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ワコム Research Memo(1):新中計の初年度は着実な立ち上がり

2019/6/6 16:31 FISCO
*16:31JST ワコム Research Memo(1):新中計の初年度は着実な立ち上がり ■要約 ワコム<6727>はペンタブレットの世界トップメーカー。クリエイターを対象とする市場では高い世界シェアを誇る。自社ブランドでペンタブレット製品を販売するブランド製品事業と、デジタルペンやタブレットのコンポーネントを完成品メーカー向けにOEM供給するテクノロジーソリューション事業の2セグメントで事業を展開している。 1. テクノロジーソリューション事業の好調と経費コントロールにより増収増益で着地 同社の2019年3月期決算は、売上高89,499百万円(前期比8.8%増)、営業利益4,152百万円(同17.7%増)と増収増益で着地した。ブランド製品事業は競争環境の変化の影響で減収減益だったが、テクノロジーソリューション事業の増収増益や販管費の最適化などのコストコントロールの徹底によりそれを吸収し、全社ベースでは事前の予想を着実に上回った。 2. 新中計『Wacom Chapter 2』の初年度は着実な立ち上り。今後の進捗に引き続き注目 同社は2019年3月期~2022年3月期の4か年中計『Wacom Chapter 2』に取り組んでいる。テクノロジーカンパニーとしての原点に立ち返って成長を目指すというのがメインのコンセプトで、その実現のために1)Technology Leadership、 2)Island & Ocean、 3)Extreme Focusの3つの全社戦略を掲げて臨んでいる。初年度の2019年3月期は、個々の領域・テーマについては順調な進捗を確認できたものも多く、上述の堅調な決算につながった。しかしまだまだ道半ばのテーマや課題も多く残されており、今後の進捗が待たれる状況だ。 3. 2020年3月期は連続増収増益を予想。ブランド製品事業の再強化が鍵 2020年3月期について同社は、売上高93,000百万円(前期比3.9%増)、営業利益5,200百万円(同25.2%増)と連続増収増益を計画している。上述の『Wacom Chapter 2』の進捗もあり、課題に直面し前期減収減益だったブランド製品事業については改めて増収増益の計画で臨んでいる。2019年1-3月期に発売したエントリーモデルが好調なディスプレイ製品をけん引役として期待している。テクノロジーソリューション事業はベースラインという考え方にもとづいて業績計画を策定していることもあり、微増収・減益を計画している。しかしながら、この点については上振れ余地があると弊社では考えている。一方でリスク要因には米中貿易摩擦の影響があり、今後の動向が注目される。なお、期中の四半期業績については、季節性による売上高水準の変動と積極的な研究開発投資の継続によって、損益水準が大きく変動することから、特に売上高水準の低い第1四半期は営業赤字の計上が想定されることにも留意しておきたい。 ■Key Points ・ 新中計の成長戦略や重要取り組み事項は、全体として着実に進捗 ・ ペンタブレット製品の中低価格帯モデルの競争環境が激化し、オペレーションのトラブルも表面化したブランド製品事業は、ディスプレイ製品を中心に据えた各種施策の実行が成長軌道回帰への鍵を握る ・ テクノロジーソリューション事業のパーツ供給は、スマートフォン、タブレット等全方面に高水準が続く ・ 四半期業績については、季節性による売上高水準の変動と積極的な研究開発投資の継続から生じる損益水準の大きな変動に注意 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《ST》
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ペン・センサーシステムの提供等を行うテクノロジーソリューション事業が主力。ディスプレイ製品、ペンタブレット製品なども。高いブランド力が強み。ブランド製品事業では商品ポートフォリオの刷新など構造改革図る。 記:2024/10/06