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イスラエル孤立も市場は活況【フィスコ・コラム】

2024/4/14 9:00 FISCO
*09:00JST イスラエル孤立も市場は活況【フィスコ・コラム】 パレスチナ紛争の勃発でイスラエル経済は先行きが懸念されたものの、半年後の現在、同国金融市場は活況に沸いています。世界的な株高が背景にあるようです。ただ、政治情勢が不安定化すれば中東の混迷が深まり、市場も勢いを失うシナリオが考えられます。 昨年10月7日にイスラエル・ハマス紛争が勃発すると、イスラエル通貨シェケルは対ドルで11年ぶりの安値に急落。しかし、その1カ月後にはすでに持ち直していました。10年国債利回りと代表的な株価指数TA35も同様の値動きがみられました。今年に入っても回復基調を維持し、4月時点でシェケルは底堅く、株価は約2年ぶりの高値に強含んでいます。逆に国債利回りは低下後、上昇に転じました。 振り返ってみると、紛争ではイスラエルとパレスチナの双方の犠牲者が1カ月あまりで1万人を越えたものの、そのペースは徐々に鈍化していきます。当初懸念された原油相場の急騰は回避され、これまでは中東の一部での戦禍にとどまっています。市場は地政学リスクを注視しつつも、主な関心は米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめ主要中銀の政策方針に移っていきました。 特に株式市場はコロナ禍で世界的な金融緩和によるマネーが流入し、NY株式市場の強気相場が世界をけん引。日経平均株価をはじめ、各国の主要株価指数が過去最高値を更新しています。戦時モードのイスラエルにもその波が押し寄せ、TA35を押し上げたとみられます。同じような状況のロシアでも株価は堅調で、地政学リスクが市場の想定内に収まり通貨や債券の買いにつながったことがうかがえます。 ただ、国際世論はイスラエルによる占領を問題視し、人道的休戦を求めています。欧米は過去のユダヤ人の取り扱いをめぐりイスラエルを支持してきましたが、アメリカやドイツを筆頭に従来の方針を修正する動きも出てきました。イスラエル戦時内閣のメンバーであるガンツ前国防相はネタニヤフ政権に対する国内外の批判を受け、総選挙を2年前倒し実施するべきと主張し始めました。 イスラエルによるシリアのイラン領事館へのミサイル攻撃でイラン側の報復の可能性が高まり、足元でリスクオフのムードが浮上しています。イスラエルの昨年10-12月期国内総生産(GDP)は前期比で20%近くも縮小。すでに戦況の悪化で財政赤字は膨らんでおり、信用格付けは引き下げられています。経済の脆弱さが改めて露呈されれば、市場も好循環を維持できないのは言うまでもありません。 (吉池 威) ※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 《TY》