第五期中期経営計画の事業戦略に沿って成長戦略と構造改革を展開していく方針で、油脂事業で高付加価値品の拡大や汎用品の収益改善、油脂加工品事業で製菓・製パン領域の強化や粉末油脂の拡大、食品・ファイン事業ではソリューション提案の強化やSOYシートの拡大、ケミカルの強化——を推進する計画である。 ■Key Points ・統合3社の強みを生かした油脂メーカー大手 ・高付加価値品の拡大など成長戦略を展開 ・2020年3月期は2ケタ営業増益を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《YM》
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味の素製油、ホーネンコーポレーション、吉原製油の経営統合で誕生。家庭用油脂、業務用油脂、ミールの製造・加工・販売等を行う。国内業務用食用油の販売量シェアは約4割。油脂汎用品の価格適正化などに取り組む。 記:2024/10/20