マーケット
7/2 10:33
39,870.27
+239.21
39,169.52
+50.66
暗号資産
FISCO BTC Index
7/2 10:53:17
10,178,131
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

東都水産 Research Memo(4):あらゆる水産物を世界各地から集荷

2019/6/17 15:14 FISCO
*15:14JST 東都水産 Research Memo(4):あらゆる水産物を世界各地から集荷 ■事業概要と近年の取り組み 東都水産<8038>の主要事業は卸売市場で生鮮・加工水産物の受託・買付販売を行う水産物卸売事業で、関連する事業として冷蔵倉庫業及びその関連事業(水産物の製造加工含む)、不動産賃貸事業を行っている。2019年3月期の売上高構成比は水産物卸売事業93.1%、冷蔵倉庫業及びその関連事業6.4%、不動産賃貸事業0.5%で、営業利益の構成比はそれぞれ40.6%、42.8%、16.6%、営業利益率は0.5%、7.7%、37.0%となっている。祖業で社会性は高いが収益性の低い水産物卸売事業に対し、採算の良い関連事業によって利益のポートフォリオバランスをとっていると言うことができる。 豊洲移転を機に取扱数量の維持拡大と収益性の向上を目指す 1. 水産物卸売事業と取り組み (1) 水産物卸売事業 農林水産省と東京都から豊洲市場の卸売業者として認可を受け、国内全域、世界各地から集荷した生鮮・冷凍魚介類及び水産加工品を、仲卸業者や売買参加者などに販売している。同社の水産物卸売事業は大きく大物部、鮮魚部など5つに分けられる。大物部では、最高級と言われる本マグロをはじめ多種のマグロを集荷・販売している。生鮮マグロは鮮度が保たれた状態で、冷凍マグロは船内で瞬時に冷凍された状態で国内外から入荷する。主な取扱品は本マグロ、インドマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、カジキマグロなど生鮮・冷凍マグロ全般である。なお、子会社で水産物卸売事業を行っているのは(株)埼玉県魚市場、千葉魚類(株)、川越水産市場(株)の3社である。 鮮魚部は日本近海や世界各国から集荷された鮮魚・養殖魚などを扱っている。取り扱う魚種は多岐にわたり、近年は技術の発達により良質な養殖魚が増えている。また、鮮度保持が命で、多彩な魚種を手際良く扱う技術とノウハウが必要である。主な取扱品は鮮魚ではタイ、ヒラメ、アジ、サバ、イカ、イワシ、タコ、カツオ、ブリ、キンメ、秋鮭、ワラサ、サワラ、カレイ、サンマ、カニ、タラなど。養殖魚ではタイ、ハマチ、カンパチ、サーモン、ヒラメなどである。 特種部で扱う水産物は、寿司屋や料理屋のケースに並ぶウニやアワビ、活魚など業務用高級魚がメインである。このため熟練した目利きと商品知識が要求される。グルメブームによる需要の増加に伴い急拡大している分野で、海外からの輸入も増加している。主な取扱品のうち業務用高級魚介類はフグ、タイ、ヒラメ、ウニ、エビ、カニなどで、貝類ではカキ、アワビ、平貝、ミル貝、赤貝、北寄貝など。活魚はタイ、ヒラメ、カンパチ、ハマチなどである。 加工品部では幅広い種類の干物・練製品・合物を扱っている。品種は、鮮魚と加工品の間に位置するサンマやアジの開きなどの合物、シラス・煮干しなどの干魚、かまぼこ・おでん種などの練物、ウナギの蒲焼など多種にわたり、このためすべての商品に対応できる知識と柔軟な営業スタイルが必要となる。主な取扱品のうち加工品はかまぼこ、ちくわ、惣菜など、合物はウナギ、干物(アジ、サンマ、カマス、イカ、サバ)など、干魚はシラス、煮干し、干スルメ、ワカメ、シシャモなどである。 冷凍塩魚部では冷凍品から伝統的な塩蔵品まで扱っており、多種多様の魚卵類や魚介類を集荷し販売している。発達した冷凍技術を駆使することで、日本近海のみならず世界各地に広がった産地から安定供給することも可能になった。主な取扱品は、冷凍品がサケ、マス、ギンダラ、赤魚、サバ、エビ、カニ、イカ、タコなど、塩蔵品がサケ、マス、身欠きニシン、数の子、イクラ、タラコ、筋子などである。 ほかに、海外事業部では世界の漁場で目利きした本物の味を輸入する一方、世界に広がる寿司ブームなど魚ビジネスに向けて輸出を行っている。また、スーパーマーケットや水産物専門の量販店などへ季節や旬に合わせた商品供給やプロモーションを行い、テレビショッピングなどの通販会社への商品供給も行っている(加工品部に統合されたが業務内容は変わらない)。 (2) 水産物卸売事業の取り組み 開放型の築地市場から、高機能・高床・閉鎖型で衛生管理や温度管理が徹底された豊洲市場への移転を機に、豊洲市場の機能を最大限活用できるよう、同社は集荷活動を強化している。水産物の卸売市場の経由率が下がっている(1980年85.5%→2015年52.1%:農林水産省ホームページ)反面、引き続き増加傾向にある市場外流通へ営業を強化し、取扱数量の維持拡大を狙う。生鮮品は価格のアップダウンがあり、部門間の収益性にばらつきがあることから、部門ごとにミッションを定め利益管理を強化、全部門で収益性向上を目指す。市場外流通の増加により収益性が低下する部門もあるが、市場外流通に精通した外部人材を登用してテコ入れを図っている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《YM》
関連銘柄 1件
8038 東証スタンダード
6,630
7/2 9:00
+70(%)
時価総額 26,692百万円
水産物卸。生鮮・冷凍魚介類、水産加工品の販売を手掛ける。冷蔵倉庫や不動産賃貸も事業領域。冷蔵倉庫及びその関連事業は伸び悩む。水産物卸売事業は取扱数量が増加。24.3期3Qは増収。通期業績予想を上方修正。 記:2024/04/13