マーケット
5/8 15:15
38,202.37
-632.73
38,884.26
+31.99
暗号資産
FISCO BTC Index
5/9 4:23:43
9,680,565
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

Jオイル Research Memo(3):独自技術を生かした商品を展開

2019/7/9 15:23 FISCO
*15:23JST Jオイル Research Memo(3):独自技術を生かした商品を展開 ■事業概要 1. 事業内容 J-オイルミルズ<2613>は国内で搾油し、国内で油脂・油糧製品を製造販売することを主力事業としている。油脂汎用品の需要は安定しているが、大きく伸びず横ばいであった。これは、少子高齢化や女性の社会進出などによる需要構造の変化が理由と考えられる。加えて、原料を輸入に依存しているため、大豆相場や菜種相場、為替相場といった海外市況の変動が収益に影響を与える構造になっている。このため同社は、統合した3社がそれぞれに培ってきたノウハウや技術をもとに、「あぶら」の持つ価値や可能性を広げ、調理、健康、調味といった様々な機能の高付加価値化を徹底的に追求することで、収益性と成長性を志向することになった。なお、売上高のセグメント別構成比(2019年3月期)は油脂事業84.8%、油脂加工品事業6.8%、食品・ファイン事業7.5%、その他0.8%となっている※。 ※用途別には、家庭用(植物油とマーガリン)、業務用(植物油とタンパク質、スターチ、その他)、油糧(ミール)の3つに分けることができる。 (1) 油脂事業 油脂事業では、様々な用途に使われるサラダ油やキャノーラ油などベーシックオイルから、調理や調味、健康といった様々な領域で使うことのできる高付加価値品まで幅広く品ぞろえしている。消費者や顧客企業に対し、安心・安全を基本に、「油を良い状態で使っていただく」「油で美味しく」「油で健康に」という3つの軸で貢献することを目指していることが、品ぞろえの幅になって表れていると言える。油脂事業の用途別売上高構成比(2019年3月期)は家庭用17%、業務用55%、油糧28%となっており、業務用に強いという同社の特徴が分かる。 a) 家庭用油脂 「AJINOMOTO」ブランドで有名な家庭用油脂では、国内オリーブオイル市場のリーディングブランド「AJINOMOTO®オリーブオイル」や栄養機能食品「AJINOMOTO®さらさら®キャノーラ油健康プラス」、特定保健用食品「AJINOMOTO®健康サララ®」など、消費者のおいしい料理づくりと健康づくりに役立つ商品を各種取りそろえている。また、本格的な料理を手軽に味わうことができる香味油や調味油も充実させており、2019年春季新商品として「AJINOMOTO®から揚げの日の油」を新たにラインアップに加えた。 b) 業務用油脂 市場シェア40%を誇る業務用油脂では、独自技術により酸化を抑制するなど長持ち効果がある「長調得徳®」シリーズをリニューアルし、さらに長時間使用できる新商品を投入した。また「J-OILPRO®プロのための調味油」シリーズのラインナップに、強い直火で焼いた香ばしさと焼くことによる旨みを増強した、肉メニュー用の「J-OILPRO®プロのための調味油グリルオイル」や、ミルクのような贅沢な香りとコクの「J-OILPRO® プレミアバターフレーバーオイル」を新たに追加している。 c) 油糧(ミール) 大豆や菜種などの原料を搾油処理した後の搾り粕(ミール)は、良質なたんぱく質や糖質を多く含んでいる。このため、配合飼料の原料に活用されている。大豆などと同様に大豆ミールにも国際相場があるため、外部環境の影響を受ける。 (2) 油脂加工品事業 油脂加工品事業では、マーガリンやショートニング、粉末の油脂などを取り扱っている。固体・粉体の油脂には液体の油脂にない様々な機能と商品化の可能性があり、同社は長年にわたって独自の技術を蓄積するとともに機能を生かしたユニークな商品を創出、顧客のニーズやウォンツに対して提案を続けている。 a) マーガリン・ショートニング 家庭用マーガリンでは、長く好評を得ている「ラーマ」ブランドの商品を販売している。業務用マーガリンでは、製菓・製パン分野における顧客の課題解決に向けた提案を強化しており、独自のフレーバー技術でバター風味を実現した「マイスター」や、バターコンパウンドマーガリンの「グランマスター®」シリーズの商品などを展開している。なお、2019年に入って、オーストリアBackaldrin社のミックス粉の輸入販売を開始した。Backaldrin社のミックス粉は健康や安心といったニーズにフィットした商品であることから、製菓・製パン分野でのソリューション提案に積極的に取り入れていく方針である。 b) 粉末油脂 粉末油脂は、油でありながら粉ものや水への分散性に優れる上、乳化食品のため油のおいしさと水溶性のおいしさを併せ持つユニークな商品である。現在は主にコーヒー用クリーマーやスープに活用されている。液状油脂で長年培ってきた独自技術を活かした商品開発に取り組んでいる。 (3) 食品・ファイン事業 食品・ファイン事業は、原料から出る粕や微量成分の持つ効果に着目した事業である。食品分野以外も含めて、食感改良材等様々な加工食品に使われるスターチのほか、住宅建材などの接着剤等が主力のケミカル、ビタミンK2やイソフラボンといった素材など、生活全般に役立つ様々な商品を開発し販売している。 a) スターチ 同社は、トウモロコシやタピオカ由来のでん粉をベースに、同社独自の高機能加工を施した加工でん粉に注力している。加工でん粉は、惣菜や畜肉商品、米飯、麺類などに幅広く利用され、ジューシー感、食感改良など様々なおいしさを加えることができている。 b) ケミカル 同社の合成樹脂接着剤・塗料は、環境に配慮した製品として、住宅建材から家具など生活必需品に至るまで様々な場面で使用されている。同社の製品が持つ機能はスギやヒノキなどの国産材の有効利用の一端を担っており、国産材利用の増加に合わせて伸長している。 C) 大豆シート(まめのり) 大豆たんぱくをベースに作られた薄くてしなやかなシート状の新たな料理素材で、様々な料理を巻いたり包んだり、自由自在な使い方ができる。密着性に優れ料理の風味を生かすことができるため、和・洋・中を問わず、新しいメニュー作りやオリジナリティあふれる盛り付けに利用することができる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《YM》
関連銘柄 1件
2613 東証プライム
1,973
5/8 15:00
-2(%)
時価総額 66,111百万円
食用油脂で国内2位。業務用に強み。ミールや油脂加工品なども。24.3期は食用油脂の販売重量が振るわず。だが価格改定進展。ミールの販価上昇も貢献し、計画を上回る利益改善に。通期利益計画を上方修正。増配予定。 記:2024/01/17