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ベルトラ Research Memo(4):国内、グローバル規模で旅行業界にとって追い風の状況

2019/6/26 15:34 FISCO
*15:34JST ベルトラ Research Memo(4):国内、グローバル規模で旅行業界にとって追い風の状況 ■事業環境 1. オンライン化を積極的に進める ベルトラ<7048>の事業環境については、追い風の状況である。国連世界観光機関(UNWTO)が1月に発表した2018年の国際観光到着客数は前年比6%増の14億人に達した。UNWTOが2010年に発表した長期予測では、2020年に14億人に達成すると予測しており、これを2年前倒しで達したことになる。また、日本政府観光局(JNTO) による訪日外客数・出国日本人数統計では、2018年の訪日外客数は3,119万人となり、1,000万人に乗せた2013年からわずか6年で3倍超に増加。大手旅行会社JTBグループが実施した旅行見通しでは2019年の3,550万人、政府が定めた2020年の目標値4,000万人が射程圏内である。なお、政府見通しについては、2030年には6,000万人とする目標値を定めている。出国日本人数においては、2018年に1,895万人と、2012年の1,849万人を超えてきている。JTBによる2019年の見通しは、1,910万人となる。 また、同社の事業領域である旅ナカ消費のオンライン化は20%程度となる。旅行前・旅行中ではホテルや旅行会社での販売、旅行中では現地で直接、といったオフライン化が80%程度である。オンライン化を積極的に進めることにより、成長余地性は高いと考えられる。 2. 2019年4月の出国日本人数は前年同月比22.8%の伸び なお、日本政府観光局(JNTO)発表による2019年1月−4月の訪日外客数・出国日本人数の月次推移において、訪日外客数は前年同月比で1月+7.5%、2月+3.8%、3月+5.8%、4月+0.9%に対して、出国日本人数は前年同月比で1月+2.0%、2月+10.4%、3月+6.8%、4月に至っては+22.8%と大きく伸びている。同社の売上げの90%超を占める主力の海外旅行部門は、主に日本人の海外旅行向けのサービスを提供していることもあり、出国日本人数の伸びは同社の成長への追い風となるだろう。 3. 国際的イベント相次ぎ体験型ツアーの需要増加見込む 2019年は新天皇陛下の即位関連の行事により、ゴールデンウィーク10連休があったほか、8月は3連休が1回、9月は3連休が2回となる。また、2019年の年末から2020年の年始も最長で9連休となる。企業による働き方改革の推進によって、休暇も取りやすい環境が進められており、旅行需要の伸びが期待される。大型イベントでは、9月20日~11月2日にアジア初となる「ラグビーワールドカップ2019日本大会」が開催されることも追い風である。ワールドカップの観客動員数は2015年のイングランド開催が247万人、2018年のロシア開催が300万人であった。44日間にわたって開催されることもあり、インバウンドの影響は大きいだろう。また、「ラグビーワールドカップ2015 イングランド大会」において、日本代表は南アフリカに勝利するなど、日本代表の活躍に注目が集まり、認知度が高まっている。しかしながら、他のスポーツとの比較では未だに認知度は依然低いほか、スポーツ観戦は旅先でも鑑賞できるため、出国日本人数の減少といった影響は限定的と考えられる。 2020年に入ると東京オリンピック(7月24日~8月9日)が一大イベントとなる。その後も2021年にワールドマスターズゲーム(5月14日~30日)が大阪で開催されるほか、2025年には大阪万博(5月3日~11月3日)が控えている。国際的なイベントが続くことによって多くの外国人が日本を訪れることになるが、コト消費需要が増加傾向にあることからみても、同社の体験型ツアーの需要増加が見込めるだろう。 一方で、読みにくいところでは、2020年の東京オリンピック(7月24日~8月9日)である。日本開催となる東京オリンピックではチケット申し込みが殺到するなど、直接観戦したいといったニーズが高く、これにより日本人の出国者数に影響を与える可能性がある。特に繁忙期の夏に開催されることもあって、来期についてはやや慎重な見通しを立てているのが現状だろう。とはいえ、個人旅行においては高価格帯のシーズン等を避けて、現地でのアクティビティを満喫するといった動きがみられていることもあり、オリンピックを避けての分散型よって、需要自体が減少するといった動きは考えづらいとみられる。また、オリンピックなど世界イベントについては、イベント後にその国の認知度が上がることで、旅行需要・訪日外客数が増加する傾向にある。 4. 人口減少の影響を考慮しても成長は可能 先行きとしては、少子高齢化といった人口減少の中で旅行者数の減少が警戒されやすいところであるが、同社社長の二木氏による見解としては、海外渡航数についても人口減少によって減るとはみていない。エアラインではLCCなど低価格のサービスが増えている。旅行コストの大半がエアラインであったため、低価格サービスによって手頃になることで、海外需要はまだ伸びるとの見解を示している。 また、例えば韓国では2人に1人が海外旅行を経験しており、パスポート保有率は70%となる。一方で日本は25%程度の保有率と言われており、まだ75%のマーケットがある。仮に70%となったとしても倍であり、人口減少の影響を考慮しても成長は可能である。また、世代とともに物品の欲求は減り、体験物などコト消費に移っていることも同社の需要の伸びにつながる。戦争やテロといったものを除いては、マーケットはポジティブとみている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一) 《YM》
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時価総額 12,479百万円
国内外の現地体験型オプショナルツアー専門のオンライン予約サイト「VELTRA」の運営を行う。約8000社の催行会社と直接契約。1.9万点超の幅広いラインナップが強み。テレビCMでブランド認知度の向上図る。 記:2024/09/03